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「す」 すき間を埋める、酢ほうれん草

実家に帰った時、「酢ほうれん草」という料理を母から教わった。
と言っても母のオリジナル料理というわけではなく、母もまた誰か(もしくはテレビや本やネット)から仕入れたレシピであるらしい。えてして母親かあ教わるレシピってそんな感じですよね。

作り方はとても簡単で、
①ほうれん草を茹で

②よく絞り

割と力をこめましょう

③一口大に切ってからボウルにいれる。
④酢(何酢でもよい)を入れて、よくあえる。ほうれん草3把に大匙1くらいで十分だけど、酸っぱいのが好きな人はもっと入れてもいいです。

4工程に分けるとそれらしく見えるけれど、実際の調理時間としては茹でる時間もいれても10分とかからない。お好みで胡麻をちらしたり、ノリをぱらぱらと振り掛けてもいい感じ。

完成品がこちら

食べてみると、茹でたほうれん草のコキコキとした食感と酢の酸味(けどほうれん草の水気のおかげで少しマイルドになっている)が、程よくマッチしている。ご飯のおかずになる、というよりかはご飯とご飯のおかずを繋ぐのにとてもいい役割をしている。

例えばトンカツが今日の晩御飯として決まっていたとして、味噌汁はいつものように作るとなると、トンカツ、味噌汁、ごはんと、やっぱりもう一品作りたいよね、となる。

ここでバッチリ作り置きなんかあると完璧だけれど、毎日そんなものが冷蔵庫にあるわけでもない。

かといってトンカツは大作料理だから(粉やら卵やら何回もつけて!さらに!揚げなきゃいけない!)、「もう一品」にかけるリソースは限りなく少なくしたい。ここでおもむろにポテトサラダとか作れる人はもう完璧超人だと自分をほめたたえてください。

そんな時に、役に立つのが酢ほうれん草なんですね。 
料理の一番最初でも終盤でも、茹でて絞って酢であえて冷蔵庫にポイーとしておけば、立派な副菜として活躍してくれる。しかも緑という色味があるのが何とも心強く、トンカツ・味噌汁とか茶色系のなかにほうれん草の強い緑色があるだけで、食卓のバランスが一気に整った感じがする。

上にも書いたけれど、酢ほうれん草はそれ単体ではご飯のおかずにもならないし、お酒のつまみにもなりにくい(そうしたい場合はちょっと醤油を垂らすとか、ごま油と塩も加えてナムルっぽくするとかにするといいと思う)。

けど、この隙間を埋めてくれる副菜って実際に献立とかを考えてるととても役に立つし、はっ!と思いついた時の「助かった感」はなかなか得難い。「そうだそうだ、酢ほうれん草があったじゃないか!あーよかった!」となる。

レパートリーとしてレギュラーメンバーに常備しておくというよりかは、心の片隅に置いておいて「どうしよう!」という時に引っ張り出す一品という扱いが一番今のところしっくりくる。

このバリエーションとして、「酢小松菜」「酢水菜」あたりも考えつくところだけれど、ほうれん草の多少のクセがやっぱり酢との相性が一番いいみたいだ。


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