マガジンのカバー画像

タッチフット戦術クルーズ

30
タッチフットボール(アメフト)の戦術・技術・トレーニングについて解説します
運営しているクリエイター

#タッチフット

再生

2013 シュガーボウル K-SPEX vs RIOTS on YouTube 紹介

今回、われわれ K-SPEX のベストゲームのひとつがアップされることになったので、ご紹介します。 チーム結成年にあたる、2013年のシュガーボウル、大矢一郎氏もスタンドで観戦している注目の一戦です。 思い出深いこのゲームは、選手のミスマッチを好守の戦術で消しきって、プレーコールのタイミングもチャレンジもほぼ完全、選手が十分よく機能した試合です。 このときのRIOTSのQB吉田選手は、私が見た中では女子タッチフットでもっともプレーコールが巧みなQBのひとりです。 相手DFの組織的な弱みを発見し、その弱点をゲームの流れの中でゆさぶりながら攻める名人で、とくに学生チームの弱点をつき勢いを消し去るゲームを何回も見ています。 クラッキなQBとレジェンドクラスのフィジカルなレシーバーを揃えるRIOTSに対して、小柄なエースを生かすための仕掛けを練り込んだ独特なシステムをもつK-SPEX。 そんな両チームのゲームは、隠れた駆け引きに、狙いをしぼらせないK-SPEXと、前後の揺さぶりで探ってくるRIOTSの戦術的好ゲームです。 前半は、K-SPEXの攻撃ラインが連携よく機能しましたが、後半はRIOTSの守備ラインがサックやディフレクトを連発。K-SPEXのパスを要所で封じ、引き分けの結果となりました。 RIOTS C吉田有里 5山本優子 6加藤さちよ 7漬岡風花 9岡崎真理子 15藤岡知沙 18吉田茉充子 38畑智子 51野村佳代 74西古千里 75阿部喜栄 76松田彩子 84濱本知子 K-SPEX C 石田智宏 C ポールバーナミー 1 渡邉智子 2 関根直美 5 菅原禎子 7 今田綾香 8 増子智美 10 渡邉麻衣 17 岩下幸恵 25 古川明穂 26 古屋麻衣 51 三津間恵 52 吉木由香 55 三津間静 83 蛯澤桐子

タッチフットボールで使う カットバックトレーニングの分解

リクエストがありましたので、今日はわれわれの『カットレ』(カットバックトレーニング)を少し分解して紹介します。 このトレーニングは最終段階のものですので、基礎的な動きが知りたい人は、これ以前のカットレを参考にして下さい。 足運びとボディバランスが必要試合で効果的なカットバックの、①間合いに入るときの足運びと、②その後の縦上がりの感覚を習得します。 まず正確に跳び、ボディバランスを身につけます。慣れてきたらスピードを上げていくといいです。飛ぶスピードは、女子で以下のビデオ

「守備戦術の駆け引き」オフェンスを揺さぶる6つの視点|タッチフットボール

以前、攻撃からみた「揺さぶり」についてのバリエーションを紹介しました。 では、守備が仕掛ける「揺さぶり」としてどんな駆け引きが考えられるのか、K-SPEX&郡山女子が試合に向けて準備しておく視点を書きます。 以下、守備全体としての駆け引きを、 ①時間を奪う ②時間を与える ③ミスマッチを作る ④認知を並びで阻害する ⑤認知を動きで阻害する ⑥スペースを限定する という6つの視点から見てみます。 時間を奪う典型的には、ブリッツです。パスラッシュの枚数を増やすことは、QB

再生

短文連載|タッチフットのカットバック技術 トレーニング⑤ジャンプからクロスステップ

今日はこれまでのAとBを接続します。 ハードルを飛び越え、軽くジャンプして両足同時に着地、そのままクロスステップに移ります。 身体は正面を向きながら、そのまま軸の動きだけを、縦から横へと90度変化させます。 このとき、腰の位置が沈まないように気をつけて下さい。沈みすぎると、人体の構造上、横に動くスピードが落ちてしまいます。 また、つま先の方向が常にまっすぐ前を向くように注意してください。 さあ、ここまで出来ましたか。 これでデビルバットゴーストの①~④までの基礎ができました。 図を見ているだけでは、決してステップは踏めません。 次は、基礎のCとDに進んでいきましょう。

エンドのコール、動き、読みについて|タッチフットボール

タッチフット界の上級者に話を聞く企画、今回は、RISE2003の快足エンド上神さん(#1)にプレーで心がけていることを聞くことができましたので、ご紹介します。 プレーコールについて●RISEでは普段コールをノーズバッカーが出していて、 主に試合の状況判断もノーズバッカーがメインになっています。 私は、コールの中で自由にさせてもらうことも多く、 自由に入っていいよ、引いていいよ、と言われますが、 私が自由に動けるのも、福田選手(#20)の視野の広さのおかげです。 エンドが

タッチ&フラッグフットのカットバック技術|デビルバットゴースト(アイシールド21)を実践するハードルトレーニング

アメフト漫画の雄『アイシールド21』の主要カットバック技術である「デビルバットゴースト」を実践するための、おもにタッチ&フラッグフットボール選手向けのハードルトレーニングを紹介します。 走り方を図解で確認以下の図が、かの有名な「デビルバットゴーストの走り方」です。 引用:稲垣理一郎/村田雄介著『アイシールド21』第12巻、集英社、2005年。  デビルバットゴーストはクロスステップこのデビルバットゴーストは、具体的には、 以下のクロスステップを身につけることで実践できま

再生

短文連載|タッチフットのカットバック技術 トレーニング④ジャンプストップを助ける動き

今回の動画は、前回のジャンプストップの動きを助けるストレッチです。 脚を組んで座る。ただそれだけです。腰骨の下辺りを意識して梨状筋や股関節まわりを伸ばします。 回数も時間も軽めにおこないます。 ジャンプストップは、自分の軸を正しく止めるための運動です。 正しい間合いで全方向に動ける姿勢を作り、一番抜ける(さわられない)方向に足を運ぶための重要な準備です。 それを助けるために、軸を支える部分を使う習慣をつけます。 この運動は、スポーツトレーナーに最終的なカットバックと、そこに至るまでの動きを見てもらって、効果的に動きを高めるようにプログラムしてもらっています。 今日も1対1の勝利に近づきました。 オウチトレーニングの質を高めて、秋リーグに向かいたいという体験者も募集しています。 コメントか、またはTwitter、インスタ、FacebookのDMでどうぞ。 質問箱はこちら https://peing.net/ja/spexfootball

再生

短文連載|タッチフットのカットバック技術 トレーニング③ジャンプストップ

今日からB段階に移ります。 今回は、この動きです。軽くジャンプして両足同時に着地、そのまま安定姿勢をとります。 わずかこれだけですので、ボディバランスを確かめながら、数回やってみてください。 ポイントは、骨盤の傾きになります。 この姿勢からあらゆる方向に動けるように、フットボールでいうFFP(ファンダメンタル・フットボール・ポジション)のようなかたちをとります。 腰はあまり下げすぎない方が、次の動きにつながります。 両足を着地する時は、つま先から入らずに足の裏全体でついてください(ココ大事)。 今日もまたデビルバットゴーストに一歩近づきました。 やった人だけ「ディフェンス置き去り」がひらけます。少しずつやっていきましょう。 質問箱は https://peing.net/ja/spexfootball?event=0 です。

再生

短文連載|タッチフットのカットバック技術 トレーニング②クロスステップを助ける動き

今回の動画は、前回のクロスステップの動きを助けるストレッチです。 脚をクロスして腰の横、腰骨の下辺りを意識して伸ばします。(大腿筋膜張筋) 回数も時間も軽めにやっていきます。 この運動は、スポーツトレーナーに最終的なカットバックと、そこに至るまでの動きを見てもらって、効果的に動きを高めるようにプログラムしてもらっています。 選手以外の方にとっては、股関節まわりを意識して動かすことで、体幹力を向上させたり、姿勢をよくし、下腹部を引き締めるなどの効果があります。 あまり強く伸ばさず、軽く張る感じで十分です。 カットバックを使うことは、自分より早い選手を1対1で抜くほとんど唯一の方法です。 また、1対1に優れることは「怖いプレーヤー」になることを意味します。ショートパスのランアフターキャッチ、また、インターセプト後のリターンの脅威が跳ね上がります。 動画でトレーニングを配信していきますが「実際にやってみたい」という方がいれば、細かいポイントなどを直接やりとりしてフォローしたいと思っています。 対外試合が限られるこの時期に、オウチトレーニングの質を高めて、秋リーグに向かいたいという体験者を募集します。 コメントか、またはTwitter、インスタ、FacebookのDMでどうぞ。 質問箱はこちら https://peing.net/ja/spexfootball

再生

短文連載|タッチフットのカットバック技術 トレーニング①クロスステップ

スペックスフットボールのイシダトモヒロです。 唐突ですが、これから一番書きたいことのひとつを書きます。 それは、タッチフットでのカットバック技術の実践理論です。 上手にまとめてアップロードしようと考えましたが、編集のよいイメージがうかばなかったので、断片的にでも進めていこうと思います。 このトレーニングが対象とするのは、タッチ&フラッグフットボールの選手で、これまでカットバックの体系的なトレーニングを受けたことのない人、または試合中のカットバックに関心のある人です。 男女問わずおこなえます。 デビルバットゴーストを含む、試合中の状況に応じた4種類のカットバックを身につけるためのトレーニングになります。 基礎トレーニングは、とても簡単なもので、1日5~10分でできます。 A~Dまで4種類あり、それぞれステップ(動き)とブースト(動きを高める運動)の2つで構成されています。 さて、一歩ずつ進めていきます。最初は、この動画の動きをしてみてください。 クロスステップです。身体の中心の軸を意識しながら横に動きます。これがすべての始まりです。 このプログラムに参加してみたい方は、お知らせ下さい。 Twitter、インスタ、Facebook、どのDMでもよいです。

Ráfagaにみる「時間の支配」を意識した準備|タッチフットボール

前回に引き続き、QBからみたプレーコール(プレー選択)を大きなテーマにしていきます。 今回は、ゲーム中の「ダウン・時間・点差」について、RáfagaのQB矢谷さん(#37)に普段意識していること、準備について聞くことができました。 また、チーム作りに関連して「目指すオフェンス像」についても聞いています。 ラファーガのオフェンスプレー ダウンについて●1stダウンで2~3yds以上を必ず稼ぐこと これで3rd、4thダウンの状況が大きく変わってくるからです

最速の選手はどこに用いるべきなのか?アスリート・エンドが動かすゲームプラン|タッチフットボール

最速の選手は、どこに用いるべきなのか? これまでの記事で、違いを作り出す「QBの機能性」の話をしてきましたが、一方、2019年ファイナルタッチを見て、エンドの機能性がゲームを動かすフェイズに入っているのではないか、と感じました。 たとえば、RISE対BOOZERSなどを見ていると、お互いに強い武器がある中で、一瞬の不意をついてビッグプレーを出すエンドの活躍は、ゲームプランに盛り込むことが難しいゆえに、瞬時のゲームメイカーになり得ます。 アスリート・エンドとゲームプラン中で

ライジングサンズに聞くQBの「ゲーム勘」「プレー選択」を支える情報共有|タッチフットボール

今回は、QBの「ゲーム勘」とプレーコールの関係を情報を切り口に確認してみようという話です。内容的には「キャプテンシー」「プレー選択」とかかわりがあります。 オフェンスのハドルプロセスさて、オフェンスのもつ能力を効果的に得点に結びつけていくためには、適切なプレーコールが必要であることは明らかです。 たとえば、これまでに紹介してきたQBのように、高い機能性を有する選手がいるならば、どのタイミングでその能力を使い切るかが重要になります。 一般に、オフェンスハドルの流れは、

ディフェンスを揺さぶるための4つの視点|タッチフットボール

昨日はスローバックを例に、縦と横の揺さぶりを組み合わせることについて述べましたが、オフェンスのプランとして「ディフェンスを揺さぶる」ことについて、ふだん私たち(郡山界隈)が考えているポイントを書きます。 相手ディフェンスを揺さぶる方法として、オフェンスが考えるおもな要素は、 ●空間 ●時間 ●ミスマッチ ●認知 です。 空間フィールド上の攻める地点を積極的に変えていきます。また(スローバックのように)、空間的に縦横の幅を大きく使って相手を物理的に動かします。パスの高さ