あの夏の夜の些細なため息

僕らの間にはさよならが
出会った時から育っていた

(BUMP OF CHICKEN 『アリア』より)

2016年7月、BUMP OF CHICKENのスタジアムツアーのファイナル(日産スタジアム)でお披露目された歌。当時の日曜ドラマ『仰げば尊し』の主題歌だったけれど、これを聴くたびに、花火が上がったことを思い出す。歌はもちろん、会場やそこから見えた景色、人、もの、香り…記憶は実に様々な事象と結びついている。おそらく、歌について書く際に紐づいた記憶についても多く記してしまうと思うが、どうかご容赦頂きたい。

僕はBUMP OF CHICKENに限らず、歌詞をかなり重視している傾向がある。メロディが好きな歌もあるけれど、基本的にはまず歌詞からハマることが多い。アリアは初め、ライブ(しかもツアーファイナル)の思い出補正込みの圧倒的なインパクトが強かったが、何度も聴き込むとやはり歌詞が素晴らしくて、惹かれていった。
特に好きなのが冒頭の部分だ。

ところで、アリアには『叙情的、旋律的な特徴の強い独唱曲』という意味があるらしい。
それを知ったとき、『さよならが出会って時から育っていた』という美しい詞(ことば)が、アリアという独唱曲とぴったり重なった気がした。独りを表す歌詞と、独りで歌うという意味を持つ題名が、聴く者の孤独に静かに寄り添ってくれる安寧として、アウトロの中から現れたような。そんな余韻があった。

ちなみに、僕は歌の考察をするつもりはないし、そんな大層なセンスも表現力も持ち合わせていない。ただ、好きな歌のここがこういう理由で好き、とあうことだけ伝えたいと思い、今回筆をとった次第である。

最後に。題名はこの素晴らしい歌の一部と、ライブの記憶を繋ぎ合わせたものから。


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