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踏み込み温床


<踏み込み温床>
踏み込み温床とは落ち葉などの有機物と米ぬかを使って微生物の活動を促し、そこで得た発酵熱を利用して、寒い時期に夏野菜の苗を育成するための温かい土台(苗床)のこと。世界中で似たような技術があり、歴史は100年程度。

主に寒い地域(雪が積もるようなところや日照時間が少ない山間部)の技術で、温かい地域(太平洋側の平地)で自給用の畑なら、ただのビニールトンネルでも十分だ。

<作り方>
①まずは四方を古い畳、木材、稲藁など断熱ができる素材で作る。(高さは1mで2ヶ月程度、50cmで1ヶ月程度保つ)
~ここからは人によって様々~
③落ち葉と米ぬかを交互に積み重ねていく。5~10層。
 →割合は落ち葉4:米ぬか1(体積比)
 →縦180cm、横90cm、高さ90cmで使う資材は
 落ち葉70ℓの袋34個、米ぬか30kgぐらい
 →人によって落ち葉の割合を減らし、稲藁や籾殻などを入れる
 →米ぬかにプラスして、鶏糞・馬糞を入れると発酵熱が高まる
④1層ごとに適度な水分を加える
 →手で握ると水がポタポタ落ちる程度(一応水分量60%らしい)
⑤1層ごとに踏み込んで空気を適度に抜く
 →結構感覚ですが、超重要(ザグザグ感)
⑥一番上に土を乗せる
 →乗せない人もいるし、ダンボールなどを乗せる人もいる
⑦雨がかからないようにビニールを♪
 →人によっては夜間の放射冷却を避けるために毛布などもかける

コツは「落ち葉と米ぬかの割合」と「水分と踏み込み具合」
温度が上がらない場合は、米ぬかと空気を足す(つまり混ぜる)。
 →途中で温度が下がってしまった場合も同じ。
水分が多い、米ぬかが少ない、踏み込みすぎは発酵しづらい。感覚を掴むまでは経験者に教えてもらうと良い。
仕込み後、だいたい2日後から温度が上がり始めて、4~5日後にピークを迎える。その後少し落ちて40℃程度で安定する。
 →人によっては予備発酵させてから、切り返して混ぜたりして安定させる。

作るタミングは言い出したらきりが無いけど、基本的には苗を定植するタイミングから逆算する。苗の定植はタイミングが命なので、ずっと温床にいるのはよくない。
一般的にウリ科は30日、トマトは50日、ナスやピーマンは75日だが重要なのは葉の数。定植のタイミングで外気温が適温になっていることが重要。

育苗終了後はそのまま放置すれば一年後には最高の堆肥になる。元肥や追肥として使うか、さらに1年くらいすると最高の育苗土となる。藁を多くして切り返しを定期的にすれば1年で育苗土になる。うまくいけば、カブトムシやクワガタの幼虫がたくさん住み着く。

人によってコツや仕込み方が違うので、近くの人に教えてもらおう♪
感覚的なことが多いので、うまくいかなかったときに来てくれる人でね♪

<踏み込み温床 覚書パート2>
・冬の間にできた炭を一番底に入れておくと下のほうに空気が入って満遍なく発酵熱が上がる。無くても構わないけど、古い畳とかあったほうが保温効果上がる!

・落ち葉はサクラやケヤキなどの葉が薄いものは発酵熱が上がりやすいが、下がるのも早い。クヌギやコナラなど葉が熱いものは熱が上がりにくいものの、冷めにくい。ので、最近は1:1でブレンドしてます。

・ワラや籾殻を混ぜる人もいますが、ワラは確保と切断がめんどくさいので使わない。籾殻は1年経っても土に還らないので使わない。落ち葉のみは扱いやすいが、保温効果は薄い。ワラがあると保温効果が上がる。

・冬の間に出る生ゴミはを投入すると発酵熱が上がりやすい。分解しづらい柑橘系の皮も1年経てば土になる。また、火鉢や豆炭カイロの灰などを米ぬかと混ぜて撒くことで保水効果アップ!

・四つ枠はできればワラや古い畳が保温効果が良いが、無い場合はススキなどでも代用可。最近はダンボールを3~4重に挟み込むことで保温効果を確認!しかも1年経てば土に還る!もっと増やしても良いかもしれないが落ち葉の量が減るので悩みどころ。

・通常はビニールハウス内で作ることで、冷気が当たらないようにするのだが無くても大丈夫!ただし、寒気が来ると一気に熱が下がることがあるので、温度を測りながら攪拌するべし!

・一度、うまく発酵熱をコントロールできたらその時に使った資材の量や仕込みのタイミングを覚えておくと、違う人が仕込んでも踏み込み具合の微調整ができる。やはり観察とノートをつけることが感覚頼りにならず人に伝えられるようになる。

・温度が上がらない→空気と米ぬか投入(攪拌)。温度が上がりすぎる→水投入。4月頭まではまだ冷え込むので保温と攪拌が必要。

~今後のスケジュール~

<自然農とパーマカルチャーデザイン 連続講座>
・沖縄県本部町 2月11日~12月1日
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・沖縄県豊見城市 2月10日~11月30日
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・京都府南丹市 3月16日~11月16日
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・京都会場 無料説明会 2月17日
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<自然農とパーマカルチャー1日講座>
・岐阜県岐阜市 4月21日

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