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根性試し


覚悟なんていらねぇよ。信じてるぜ、相棒。

劇場版→→→https://www.youtube.com/watch?v=nrkCrFO45UU&t=10s


甚兵衛を着たたいちゃんとスーツを着たバハマが縁側で煙草を蒸かしてる。

バハマ  「たいちゃん」
たいちゃん「あ?」
バハマ  「これできる?」

バハマは煙草の火がついている方を口に入れ、息を噴出した。フィルターから立ち上る煙はさながらドラゴン。この技はそのまま、ドラゴンと呼ばれている。

たいちゃん「できるぜ」
バハマ  「本当に?」

躊躇うことなく火を口に入れ、俺だってできるぜと言わんばかりにドラゴンをやってのけた。

バハマ  「やるじゃん!」
たいちゃん「へへへ」
バハマ  「まだまだ、次いくぜ?」

バハマが煙草を深く吸い込み、口を開け、立ち上る煙を鼻から吸い込んだ。
逆ナイアガラと呼ばれる技だ。

たいちゃん「できるぜぇ!」
バハマ  「本当に?」

たいちゃんはお前よりもできる!と言わんばかりにバハマよりも美しく
逆ナイアガラをやってのけた。

バハマ  「顔!顔!w」

そう、この技はとても顔がブサイクになるのだ。

たいちゃん「へへへ!」
バハマ  「やるじゃぁん!!」

ただただ楽しそうな二人であった。ここまでは。

バハマ  「じゃあ!もう一個とっておきがあるから、みててみてて」

バハマが煙草の煙で輪っかを作ろうと奮闘しているが、一向にできる気配がない。

たいちゃん「できんやないか!!」
バハマ  「あち!!あちゃぁぁあぁぁぁぁぁあ!!!!」

突っ込みを入れたたいちゃんは、左手に火のついたタバコを持っていることを完全に忘れていた。結果バハマに煙草を押し付けてしまった。

たいちゃん「わぉ、、わぉわぉわぉ」

たいちゃんはわぉわぉ言うしかなかった。

これが、バハマ初めての根性焼きである。


            【~根性試し~】


縁側で一人突っ立っているたいちゃん。バハマが仕事から帰宅した。

バハマ  「た~だぁいまぁ」

普段より太い声のバハマに、たいちゃんは違和感を覚えた。

たいちゃん「お帰り、どうした?」
バハマ  「いやぁ、根性焼きがあるとね、なんか強くなった気がしてね」
たいちゃん「まぁ強え奴は根性焼きされねぇけどな」
バハマ  「かっこいいからいいんだよお前」

腑に落ちないたいちゃん。

たいちゃん「それってさぁ、本当にかっこいいのかなぁ」

何も言えないバハマ。

たいちゃん「かっこいいってのはな、優しい男のことを言うんだ」

バハマ  「じゃあ、、俺はやっぱ、かっこいいんじゃないか?」

たいちゃん「嘘だ!お前!」

突然たいちゃんは引っ掻くジェスチャーをした。そう、バハマという男は短気で、怒ると見境なく相手を引っ掻き回す恐ろしい男なのだ。たいちゃんもその被害にあっている。

たいちゃん「少なくとも、俺はお前よりもかっこいい」

バハマが煙草を吸うジェスチャーをし、その煙草をたいちゃんに押し付けた。

たいちゃん「、、、あれは事故だったからぁ!」
バハマ  「お前は謝らなかった!ただワォワォ言ってるだけだった!」
たいちゃん「あれはパニックだったんだって!」
バハマ  「俺は、謝れる男だ!」
たいちゃん「お前はやることがエグいんだよぉ!!!」
バハマ  「よし!わかった!白黒つけてやろうじゃねぇか!」

掴み合う二人。

たいちゃん「じゃあここでまってろ!」
バハマ  「逃げるなよお前」
たいちゃん「まってろ!」
バハマ  「わかった!」
たいちゃん「、、まってろ!そこで!」
バハマ  「まってる!」

逃げないことを証明するように座るバハマ。

バハマ  「いってこい!」
たいちゃん「、、、まってろ」

そういってたいちゃんはどこかへ消えた。


             ~数分後~


たいちゃん「まってたかお前、おぉん?」

たいちゃんの手にはおもちゃの銃が握られていた。

バハマ  「なんだそれは?」
たいちゃん「こいつはなぁ、、」

パァン!!

たいちゃんが銃を窓ガラスに撃った。おもちゃの弾の先端には吸盤がついており、窓ガラスにくっついた。

たいちゃん「くっつくんだ!!」
バハマ  「なるほどぉ!」
たいちゃん「つまりなぁ、お前」

バハマのメガネを取り、レンズに銃を撃つたいちゃん。弾はレンズにくっついている。

たいちゃん「くっつくんだ!!!」
バハマ  「、、、で?」

たいちゃんがバハマの眼鏡を自分にかけ、持っていた銃をバハマに渡した。

たいちゃん「お前は本当に、優しさのある男なら。俺にあてずに、眼鏡に当
      てることができるはずだ!」

そういってたいちゃんは座り込んだ。

バハマ  「おかしなことになってきたなぁもぉ!」

そう、おかしなことになっている。もはや意味がわからない。

たいちゃん「なんだお前!はやくやれよ!」
バハマ  「ドMなのか?お前」
たいちゃん「いいよ早くやれよお前!」
バハマ  「、、わかった。覚悟しろよ?」

そういってバハマは引き金を引き、たいちゃんの顔に狙いを定めた。

たいちゃん「覚悟なんていらねぇよ。お前は、眼鏡に当てる男だ。
      わかってるから。相棒」
バハマ  「まかせてくれ相棒」
たいちゃん「信じてるぜ」


流れる沈黙。


そしてついに、


バハマが引き金を引いた。


たいちゃん「痛ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああいい!!!!」

弾は眼鏡に当たらず、たいちゃんの顔面にクリーンヒットした。


バハマ  「ワォワォワォ!」
たいちゃん「てめぇおら!!こんにゃろぉぉぉお!!!」

たいちゃんがバハマを突き飛ばし、銃を奪い取る。

バハマ  「ワォワォワォ!」
たいちゃん「お前ぶっ飛ばすからな!お前マジで!!お前!ぶっ飛ばす!」
バハマ  「ワォワオォワォオわぁぁぁぁ~~~」

逃げるバハマ。追うたいちゃん。

遠くでパァン!パァン!と何度も何度も銃声が聞こえた。


           ~数分後~


縁側にたいちゃんとバハマが座っている。
二人の全身には絆創膏が貼られている。

たいちゃん「痛かったなぁ、、」
バハマ  「あぁ、、痛かった」

          いつもの二人である。


END
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