サッポロ一番みそおでんラーメンのために僕らはおでんを食べてもいいのかもしれない
明けましておめでとうございます。餅は食わないのにきっちり正月太りの仕事をこなせる、正月太り界の必殺仕事人こと三戸満平です。
さて、毎年この時期になると
「もうおせちには飽きた」
「もうお餅には飽きた」
「カレー食べたい」
「ねぇケンタッキーにしない?」
と言った、「お正月料理なんてもはや過去ムーブ」が散見されますね。
あれだけ「うめーうめー」と言いながら数の子をポリポリとかじり、餅をびよーんと食べていた自分はもはや過去の自分。人はいつだって新しい刺激を求めているのです。
そんな皆様、おでんはいかがでしょうか
ふわっふわのさつま揚げ、味のしみ込んだ大根、あっつあつのゆで卵、底に沈むモロモロと出汁を吸い込んだジャガイモ…
さらに、我が家の場合は「肉食わせろ」という子供たちの叫び声を聞いた母が開発した世にも肉肉しいおでんなので、手羽先やスペアリブも入れるため、ボリュームも満点です。
あっつあつのおでんに辛子をべたーっと擦り付けてこれらを頬張れば、この世の幸せをあっさりと手に入れることが出来ます。唯一の弱点と言えば作りすぎてしまうことでしょうか。うちは二人暮らしなのに、ベストなおでんを目指すとなぜか巨大な鍋2つ分が出来上がってしまいます。
「おせちに飽きたと思ったら今度はおでんに飽きる」
というミイラ取りがミイラになったようなはなしが出来上がりそうなのですが、話はここからなんですよ。
おでんには具材をたっぷり入れます。
それらの具材はおでんの出汁を吸い込むと同時に、自らのうま味もまた、出汁に溶かしていくわけですね。相互作用。お出汁は具材のために、具材はお出汁のために。助け合いって大事ですね。
ある日、職場に持って行くのに、残り少ないおでんを小分けにしたものに、味噌を溶いて味噌汁にして持って行ったわけです。
細かく刻んだおでんの具材と、お出しに、少量の味噌を溶かし、オートミールをかける。そして七味唐辛子をどさーっと。
これが、馬鹿みたいに美味しかったのですね。
考えてみればこのおでん、手羽先、スペアリブ、牛筋からはそれぞれ鳥、豚、牛のエキスが。さつま揚げなどからは海鮮の出汁が。そして野菜からは野菜の甘みが溶けだしているわけです。まさに出汁の優等生。出汁の小宇宙。
つまり、この出汁ならば、何しても美味しくなるのでは・・・?
おいしい出汁を目の前にして、人が取るべき道は多々あります。
それを鍋にしてもいい。味噌汁にしてもいい。炊き込みご飯にしてもいい。だし巻き卵にしてもいい。
だからこそ、どうしてもこいつで試したくなったのです。
サッポロ一番みそおでんラーメン…!
みそラーメンに必須であるチャーシューももやしもありません。その代わりにあるのはちくわぶとジョンソンヴィル(これもいい出汁がでるんだ)とこんにゃく。塩分を気にして一人前の半分の量しかスープの粉は入れていませんが、味噌ラーメンらしさは十分。
日本には数多のラーメン屋がありますが、この組み合わせで出してる所はなかなかないんじゃなかろうか。(でも調べたら絶対ありそうでもある)
いざ、実食。
・・・一言目に出るのは「思った以上に複雑なお味!」そして少し遅れて二言目に「おいしい!」が出る!
前述のとおり、とにかく出汁に溶け込んでいる味の数が半端じゃないせいか、普通のサッポロ一番みそラーメンを食べている時とは全然違う味の複雑さと濃厚さが舌にどんぶらことやってきます。
スープをずるずると飲めば、ほろほろに崩れた鶏肉やモロモロになったジャガイモが喉を通りぬけていきます。それがまた味噌ラーメンのちぢれ麺に美味い具合に絡まってこりゃすごい。
おいしい、確実においしいのだけれど、その「おいしい」を言う前に処理しなくちゃいけない情報が多すぎるラーメン・・・!
夢中で完食。もう一杯食べようにも、サッポロ一番みそラーメンはともかく、おでんがもうない。そしてこの複雑怪奇なお出汁を作るには、あの大量のおでんをもう一度作るしかない!
次回はおでん鍋3つ分くらいのおでんを仕込んでやろうか。そう思わせるくらい、おいしいサッポロ一番みそおでんラーメンなのでした。
皆様も是非、おせちやお餅にあきたら、たっぷりのおでんを仕込んだうえで、この至極の一杯に是非トライしてみてください。
この記事が参加している募集
サポートでより凝った料理記事などが書けます。よろしくお願いします!