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#12 ダイエットのお話 その3~PFCバランスを諦めて~

はじめに

ダイエットで食事に気をつけると、よく出てくるのがPFCバランスです。しかし、それを意識して食事をしても、栄養士さんでもないし、こんなんをいちいち計算できないよっとなって辞めてしまう人がほとんどでしょう。なぜわかるのかって、私がそうだからです。七転びしながら挫折してきました。八起目でコツをつかめたので今回は紹介したいと思います。私自身、自分で料理できない生活ですが、1年を通して体重をコントロールできています。春から夏にかけては体重を4kgくらい減らし、秋から冬にかけて体重を4kg増やします。夏はカロリーを消費しやすいので痩せやすく、ボディラインが出やすくなりますので、ダイエットしやすいですよね。でも体重を減らすとどうしても筋肉は落ちます。筋肉は整容面はもちろん、動きやすく便利な身体になるので、筋肉を増やすことも必要です。その時期は脂肪とともに体重増加させる方が、筋肉が付きやすいので秋から冬にかけて筋トレとともに摂取カロリーを増やします。そんな感じで体重を60kg前後に保っています。ではどんな風にしているのか、興味のある方は観ていってください。

1日の消費カロリーを計算しよう

まずは1日の消費カロリーで計算します。まずは基礎代謝量を計算します。前回、ハリス・ベネディクト方程式を紹介しました。それは年齢、身長、体重を式に当てはめて計算します。そしてその人の活動量で調整して1日に必要な消費カロリー(TDEE: Total Daily Energy Expenditure)を計算します。

私の場合は1980kcalと計算されました。しかし、この量を毎日摂取すると、私の場合は体重が増えてきます。私は骨格が華奢で、筋肉が少ないため、一日の消費カロリーはこれより少ないのでしょう。このように食事療法を初めて2ヶ月くらいはどのくらいの消費カロリーなのかを観察することが大切です。観察の方法は決まった時間の体重測定で構いません。朝でもいいですし夕でもいいです。条件を同じにしたいので、決まったルーチンで測定してください。私は、朝起きて、朝ごはんを食べたあとに検温とともに体重を測定します。コロナ禍で医療従事者は検温を義務付けられており、もう習慣化してしまいました。そして、その週あたりの平均値を出します。だいたいでいいですよ。すると体重が増えているのか減っているのかおぼろげながらわかってきます。すると今の食生活ではカロリーオーバーなのかどうかがわかります。

目標設定はシンプルに

そして、食事内容ですが、炭水化物は、タンパク質は、脂質はって考えると頭痛くなってきますよね。忙しい私たちの生活では難しいと感じています。何かを挑む時に大切なのは、シンプルな目標設定と環境の整備です。複数の因子を考慮せず、シンプルな目標を設定することで、習慣形成の取り組みを容易にします。たとえば、毎日30分の運動をする、朝食を必ず食べるなど、具体的かつ単純な目標を定めることで、習慣化のプロセスが簡略化されます。そして環境の整備も大事ですね。環境を整えることで習慣形成が促進されます。たとえば、運動習慣を身につけたい場合は、運動用具を準備し、運動スペースを整えることで、習慣化を支援します。私は外来で生活習慣の改善を患者さん達に提示する時は、個人のがんばりに期待することは最小限にしています。それよりは、この食事をこのようにしたらどうでしょうか?ここで昼寝をするのはどうでしょうか?などとシンプル、かつ具体的な提案をするように心がけています。できた結果に対してがんばりましたねということはありますけど、高血圧、糖尿病の患者さんに食事療法がんばってくださいといっても、自分でがんばれたらとっくにしてますよって言いたくなるだろうなと思います。個人個人に寄り添いながら、一緒にその人にあった生活習慣を組み立てていきたいと思うのです。しかしそれをすると外来がパンクしてしまいますので、いつもごめんなさいと思いながら、薬を出しています。

私のPFCバランスと摂取カロリー

私がしているPFCバランスはタンパク質とカロリーに焦点を絞っています。タンパク質はの適切な摂取量は体重や活動レベルによって異なりますが、肥満症ガイドラインでは1g×標準体重/日の蛋白摂取が必要であり、必須アミノ酸の供給のためには動物性蛋白(乳蛋白、卵蛋白を含む)を中心とするとあります。だから私は私は60gくらい摂取します。

ダイエットにとっても、姿勢にとっても筋肉はとっても大事です。だから腎臓病などタンパク質制限がかかる基礎疾患がない場合はタンパク質優先でいいのかと思います。基礎疾患のある方はかかりつけの医療機関に相談してくださいね。では私の献立に行ってみましょう。
 
朝:ヨーグルト+はちみつ+ジュース タンパク質10g 300kcal
昼:病院の検食 タンパク質25g 800kcal
夕:タンパク質多めのサラダ+デザート タンパク質25g 500kcal

大体こんな感じです。今は減量期なので1600kcal前後となっています。4月から初めて2kgほど体重が落ちているので順調ですね。夜デザートをとるのは、私はいろいろな側面から寝ることを最も大事にしているので寝やすいように炭水化物を夜取るようにしています。私は仕事柄、寝ない生活を10年くらい続けてきました。それもバーンアウトした大きな要因と思います。ですから不眠は心身の健康にダメージがあることは身にしみてわかっています。私の寝ることこだわりもまたお話できる機会があればうれしいです。

自分にあったやり方を見つけてください

ダイエットは個人個人の食事環境にとても依存します。私は病院の検食という仕事があるので、昼間にミネラル、ビタミンといった栄養バランスの良い食事をコンスタントにとれるのが、私のダイエットライフにとっては力強い味方になっています。個人個人、生活習慣も違いますし、大事にしていることも違います。それを1つの杓子定規で正していくのはとても難しいと感じます。だからこそ、ダイエットで失敗する人も多く、数たくさんのダイエット本が出るのですよね。自分にあったやり方を探す、とても遠回りですが、それが最善で長続きし、また自分への自信につながる方法だと思います。みなさんの幸せなダイエットライフを祈っています。

Reference:
日本肥満学会(編) (2016). 肥満症ガイドライン2016

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