現実、真実
仕事帰りにジムに行った。
一週間ぶりくらい。
今日はめずらしくさちこ(後輩)も一緒。
さちこは私のプレゼンによって入会したものの、まだ片手で数えるほどしか行けていないらしい。
正直一人で行きたい気持ちもあったけど、
「だれかと一緒だとがんばれるとおもうんで!!!」
と押し切られ、一緒に来ることになった。
まあ確かに一理あるし、さちこは元運動部なので、結構体力自慢。
実際てきぱきと運動する様子に刺激を受けて、私ももう少し頑張ろうと思ったりしてはかどったので、今度から一緒に来てもらうようにしようかな、なんて思ったりした。
運動終わり。
最近ちょっと引き締まってきている気がした私は、試しに体重計に乗ってみた。結構ウキウキ期待しながら。
いやあああああぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!
あまりの衝撃に思わず叫びだしそうだった。いやちょっと叫んでた。
4キロ。
増えてた。
は???
なに???なにが???
え、引き締まってたよね???増えてんじゃねーよ。
あ、筋肉か。筋肉が増えたんだよね。
筋肉の方が重いもんね。そうだそうだ!!
そういうことか!!!
自分で自分を何とか落ち着かせていたら、さちこが体重計のところまでやってきた。
私は増量の件は伏せつつ、さちこも乗ってみたら??と促した。
せめて仲間がいないとやってられない。この事実を受け止めきれない。
さちこは
「運動久しぶりだから絶対増えてますってーーーー!!」
と拒否したけど、なんとかなだめて乗ってもらった。
「いやあああああぁぁぁぁああああ!!!!!!!」
さちこがプチ悲鳴を上げた。
お?お??これは???
と若干ウキウキして結果を尋ねたら、
2キロ。
減ってたらしい。
は??
なに??なにが??
運動全然してないって言ってたじゃん!!減ってんじゃねーよ!!
あ、筋肉か。筋肉が減ったのか!!
筋肉の方が重いもんね!!そうだそうだ!!!
何倍にも増幅した内心の動揺も、お得意のポーカーフェイスで隠して、
小躍りを始めたさちこに
「よかったね」
とだけ言っておいた。
目は合わせられなかった。
ジム仲間としてのさちことは、今日限りでお別れ。
体重計とも、今日限りでお別れ。
残酷な現実はいらないので。
私が欲しいのは優しい嘘なので。
それが私の真実なので、、、(なので、、、(なので、、、
やっぱりジムは一人で行くに限る。
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