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日本の影響力を高めたい!No influence, no future!/ブライアン・シャーマンさん(グラマシー エンゲージメント グループ代表取締役)、今西由加さん(代表取締役)

ブライアン・シャーマンさん プロフィール

グラマシーエンゲージメントグループ株式会社 代表取締役

米国ニューヨーク市人事コンサルティング会社にて日系企業(NY・LA)を対象に人事コンサルタントとして従事。その後、米国住商情報システムにて人事総務部長に就任。在米日系企業が抱える人事の現場を内と外の視点で支える。
来日後は株式会社ファーストリテイリングでのグローバル人事業務に参画。欧米露アジア拠点の人事マネジメント業務に従事。
2010年グラマシーエングージメントグループ株式会社設立。現在は、日本企業の人事のグローバル化をサポートするコンサルタントとして活躍中。
著作「英語de人事 日英対訳による実践的人事」(白木三秀と共著、文眞堂、2020年)

今西由加さん プロフィール

キュリオジャパン株式会社 代表取締役

上智大学卒業後、ソニーミュージックで海外アーティストのPR、マーケティング担当。その後、仏化粧品会社のマーケティング、韓国のベンチャー企業、独アパレル企業でオフライン/オンラインのマーケティング事業拡大に幅広く携わった後、キュリオジャパン株式会社を設立。
「多様性を力に変えられる社会に」をミッションに、日本におけるグローバル教育・グローバル人材育成に関わると同時に、現在、筑波大学大学院にてグローバルリーダーの研究を進めている。

(豊田)
こんにちは!スパイスアップ・ジャパン代表の豊田圭一です。

「人事」のHRと「トランスフォーメーション」のXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた当チャンネルは、「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」をスローガンに、「人事」と「トランスフォーメーション」、つまり「変革」というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺っていきたいと思います。

今回は日本社会、特に日本企業が国内外の外国人とどのように関わっていくのかという点で、これからの日本を考えている2人のゲストお招きしました。

まだあまり他の人が語っていない形での変革が必要だと考えているということで、今日は僕自身も楽しみにしています。

それでは、本日のゲストはグラマシー エンゲージメント グループ代表取締役のブライアン・シャーマンさんと、キュリオジャパン代表取締役、今西由加さんです。こんにちは!!

(ブライアンさん・今西さん)
こんにちは、よろしくお願いします!

(豊田)
まずは簡単に自己紹介をしていただいてもいいですか?

(今西さん)
はい、じゃあまず私からさせていただきます。
キュリオジャパン株式会社の代表をしております、今西由加と申します。
弊社は「多様性を力に変えられる社会に!」をミッションにしていまして、日本にいる留学生の就職支援、そして企業のグローバル人材育成、ダイバーシティマネジメントのトレーニングをさせていただいています。

(豊田)
はい、ありがとうございます。
ブライアン、お願いします。

(ブライアンさん)
皆さん、よろしくお願いします。
私は2010年に創業したコンサルティング、研修、ファシリテーションを提供している、グラマシー エンゲージメント グループ代表取締役のブライアン・シャーマンと申します。
私自身、元々アメリカから日本に参りまして、20年以上日本で人事の仕事をやって参りました。よろしくお願いします。

(豊田)
はい、よろしくお願いします。
今回2人が連携して、新しいチャレンジ、プロジェクトを始めるということで僕自身すごく楽しみにしているのですが、「あまり他の人が語っていない形での変革」が必要だと思っているということですが、2人は、日本企業、もしくは日本人の変革を進めるにあたり、どのように叶えようと思っているんですか?

日本の影響力を高めたい!

(ブライアンさん)
まずは我々が共同開発した新しいプログラムがありまして、C.O.R.E. JOURNEY PROGRAMといって、「C.O.R.E.de世界を動かす」ダイバーシティマネジメント人財開発プログラムとなっています。

(豊田)
世界を動かすって大胆な提言じゃないですか!

(今西さん)
日本から世界を動かす!
これを私たちの目標にしておりまして、もっと日本の影響力を高めたいと思っているんですね。
日本からどうやって世界を動かすかということなんですけど、そのためには2つしなければいけないと思っています。
当然なんですが、相手のニーズとか期待に合わせて自分たちのスタイルを変えていく必要があるのですが、その前に自分たちのスタンスを明確にして、何が自分たちのメッセージなのか?何が人を動かして、何が人の心を動かして、どうしたら動いてもらえるのか?というのを深掘りをして、それをできるようにしたいという想いがあって、このC.O.R.E.というプログラムを作りました。

(豊田)
影響って言葉がありましたけど、世界に対して影響を与えることに課題がやっぱりありますか?

(ブライアンさん)
日本の長い歴史をみると、日本が世界に対してすごく良い影響を与えていると思います。
日本から生まれたアニメとかPlayStationなどにすごいハマっている人がいるということで、その意味合いでは日本の影響力は高いのですけど、2020年にコロナ禍の中で、経営のトップがどのように世界中の従業員に対してアピールしているかということを日本の企業と海外の企業を4月5月頃、比較しました。
欧米企業は社長、経営者が自宅から世界中の従業員にメッセージを発信したり、そのメッセージビデオをYouTubeに載せたり、自社のホームページに載せたりしています。
日系企業の本社で同じようなアピールしていたのは、3社しかありませんでした。
当然社内のネットワークにはあったかもしれませんが、公開をしてその企業がこの事態にどのように対応をしているのか、どのように世界中の人々に良い影響を及ぼそうとしているのか、かなり日本からのプレゼンス、存在感が低かったです。
他のデータをみますと、例えばIMDの年間のランキングがあります。
日本の競争力がどんどん落ちている傾向がありますので、やっぱり日本企業のアピールポイントがちょっと乏しいです。
私自身が日本の企業と仕事をやっている中では、素晴らしい企業理念、素晴らしい歴史、素晴らしい商品・製品があるんですけど、ポイントはどのように本社の人間が海外に向けてアピールしようとしているか、つまりどのような影響力を持っているか?どのように世界の人々と繋いでやっていくか?などのポイントは日本企業には課題があるんじゃないかなという風に思います。

(豊田)
欧米の企業はその辺りがすごくうまい企業は多かったですか?

(ブライアンさん)
うまいというか、経営者が心から話をしている感じで心に刺さったメッセージが結構ありました。

(豊田)
なんで日本人はそういうことができないのか、またはしていないのかはなぜなんでしょうかね。

(ブライアンさん)
ひとつは言葉だと思いますね。

(豊田)
英語で発信しないといけないからですか?

(ブライアンさん)
そうですね、それは間違いないのですが、欧米企業の経営者も英語がネイティブではない方も多いんですよ。
その点もあるのですが、それよりも認識ですね。
ここまでアピールする必要性があるか、という認識がまだ低いんじゃないかなという風に思います。

(豊田)
2人はなぜ日本の影響力を気にしているんですか?

(今西さん)
私の会社でいくと、留学生とか外国人人材の就職支援をしているのですけど、今ブライアンが言ったように海外に向けて発信をしている企業が少なくて、留学生や外国人人材にその企業の良さが分かってもらえていないところが多いんですね。
マッチングしていて、それがすごくもったいないなと思うのと、課題としては日本人になることを求めている企業がまだいくつかありまして、そうすると外国人人材は違う企業に行ってしまうことが結構多かったりするんですよね。

(豊田)
そりゃそうですよね。

(今西さん)
なので、その辺をもっともっとポジティブに日本の影響力を海外に発信していくことで、もっとたくさん外国から日本で働きたいと思う人が増えるでしょうし、より良い就職、マッチングができていくと思っています。

(ブライアンさん)
私自身、なぜ日本の影響力に関心があるかと言うと、今このような状況なのにアメリカに帰国しないんですか?と結構聞かれたのですが、両親や妹など家族はアメリカにいるんですけど、私自身の生活の基盤は日本にあるので、すぐにアメリカに帰ることはちょっと難しいんですよね。
私のように日本に定住している外国人は自分たちの将来と日本国の将来が密接に結ばれているんですね。
それは日本人と変わらないくらいなんですけど、日本の将来をすごく気にしている外国人が多いんじゃないかと思います。

(豊田)
それはそうですよね。
あとはマーケットがどんどんシュリンクしている状況の中で、日本だけではなくて、世界のあらゆるところにマーケットのチャンスを求めていかないといけないということは間違いないですけど、その点では日本の影響力、プレゼンスを高めることはすごく重要な要素かなと思いますけど、2人もその辺り感じるところはありますか?

(今西さん)
豊田さんの仰るようにすごく重要だと思っておりまして、これからどんどん人が少なくなっていくし、海外にマーケットを探しにいかないといけなくなると思うんですよね。
その中でどうしても海外から優秀な人を採るということは避けては通れなくなると思うんですけど、そこをまだうまく発信ができていないところが多いし、外国人人材が入った後もカルチャーがなかなか醸成できていなかったりで、離職率がすごく高い会社がまだ多いと思うんですね。
その辺を我々のプログラムでお手伝いをして変革を起こしていきたいなと思っています。
そうじゃないとずっと井の中の蛙じゃないですけど、狭いところでグルグルグルグル回っているような感じになってしまうので、そこをお手伝いしたいと思っております。

(豊田)
いや、本当そうですよね。
日本のマーケットがシュリンクしている中でどうやって生き残るか、それは日本人個人としても、日本の国としても、組織としてもすごく考えるところがあるけれども、日本は常に私たちは独特だからとか、特殊だからとか言いますけど、どの国も特殊だし、誰だって特殊だし。

(今西さん)
本当そうです。

(ブライアンさん)
これからは日本人と外国人が共存共栄していかなければいけなくて、日本の会社の本社では当然圧倒的に日本人が多いんですけど、本社の人間が強いリーダーシップを発揮して、世界中の人々にどのように影響を及ぼすことができるのかをこれから色々考えて取り組むべきことかなと思います。
海外拠点で働いている外国人をこれからも長くその会社で働くことができるキャリアビジョンを持つべきだと思います。
どのように日本の会社の強みを一丸となって次のレベルまで伸ばすことができるのかという時代となっているんじゃないかという風に思いますね。

「C.O.R.E.de世界を動かす」ダイバーシティマネジメント人財開発プログラム

(豊田)
2人が言っていることはすごく共感するんですけど、じゃあどうやってやるの?ってなった時に2人が作っているC.O.R.E. JOURNEY PROGRAMをどのように日本企業の影響力を高めるということに繋がっていくんですか?
どのようにできるんですか?

(ブライアンさん)
そうですね、まずはC.O.R.E. JOURNEY PROGRAMのC.O.R.E.について説明させていただきます。

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まずプロセスとして考えると、Contemplate(自己認識力)を高めるんですね。次はOrientate(巻き込み力)をより強く、Relate(発信力)は自分から相手にどのように適切なメッセージを発信できるか、最後のEngage(共感力)を高めるということです。

(今西さん)
C.O.R.E.が示す、核となるようなものを作りましょうというのが、このC.O.R.E. JOURNEY PROGRAMの1つの核なんですけど、対象者としては経営者でも人事でもマーケティングの方でも、企業で働く人々が自分たちのコア・メッセージを見つけて、それを海外に発信していくことができるようにするということをお手伝いします。
1つ大きな特徴としては、海外で働いたことがあるとか、日本に来る前に働いていた留学生、外国人人材がオーディエンスになって、そこで発表をしていただくんですね。
本当にリアルの場のような感じで発表していただいて、そこからリアルにコメントやフィードバックをもらって、どうやってブラッシュアップしていくのか、どうしたら外国人に日本のプレゼンスをもっと知ってもらえるようなメッセージが発信できるのかというところを実践でやらせていただくというところが大きな特徴です。

(豊田)
それ、僕がやっている研修にもちょっと関係してくるんだけど、日本の企業の方が海外に駐在に行った時に一番ハードルになるのは、決して語学力でも異文化理解でもなくて、多様性のあるチームをマネージした経験がないことなので、怖いとかどうやってやったらいいのかなどの課題があっても、それを実践でこのC.O.R.E. JOURNET PROGRAMでできそうな気がしますね。

(ブライアンさん)
まさにその通りだと思います。
私自身も定番の研修プログラムとして赴任前研修をやるのですが、C.O.R.E.の”C”の部分に時間をかけて受講生と一緒に考えてやっています。
それはどういうことかというと自己認識力でして、海外に行かれて現地の人と初対面の際に自己紹介をしなければいけません。
その自己紹介の中で経歴の話というよりは、自分が何のために、この海外拠点に働きにきたか、現地の人とどのように、これから仕事をやっていきたいかですね。
そんなところから異文化研修が始まるのではないかと思うんですよね。
大事なポイントは海外で働く人もそうですし、本社から海外と連携を取らないといけないような人向けにこのプログラムはカスタマイズできると思います。
人事の場合は、経営理念・会社の魅力をどのように現地の人に伝えて、より優秀な人材を惹きつけることができるか。
経営者の場合は、会社のビジョン、会社がこれから社会へ貢献を達成するため、どのように海外の人にメッセージを出すべきか。
あとは商品開発、製品販売をしている方々、自分からコア・メッセージを発信しなければいけない立場のような人にとっては、このプログラムが役に立つのではないかなと思っています。

(豊田)
ちなみにこのプログラムは英語で実施ですか?

(ブライアンさん)
ちゃんぽん!(笑)

(豊田)
ちゃんぽんね!(笑)
最高!

(今西さん)
両方です!

(ブライアンさん)
残念ながら外国人に向けてメッセージを発信しようとすると、日本語だけではなかなか通じないのですが、準備の段階では日本語を使いながらやって、最終的にはどのように英語で話ができるかというポイントもあると思います。

(豊田)
どれくらいの期間なんですか?

(今西さん)
C、O、R、Eなのでステージが4つあるんですけど、ステージ毎に半日から1日でそれプラス、前後にe-Learningが入ってくるので、全部で6日間くらいですかね。

(豊田)
何ヶ月というプログラムではないんですね。
基本的には向き合い方だから重要なのはマインドセットなので、スキルとか知識を身に付けていくものではないから、その点ではその期間でできるのかなと思いましたけど、実際にそれをやってみてどんな風に人が変わるのか、人が変わった後に組織がどんなふうに変わるのかって僕もすごく興味深いのでまた教えてください。

(今西さん)
はい、ぜひ。

(豊田)
今日は色々な話をどうもありがとうございました。

(ブライアンさん・今西さん)
ありがとうございました。

英語de人事 日英対訳による実践的人事

(豊田)
ブライアン、本の紹介もしよう!

(ブライアンさん)
最近出版しました、英語de人事 日英対訳による実践的人事という書籍は、早稲田大学の白木先生と一緒に書きました。
人事の基本とケーススタディ、サンプル・カンバセーションの構成になっていて、これからも海外人事の仕事もしくはこれから海外赴任される方にぜひ読んでいただきたいと思っています。よろしくお願いします。

英語de人事

(豊田)
これ、僕も読みましたけど、人事のバックグラウンドがない僕にとってもすごく分かりやすかったです。
専門用語があるけれども、日本語と英語になっているからすごく分かりやすいので赴任前に読むのは良いですね。
海外に赴任したら、元々人事じゃなくても人事の業務をやらないといけないし、そういう点ではすごく良かったし分かりやすい本だなと思いました。

(ブライアンさん)
ありがとうございます。
人事の理論と理念を知っていただくことがポイントなんですけど、それに加えてケーススタディ。特に日本人が海外で働く時のケーススタディも入っていますし、あとはサンプル会話。現地の方とコミュニケーションを取る時に人事的な課題について語ることができるのか、十分にヒントがあるんじゃないかなという風に思います。

(豊田)
C.O.R.E. JOURNEY PROGRAMの中にもこのエッセンスは入ってくるんですか?

(ブライアンさん)
そうですね。
英語de人事、赴任前研修、あと英語deリーダーシップというプログラムもありますが、日本から「より良い影響」をどのように海外に及ぼすことができるか、日本の強さをどのように世界中の人々に分かっていただく、知っていただいて共感していただけるかということですね。
私はそのような仕事を20年以上やってきましたから、これからも日本の強みをできるだけ海外の人に伝えることができるようなサポートを継続的にやっていきたいと思います。

(豊田)
ありがとうございました。
その想い、僕もすごく共感するところがあるので何か一緒にしたいなって思っていますが、今日はどうもありがとうございました。

(ブライアンさん・今西さん)
ありがとうございました。

(豊田)
さて、HR-Xではこれからも「人事」と「トランスフォーメーション」というキーワードで、様々なゲストをお呼びしてお届けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

ブライアン、今西さん、今日はどうもありがとうございました!

(ブライアンさん・豊田)
Thank you!!

豊田圭一(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)
上智大学を卒業後、清水建設に入社。約3年の勤務後、海外留学コンサルティング事業で起業。以来、25年以上、グローバル教育事業に従事している。
現在、国内外で「グローバルマインドセット」や「変革マインドセット」を鍛える研修を実施する他、7ヶ国(インド、シンガポール、ベトナム、カンボジア、スリランカ、タイ、スペイン)にグループ会社があり、様々な事業を運営している。
2018年、スペインの大学院(IE)で世界最先端のリーダーシップ修士号を取得。
2020年に神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部の客員教授に就任。
著書は『とにかくすぐやる人の考え方・仕事のやり方』『ニューノーマル時代の適者生存』など全19冊。
早稲田大学トランスナショナルHRM研究所の招聘研究員、内閣府認証NPO留学協会の副理事長、レインボータウンFMのラジオ・パーソナリティも務めている。

豊田が2020年6月に出した著書『ニューノーマル時代の適者生存』

株式会社スパイスアップ・ジャパン
 公式ウェブサイト  https://spiceup.jp/
 公式フェイスブック https://www.facebook.com/SpiceUpJP/

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