オンライン学習を計画する方法
プロの教師は、オンライン授業が常に学習者の進歩を促進させるように計画されていることを注視します。オンライン形式の授業には、インタラクティブな活動や意見交換、マルチメディア資料の使用など、学習者の学習をサポートするテクニックが多数存在します。
今回は、特に言語学習に焦点をあてながら、オンライン授業における教師と学習者の目標達成につながる、効果的なソフトウェアや授業計画についてお話します。
オンライン形式に適した授業構成
オンライン授業を設計するにあたり、教師は綿密に準備を行います。情報を集めてから、それをオンライン形式にフィットするように加工し、実際に使用するための適切なツールや技術を選びます。まずは、オンライン授業設計に役立つコツを見ていきましょう。
授業の内容は多くの場合カリキュラム通りに進めなければいけませんが、学習者の興味に合わせて内容を微調整することも可能です。例えば、授業のトピックが健康管理なら、食べ物や飲み物の好みについて、ペアまたはグループに分かれて話し合うように指示してみてください。インタラクティブなホワイトボードに、健康的な食事メニューを作成するグループワークを実施するのもいいでしょう。
オンライン授業を復習メモから始めることもお勧めです。学習者は、これまで習った内容を復習するのみならず、これまでの自分の間違いを修正することもできます。
授業で新しいトピックを紹介するとき、学習者がこれから新たに使用するキーワードを予め確認しておくことが重要です。主要な言語構成や語彙を考慮することも必要です。学習者が素早く見分けられるように、キーワードやフレーズを色で強調し、類義語を添えてみてください。
多くの教師はオンライン授業中でも、オフライン同様に、授業のテンポを変更することで学習者の集中力を維持します。
学習者と教師の対話が貴重です。クイズやゲームなどを使えば、学習者も積極的に意見交換を行い、自分の考えを主張しやすくなります。重要なポイントを太字や大文字でハイライトし、トピックを紹介するプレゼンテーションを授業中に共有するのもいいでしょう。
授業の最後に復習の時間を設けることも重要です。授業中に意図的に、または偶発的に出た新しい単語やフレーズを注意深く復習しながら、授業全体を振り返る大切な時間です。
このように、オンライン授業を実施するのに必要なツールセットには、ホワイトボード、ゲームやクイズアプリ、学習教材の共有ツール、オーディオ・ビデオ配信機能が含まれていなければいけません。
学習者の学習スタイルに合ったオンライン教材を準備しましょう
様々な種類のメディア素材を活用すれば、学習者の集中力と興味を維持することができます。授業にインタラクティブな要素を組み込み、学習者が授業計画に積極的に参加できる機会を設けることも、関心の向上へつながります。
視覚型学習者に適したアクティビティ
視覚的学習者は、画像・グラフ・チャート・映像などの視覚教材を通じて情報を読み取ることが得意です。書き言葉や話し言葉よりも、視覚的に提示された情報の方が、頭の中でよりよく処理され、後でより明確に思い出せる傾向があります。
学習者が情報を長時間覚え続け、学習意欲を高めるのに役立つ視覚的なアクティビティをいくつか揃えてみました。
地図ゲーム は、例えば、現在学習中の言語が使われている国について紹介するのに最適です。事前に国の地図を用意し、「首都は何ですか。どんな名所がありますか。」など、授業中に学習者にいくつかの質問をするだけで簡単に遊べます。
隠されたものを探せ!ゲーム は、ものがあふれる背景の中から、隠れているものを探しだす遊びです。なるべく授業の内容に合った画像を使ってみてください。隠されたものを見つけた学習者には、見つけたものや、その使用方法などについて話してもらいましょう。
オンラインホワイトボードを提供するビジュアルプラットフォーム・Miroでは、チャート、表、グラフなどを素早く作成することができます。単語表やフィードバックチャートなどを作成し、文法と語彙の練習に取り入れるなど、オンラインの言語学習で幅広く活用できます。
このように、視覚教材を取り入れることは、視覚型学習者を学習プロセスに巻き込み、サポートする効果的な手段になりえます。
主に読み書きが好きな学習者に適したプラットフォーム
読み書き型の学習者には、資料を読むことを含む学習方法に、さらにノートをとるなどの積極的な想起練習を取り入れる必要があります。
授業中のクイズやゲームは読み書き型学習者のエンゲージメント率を高め、授業内容を吸収するのに役立ちます。学生がきっと喜こぶアクティビティをいくつか挙げてみます。
クイズの作成、新しいトピックの説明、またはこれまでの復習には、Typeformで作れるオンラインフォームを試してみてください。
オンラインホワイトボードを提供するMiroでは、チャート、表、グラフなどを素早く作成することができます。
SpatialChat のカラフルなメモは、話し合いの内容をリアルタイムでメモし、アイデアを記録するのに便利です。サイズを変更したり、背景上の必要な場所にドラッグ&ドロップしたりできます。
オンラインでクイズを作成できるプラットフォームKahoot!は、もはやオンライン授業に欠かせなくなりました。 授業の内容に合った独自のクイズ作りにご活用ください。学習者は、他の人よりも早く質問に答えてポイントを獲得します。
聴覚型学習者に適したアクティビティ
聴覚的学習者には、内容を聞いたり、話したりする学習方法が向いています。そんな学習者のための授業計画に役立つ学習教材やサービスを下記の通り揃えました。
グループに分かれての活動には、ランダム単語ジェネレーターを試してみてください。教師は学習者をいくつかのチームに分け、上記のサービスを使ってランダムな単語を生成します。学習者は自分のチームメンバーにその単語の意味を説明し、チームメンバーはそれを当てることでポイントを獲得します。
聴覚型学習者にお勧めのもう一つのインタラクティブ・ゲームは、質問スケールゲームです。質問への答え方を学べると同時に、インタラクティブなゲームプレイを通じて、学習者のエンゲージメント率を高めてくれます。
このゲームは、自己紹介にも使えます。例えば、学習者に自分の生まれた月の前に立ってもらい、学習中の言語を使って「誕生日は○○月です。」と言ってもらいましょう。YouTube動画は、オンライン言語学習、特に聴覚型学習者にとって素晴らしい情報源です。動画を使用すれば、新しい語彙や文法構成を文脈の中で紹介できるため、新しい言語を学習する上で非常に効果的な方法だと言えます。
インタラクティブなプラットフォームの力を借りれば、どんな複雑なトピックでも、簡単に学べるようにすることができます。
オンライン学習計画を磨き上げましょう
オンライン言語学習を賢く計画することは、学習が成功する秘訣です。明確なシステムがないと、資料、宿題、期限などの管理が乱れる可能性が高いです。
だからこそ、平日と週末の両方で、学生と教員のコミュニケーションを充実させるオフィスアワーの時間帯を設けることが大事です。そうすることで、学習者が教師に質問したり、学習内容や教材についてサポートを受けたりする機会ができます。
もう一つのお役立ちヒントは、授業に必要な書類や電子ファイルを、毎週欠かさず整理整頓することです。週に一度、デスクの上、鞄の中、フォルダーの中、ノートに挟まれっぱなしのすべての書類に目を通して整理する時間を確保してみてください。目を通したら、捨てるか、適切な場所に保管するかを決めます。
電子ファイルの整理は、すべてのファイルにそれぞれ決まった規則に沿ったファイル名を付けることを心がけましょう。そうすることで、将来的に多大な効果が表れる、小規模ではあるが一貫した整理の習慣を身につけることが出来ます。
ここで取り上げた簡単な手順を実行すれば、実に効果的な言語学習をオンライン上で実現することができます。学習者に適した授業シナリオを準備すれば、学習者が満足して、課題を達成できるようなeラーニング環境を構築することが出来ます。