#14 自分と向き合う時間~Time of Meditation~
はじめに
瞑想はどれだけしたらいいのかという質問がありました。そうですよね、気になりますよね。私はこの発信と並行して、英語の勉強をしています。仏教や日本の良さで英語で発信したいなと思っていまして、日々英語の勉強をしています。英語はアプリが充実していまして、勉強しやすかったり、TOEICや英検といった今の自分の実力を評価してくれる機会があるのでモチベーションを保ちやすいなと思います。しかし、瞑想はアプリはありますが、瞑想する能力といった評価というのは難しいので、どこまで伸びたという実感は湧きづらいですよね。
効能・効果=日々の時間✖日数
瞑想は毎日行う時間と行っている日数の掛け算で効果が伸びていきます。つまり瞑想はすればするほど良いということになるのですが、私たちはそれに費やす時間がありません。現代社会は、情報が飛び交い、テクノロジーが進歩し、私たちの生活はより速度を増しています。このような状況の中で、時間という資源はますます貴重になり、その使い方が我々の生活の質に直接影響を及ぼします。私たちが目覚めるとすぐに、スマートフォンはすでに新しい情報を更新し、待っています。仕事や学校、家庭の事情、そして個人の趣味や興味、すべてが私たちの時間を埋め尽くし、一日があっという間に過ぎてしまいます。このような状況では、時間管理が極めて重要となり、時間を有意義に過ごす方法を見つけることが求められます。それぞれの時間の一分一秒が価値を持ち、それぞれが人生の一部を形成します。私たちは時間が貴重だと認識し、その最適な使い方を模索することで、生活の質を向上させ、ストレスを減らし、充実した人生を送ることができます。時間は最も重要な財産の一つであり、それをどのように使うかは、私たちがどのような人生を送るかを決定します。
瞑想の効果それぞれ
また、瞑想はその効果を実感しづらいと思われます。瞑想の効果は往々にして微妙で、時間をかけて徐々に表れるものだからです。まず、瞑想はある種の技術や練習を必要とします。集中力、自己認識、そして自己制御など、瞑想が求めるスキルは日々の練習を必要とします。これらのスキルは一夜で身につくものではなく、瞑想を始めてすぐに結果を求めることは現実的ではありません。さらに、瞑想の効果は人それぞれ異なります。一部の人々は比較的早期に効果を感じるかもしれませんが、他の人々は長期間瞑想を続けても明確な変化を感じられないかもしれません。これは瞑想が個々の体験や認知のパターンに影響を及ぼすため、その効果が人によって異なるためです。また、瞑想の効果は、直接的で明白なものではなく、より微妙で間接的なものであることが多いです。ストレスの軽減、集中力の向上、情緒の安定化など、瞑想による変化は日常生活の中で徐々に現れます。しかし、これらの変化は他の要因によるものと混同しやすく、その結果瞑想の影響を見過ごしやすいです。最後に、瞑想は内面的な経験であり、その効果は主観的な自己認識に依存します。したがって、自己認識が低い人や自分自身の感情や思考を理解するのが難しい人は、瞑想の効果を認識するのがより困難であるかもしれません。私は瞑想が大好きな人なので、瞑想にどこまで時間をかけることが、人生を幸せにする基礎を作ると思っています。まあ、ヨガでもいいんですけどね。私は身体硬すぎ説があります。
瞑想の効果 その1~集中力~
10分の瞑想をスポットで行うだけでも集中力がアップします。10分から40分の瞑想を1回行うだけでも集中力に関してはポジティブな効果があります。だから私は、昼休憩の時に、最低10分間の瞑想を習慣づけています。私の性格は決まった時間に決まったことをしたいという欲求が強いので、13時10分から10分~20分の瞑想をすると決めています。皆さんも自分に合ったやり方で習慣化してください。もちろん、こんな仕事なので、呼び出されることもあり、その時のストレスは半端ありません。その時こそ、状況が落ち着いたら、長めに瞑想する動機にしています。一石二鳥を目指します。仕事を始める前に行うのが良いと言われていますね。集中力が上昇している状態で、仕事が進みますので有効だと言われています。
瞑想の効果 その2~レジリエンス~
あともう一つ短期間で効果が出るものというのはレジリエンス、回復力という能力です。レジリエンスは、困難や挑戦に直面したときに、それをうまく乗り越え、適応し、成長する能力を指します。心理学の分野では、この概念はしばしば「心の弾力性」と表現され、ストレスや逆境に対する個人の回復力を意味します。レジリエンスが高い人は、困難な状況を経験したときに、それを乗り越え、時にはそれを成長の機会として利用することができます。対照的に、レジリエンスが低い人は、同じような状況で混乱し、ストレスを感じ、回復するのに時間がかかることが多いです。粘り強く失敗しても取り組む力もレジリエンスに含まれます。このレジリエンスに関してもわずか20分のマインドフルネス瞑想を行うことよって高まったという報告もある。有効活用の例としましては、大事な仕事やイベントの前に、10分間の瞑想をおこなうと集中力があがり、20分の瞑想をおこなうと、集中力があがるだけでなく、へこたれない、コツコツ努力できるメンタリティができるというわけです。どうですか、瞑想したくなってきませんか。
瞑想の効果 その3~ワーキングメモリ~
週2時間のマインドフルネス瞑想を8週間おこないました。それから頭の回転をはかる認知テストを行ったところ、マインドフルネス瞑想をおこなったグループはワーキングメモリの性能が向上していて、さらにネガティブな気分から立ち直る能力が向上するということが確認されました。ワーキングメモリとは、我々が情報を一時的に保持し、その情報を使って何かをするための能力を指します。これは、頭の中で問題を解いたり、新しい情報を学習したり、日常生活のタスクをこなすために必要な能力です。例えば、複雑な数学の問題を解くときには、ワーキングメモリが活躍します。問題を理解し、必要な計算を行い、その結果を保持し、最終的な答えを導き出すためには、一時的に多くの情報を保持して操作する必要があります。このような一連のプロセスがワーキングメモリによって可能になります。また、新しい情報を学ぶとき、例えば新しい語彙を学ぶときや新しい科学の概念を理解するときにも、ワーキングメモリは重要な役割を果たします。新しい情報を理解し、それを既存の知識と結びつけて記憶するためには、その情報を一時的に保持し、操作する能力が必要となります。
ワーキングメモリは「精神のワークスペース」とも言われ、その容量は個々に異なります。一部の研究では、ワーキングメモリの容量が一般的な認知能力や学習能力と強く関連していることが示されています。したがって、ワーキングメモリの能力を高めることは、学習能力を向上させるための有効な方法と言えるでしょう。週2時間のマインドフルネス瞑想をしただけでも、ワーキングメモリとレジリエンスに効果があったということは、1日にすると20分程度であり、これを知るとしてみたくなりませんか。
瞑想の期間について
瞑想の期間としては多くの研究は8週間から12週間の研究が多いです。私はASD気質があるので、毎日同じことをしたいという思いは人一倍強いと思いますが、一般的に人間は毎日同じことをすると安心を得られます。生物学的に人間は弱い生き物なので、今まで生きてこれているというのが最大の安心なのです。違うことをすると本能的にリスクを感じるので同じことをしたいのです。そのことは、コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーンで説明されます。コンフォートゾーンとは、人々がリスクを感じず、緊張感や不安をほとんどまたは全く感じない状況や活動を指します。この状態は安心感や安定感をもたらしますが、過度にコンフォートゾーンに留まると、新しいスキルの習得や個人的な成長の機会が失われる可能性があります。そして、ラーニングゾーンは、個人が新しいスキルを習得したり、新しい経験をしたり、自己改善や自己発展を追求したりするための挑戦を提供します。ランニングゾーンにいると、人々はしばしばリスクを取り、不確実性に直面し、失敗の可能性を受け入れます。このゾーンは、個人が自己の能力を最大限に引き出す場所であり、新たな視点を得て、適応力と柔軟性を向上させる場所でもあります。名前からもストレスフルなパニックゾーンは、過度のストレス、不安、または恐怖を引き起こす可能性がある状況を指します。パニックゾーンは、通常、個人の能力を超えた挑戦や過度の圧力を伴う状況に対応します。このゾーンにいると、人々はしばしばパニックになり、思考が困難になり、パフォーマンスが低下する可能性があります。自分がどのゾーンにいるのかを見極めることは重要です。コンフォートゾーンにいる時間の長いからは、自分の状態、体調を見ながらラーニングゾーンへチャレンジし、パニックゾーンにいると思われる方は長い間、その場にいると体調を崩しますので、知恵を用いながら、ラーニングゾーンへの退避を目指してください。パニックゾーンにいる時も瞑想が役立ちます。
瞑想の効果 その4~タフな状況に対してのストレスの減少~
インドの大学で行われた研究では32人の大学生が参加し、20分間の瞑想セッションを行った後に緊張感を要する認知タスクを実施しました。結果として、瞑想セッション後の認知パフォーマンスが向上したことが示されました。特に、注意力、集中力、情報処理の効率性が高まり、認知タスクの成績が向上しました。また、瞑想セッション後にはストレスの減少とリラックス感も報告されました。つまり、タフな状況の前に20分間瞑想をすると成績が向上するという結果です。
瞑想の効果 その5~人生に満足感~
最後に私の好きな幸せになるためにというテーマの研究です。8週間から12週間の瞑想プログラムを行ったところ、ウェルビーイングの向上がみられたという報告があります。ウェルビーイング(Well-being)とは、単純に言えば、自分自身の生活に対してどれだけ満足しているか、そして心身ともにどれだけ健康であるかを示すものです。これは、人生がどれだけ幸せで、充実しているかを意味します。ウェルビーイングは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康や社会的なつながり、自分自身の成長といった様々な面を含みます。これらはすべて、自分自身がどれだけ幸せで満足しているかを左右します。たとえば、身体的なウェルビーイングとは、運動をして健康を保つことや、バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠をとることを含みます。精神的なウェルビーイングは、自己成長や自己理解の程度を指します。これは、自分自身を理解し、自分の強みや弱みを認識し、自分がどのように成長できるかを考えることで向上します。感情的なウェルビーイングは、自分の感情をどのように管理しているかを示します。これは、ストレスや悲しみ、怒りなどの否定的な感情をうまく処理し、喜びや愛などの肯定的な感情を増やすことで改善されます。社会的なウェルビーイングは、あなたが人々とどのようにつながり、コミュニティの一部としてどれだけ参加しているかを示します。友人や家族との良好な関係は、この面のウェルビーイングを向上させます。ウェルビーイングを高めるには、これらのさまざまな面に注意を払い、健康的な生活習慣を持つことが重要です。それにより、あなたはより幸せで充実した生活を送ることができるでしょう。これらを向上させるというのは、瞑想ってすごいですよね。
終わりに
今日は瞑想の効能・効果が出てくる時間についてお話しました。短期間で効果があるものとしては、10分間で集中力、20分間でレジリエンスでしたね。最初は3分でもきついと思いますで、短い時間から徐々に延ばしていくのがオススメです。最初は、自分を観察するヴィパッサナー瞑想は難しいので、私は慈悲の瞑想がいいと思っています。またみなさんの瞑想体験記を教えてください。
ストレスからくる生活習慣病、不眠、生きづらさに対して、薬を処方するのと同じように、日常生活でできるアイデアを処方します。読んでいただきありがとうございました。みなさんの幸せな生活を心より祈っています。
Reference
Zeidan F. Mindfulness meditation improves cognition: Evidence of brief mental training. Consciousness and cognition, 2010, 19(2), 597-605.
Jha A P. Examining the protective effects of mindfulness training on working memory capacity and affective experience. Emotion, 2010, 10(1), 54-64.
Subramanya Pailoor. Effect of a Single Session of Meditation on Cognitive Performance at a University in South India. Journal of Clinical and Diagnostic Research, 2015, 9(4), CC01-CC03.
Keng, S. L. Effects of mindfulness on psychological health: A review of empirical studies. Clinical Psychology Review, 2015, 31(6), 1041-1056.
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上記のお話に加え、慈悲の瞑想を放送しています。
音声の方が聴きやすい方もおられると思いますので良かったら利用ください。
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