お元気ですか。私は元気です。

私を好きになってくれた人がいる。その人の出会いは入院していた病院の夏祭りで、私は8歳か9歳で彼女は20になったばかりくらいだったと思う。
病気で外を知らない子供と看護師を目指す若者だった。
それから数年後、私は1年の8割を病院で過ごす生活を継続し、看護学生は夢を叶えて私がいる小児病棟に務めるようになった。当時の私は夏祭りのことは覚えていたかも不明だが、休憩時間や空き時間によく来てくれる人だなあと思ってた。その人は嵐の櫻井翔が好きで、嵐にしやがれの観覧に当たったと嬉しそうに報告してくれたこともあった。
ある日の夜、10時くらいにこっそり私の病室に来た。手には封筒。
「実はね、私看護師さんやめるんだ。結婚するの。みーちゃんには伝えなきゃって思って」

当時の私は、仕事を辞めることと結婚の意味がよくわからなかった。もちろんおめでたい事なのは理解しているが、その2つが人生を揺るがす一大イベントであること、新たな命を迎える事の重要性を。
それと、なぜ私に言ったのだろう?が大きかった。

手紙に彼女の実家の住所が書いてあった。私が中学にあがるまで年賀状や手紙のやり取りをしたが、いつしか途絶えてしまった。
私は中学生になり部活に入ったことと、病院の事を書き彼女は関西での生活と子供の事を書いた。

もうすぐ私も彼女が仕事を辞めた年齢になる(もうなっているかもしれない)
自分を支えてくれる小さな女の子との出会いはなかったけど、言葉を通じて支え会える人たちと出会った。
あの人は今、どこで何をしているだろう。25歳の冬は何を思ったのだろう。ふと思い出したので書いてみた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?