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ものうる人びと

編集出版・代理店・制作会社・法人広報・生活者として……いろいろな立場で広告に関わってきた著者による、広告にまつわる色々なテキストが集まっています。広告のまわりにいる人が、ふと足を…
広告にまつわる色々な文章が読めるマガジンです。ものを「売る」「得る」ためのフィクションとして広告を…
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2022年7月の記事一覧

応援広告が増えてる件

この夏、駅のサイネージで何も映らない真っ黒な画面が増えた。 2年前、綺麗な景色しか映らないデジタルサイネージは、それだけで「絶賛緊急事態中」という感じだったが、今回の原因は節電なので、電源オフになっている。東日本大震災を思い出す。 あれから10年経ったのだが、電源オフのサイネージに「節電中」という紙が貼られているのを見ると(たいして人類は前に進んでないね……)と思う。 あの頃の日本でお目にかれなかった「応援広告」は圧倒的に駅貼りポスターが多い。ライトボックスとかデジタル

病院で心を折られ続けて四半世紀

病院で、薬の使い方と病気の説明が載っている冊子を渡されることがある。あれは便利。家に帰っても、およその症状を確認できる。最近は特にデザインやイラストにも気合いが入っている。ありがたいが、医師の裁量で扱いが大きく異なり、ときどき厄介なことが起きる。 パンフレットに頼っている医師も少なくないようだ(と、たまにしか受診しないのに思うから、かなりの確率)。制作側へのお願いは一点。その病気が「〇〇な人がかかりやすい」としても、他属性の罹患も想定して作ってもらえないだろうか。 特に、

BFジャーゴンに気をつけて

学校の仕事を始めてみると、ものすごい懐かしいことに再会することがある。しかも、自分が大学を卒業をしたのは20年近く前で、そこから先は学校法人とは無縁だったので、色々と知らない用語も存在する。 たとえば先日は、オープンキャンパスのことを「オーキャン」と略すのを知らずに、「オーケン?」と聞き返してしまった。 特定の集団で通用する隠語をジャーゴンと呼ぶ。業界用語や校内用語など、とくにネットの書き込みやSNSで使われる特殊な符牒はネットジャーゴンって呼ばれるけど、スラングの部類よ

自分の苦手なことを忘れていた話

昨日は「クライアントとシンクロできるのって少ない」と書いた。それは言うまでもなく、自分を含めての話だ。「今は、何でイマイチ乗り切れないのかな?」考えていくと、衝撃的な理由が明らかになった。 わたしは半年ほど、学校法人で広報の仕事をしている。今までいろんなところで働いたけれど、「レベチ」としか言いようがない特殊な環境で、毎日が潜入取材のような感覚だ。ドキドキしてしまう。 そもそも、何故ここで仕事をしてみようと思ったのか。それは「今まで続けてきた仕事が次の世代の役に立てるかも

レスポンシブデザインと自由のありかた

WEBデザインの「レスポンシブデザイン」を「レスポンシブルデザイン」とついつい言ってしまうことを、恥ずかしいだけだと捨て置くのはもったいない。両者に強い結びつきがあるのを見つけたので、もし誰かが言い間違いをした時も、これからは自信を持って良いと思う。 有料マガジン内ですが、この記事は無料公開中です。 「レスポンシブデザイン」では、デバイスに応じた適切な画面を自律的に表示する応答を設計する。そもそも、responsive も responsible (よく使われるのは re