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ミミズコンポスト


<ミミズコンポスト>

自然界の土には1m2あたり442匹もミミズが住んでいる。日本の草地では1反あたり3.8トンにもなるという。
数センチ以下の小さく細いミミズは有機物を食べて分解し、他の個体とコミュニケーションをしていて集団生活を好む。日常的に交尾をするがその熱い抱擁は1時間近くにも及ぶそうだ。実はマズイので鳥はほとんど食べない。

体重の約1~1.5倍の有機物を食べて、.5時間でフンになる。彼らは病原菌となるカビや腐敗菌、センチュウなども食べるので病気抑制としても活躍するのだ。それによって菌根菌や光合成細菌、根粒菌の増殖に貢献する。

彼らは一匹あたりで大さじ一杯あたりのウンチを出す。1反の年間量では6~9トンにもなる。動かした土の量は30トンにも及ぶ。

植物の根が吸収しにくい、リン酸やカリウムなどを吸収しやすい形に変換し、カルシウムを再結晶化し、ビタミン類を合成するなど農業界でも大注目を浴びている。

彼らはせっせと移動し、1m2中に180mの道を作る。それによって土中に空気が入りカビ菌の繁殖抑制につながる、さらに植物の根が伸びやすくなる。

彼らが通った穴の表面には粘液が塗り込められ、水分のほか炭素、窒素、リン酸などが多く微生物の繁殖地となる。植物や動物、微生物の死体をほかの生命体が利用できるように形を変え、土の中に深く広く拡散することも。つまり生態系の循環の要となる存在だ。土作りを微生物だけが担当してしまっては目詰まりする。その問題は汚水処理現場で起きている。

糞の中には彼らの体内にいる微生物が含まれるが、これと窒素が豊富な尿が団粒化の糊の役目を果たし、窒素固定菌の活動の活発化、菌根菌の活性増加、糸状菌と細菌食センチュウの増加を促す。彼らはときに植物の病原菌を広めてしまうこともあるが、それよりも多くの動植物病原体の天敵も広めてくれる。

まさに黄金の土。

彼らは意外にも肺を持たない。皮膚全てから酸素を吸収し体内に巡らせる。皮膚呼吸のようなものだ。彼らのヘモグロビンは人間のヘモグロビンよりも優れていて、酸素と繋がりやすく、この非効率な呼吸系を補っている。彼らの尿が皮膚を乾燥から守っているのは、正しくは肺を守っているのである。

彼らは地球上あらゆるところで発見されているが、乾燥した砂漠や北極地方では確認されていない。

彼らがいなくなると森林の落ち葉はなかなか分解が進まず、土中内の栄養分は枯渇し、空気は循環せず、水が溜まり森林は維持できなくなるだろう。

ダーウィンが後年に研究を重ねた以降、多くの研究者が彼らに注目し、熱意を注いだが、土が地球最後のフロンティアであるように、彼らのことも知れば知るほど驚きの事実がたくさん出てくる。それほどまでに彼らは陸上の生命たちと深い繋がりを持っている。

キューバにはミミズなどの虫を利用した大規模なコンポストが200ヶ所ほどあり、都市の廃棄物から有機肥料を作り出し、広範囲にわたる近郊農業プログラムに使用されているという。

ミミズコンポストの最大の障壁は水加減だ。彼らにとっても水が多すぎると呼吸がしづらくなり、苦しくなってしまう。特に生ゴミ自体が水分が豊富であることと、密閉状態にしてしまうため湿気がこもりやすい。

本来、大地は地下深くに水が浸透していくことと、植物が水分を吸い上げることで彼らにとって快適な環境が保たれている。もし、加湿状態になればなったらで心地よいところに移動すればいいだけの話だ。

実際に彼らはミミズコンポスト内が気に入らないと、隙間があればすぐに逃げ出してしまう。それほど彼らは家の住み心地にうるさい。自作で箱を用意する方、屋内で利用する場合は注意が必要だ。

ミミズコンポストを導入する際は常に新聞紙などを利用して適湿を保ちたいし、できるだけ生ゴミは水分を切ってから投入したい。

だが、さらに気にしなくてはいけないのが夏場の暑さだ。暑すぎる場合は水が適温を保つ役割を担ってくれる。そのため霧吹きなどをかける必要もあるがしかし、多過ぎればまた水分過多の問題になる。もうこれは彼らの様子を見て、彼らと対話を繰り返しながら、コツをつかむしかない。

また、冬の寒い期間は活動を停止もしくはほとんど無くなるので、その期間は違ったコンポストに頼ることも忘れないように。

大変なことも多いミミズコンポストだが、そこから得られる堆肥と液肥は野菜栽培に撮って最高の土と水となる。

~今後のスケジュール~

<自然農とパーマカルチャーデザイン 連続講座>
・沖縄県本部町 2月11日~12月1日
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・沖縄県豊見城市 2月10日~11月30日
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・京都府南丹市 3月16日~11月16日
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・京都会場 無料説明会 2月17日
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