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ジグソーパズルのこれを知っておくと人に自慢できそうな話

こんにちは、私は"ジグソーパズル"を日本で初めて販売(1973年)し、日本で初めて製造(1974年)した”やのまん”っていう会社で働いています。
もう、半世紀近くジグソーパズルを作って売っているんです。ありがたいことに多くの方は"ジグソーパズル"っていうと「バラバラのピースを組み立てて絵を完成させるヤツでしょ?」と遊び方をご存じのようで、実は取扱説明書なんか入っていないんですよ。ありがたやありがたや
ここでは、社内では常識なんですが、知っている人が少なそうなことを取り上げてツラツラと書いていこうと思います。

ジグソーパズルの難易度って何ぞや?

ジグソーパズルのピース数


当社では99ピースから1000ピースまでのラインナップが現存しています。もちろん、ピース数が少ない方から多くなるにしたがって難しくなります。実はジグソーパズルは絵を完成させることが目的なのですが、その見本となる絵が実物大で入っていないんです。その為、箱の写真(絵)を見ながら組み上げていくのですが、ピース数が多くなると、その見本から得られる情報が少なく、ある程度頭の中で想像して組んでいく必要に迫られます。
「このピースには塔の先端のようなものが入っているけど、実際の見本は。。。ちっさ!どこの部分やねん!」となり、想像力が試されます。なので、ピース数が多い方が難しいのです。

ジグソーパズルの完成サイズ


同じピースの大きさでピース数が違うだけなら、話は単純なのですが、ジグソーパズルメーカーは同じ完成サイズでピース数を増やし難易度をさらに上げるという暴挙に出ました。それが当社では「コンパクトピース」と言っているピースサイズになります。これは1ピースの上に載っている情報が少なすぎ、且つ、見本も小さいので本当に難しく、夢中になっていると全ての他のことを忘れることが出来ます。つまりは、同じ1000ピースでもコンパクトピースと付いているとピースの大きさが約1/4になり、難易度がどっと上がるという仕組みです。

「ノーマルピース」と「コンパクトピース」の完成サイズ比較
1000ピース(ノーマルピースとコンパクトピース)のピースサイズ比較

「コンパクトピース」には難易度を少しだけ下げるお助け機能があった!

ジグソーパズルは枠から作っていくのが鉄則なのですが、裏側にちょっとした工夫をしている為、比較的作りやすくなっています。

コンパクトピースの裏側を活用して枠をつくってみる

ジグソーパズルのピースの形


究極のピース形状は縦横比が1:1と言われています。これはピースが縦向きなのか横向きなのかすら、ピース形状からは判断するのが難しくなる為です。
また、「変形ピース」という形状のピースがあります。これはカタカナの「キ」のような形状のキ形と呼ばれる他の多くのピースとは明らかに違う形状です。

赤丸が「変形ピース」で青丸が「キ形」


では、何のためにあるのでしょうか?実は青空や海などジグソーパズルでは非常に辛い居面に、このピースがあると不思議とその周辺は捗ったりします。つまり、少し入っていると難易度が下がるという魔法の形状なのです。
これは、恐らく、前後、上下にハメるピース形状のイメージが付きやすいからと考えます。しかし、多すぎると逆に難しくなるので全ピース数の1%程度入っていると難易度がやんわりする感じでしょうか。

緑丸は3つのピースを組み上げた部分

おまけ


実は"変形ピースが入っていない"、究極の"コンパクトピース"で、さらに"表面に絵がついていない"(つまり、真っ白)というエグイ、ジグソーパズルが存在します。発売から10年が経過し、シリーズ累計22万個の販売を誇る「宇宙パズル」シリーズの中でも最大級に難しいジグソーパズル、その名も「ハイパー宇宙パズル」!無心になりたい時におススメしたい一品です。まさに究極!私の好きな言葉です。


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