見出し画像

【ぶつかり資質】ストレングスファインダー 調和性&着想 編 ~あるある問題と解決ポイント~

ひとりひとりのつよみの要素であるストレングスファインダーの資質。

そのなかでも特に上位に現れる資質は、その人にとって大事にしている考え方や価値観でもあります。それをお互いに理解し、それぞれがGive&Takeをしていくことで「スパークルチーム」は生まれていきます。

この記事で説明する「ぶつかり資質」とは、34資質の中でも比較的逆の価値観を持っているとされる資質の組み合わせのことを指します。
そのため、ぶつかり資質を上位に持つ人同士だと、どうしても仕事のやり方に違いが出てくるのは当たり前。

だけど、それを「相性が悪い!」と決めつけてしまうのは非常にもったいないのです!

この記事では、職場でよく見られるぶつかり資質 の1つである“調和性”と“着想”について、職場でありがちな「あるあるぶつかりシーン」を例に、その解決法やお互いのつよみの活かし方について、ストレングスプロデューサーの楠 麻衣香に聞いていきます!



調和性は「異見の合意点を見つける天才!」


さしみ:ではまず、調和性とはどういう資質なのでしょうか?

:調和性は一言で言うと、異見(異なる意見)の中からうまく合意点を見つける天才さん!
会議でみんなの意見が分かれた時などに、「落としどころはここだよね」ってみんなの納得するであろう合意ポイントが光って見えて、そこに向けて話を取り付けることができるのが調和性さんのすごいところなんです。

さしみ:す、すごい、そういう人がいるだけで決議事項がどんどん決まって生産性の高い会議になりそう…!

:そうなの。ネゴシエーションやファシリテーションの才能にもあふれているんだよね。
なのでこの資質をうまく使っている人、いわゆる「つよみ使い」な人は、合意ポイントを見つけるだけでなく、その上でみんなのいろんな意見をちょっとずつ聞きながら話を前に進めていきます。

もし意見が対立して揉めていたとしても、どうすれば進むことができるのか?を考えて「じゃぁこうしませんか?」と言う。すると、不思議とそれまで意見が対立していた人たちが「じゃぁそうしましょう!」って言って前に進みだしていくんですよね。

さしみ:なんという会議の魔法使い…。1家に1台ならぬ、1会議に1調和性さん。

:あと調和性を上位に持つ人には「落としどころが見える」みたい。だからそこに向かって説得させていくんですよね。

さしみ:落としどころって見えるんですね…。

:反対にもったいない使い方としては、忖度をしてしまうところです。揉めたくないがために自分の意見を言わないところがあるんですよね。
「その人がそう言うんだからそっちのほうがいいよね」と遠慮しがちになっちゃって、あまり自分の意見で議論はしたくないと思うところがあります。

あとは、架空の話よりも現実的な話のほうに目が行くことが多くて、あまり夢を語るようなことは少ないかな。具体的にどういう方法でその物事を実現できるのか、というプロセスを決めたいんです。プラクティカルでリアリストな資質なんですよね。

さしみ:なるほど、実現性を見出していくことが得意なゆえに非現実的なことはあまり好まない、という事ですね。

■ 調和性の特徴ポイントまとめ
・異なる意見の合意点を見つける天才
・全員が納得する落としどころを見つけながら、物事を前に進めていくことが出来る
・だけど前に進めることを優先しすぎてしまい、自分の意見を言わないことが多い


着想は「ひらめきの天才!」


さしみ:では、着想の資質について教えてください。楠さんも私も、着想をTOP5に持っていますね。

:着想を上位に持つ人は、まったく関係のないようなものが頭の中で一致して、アイディアをどんどん出していくことができる、ひらめきの天才なんです。頭の中の電球がいきなりついて、すぐに「あ、思いついた!」って言っちゃう。

あとは、何か面白いことできないかな~?って常に考えていて、人と違うことをしたくなったり、既成概念をぶっ壊したくなったりするのも特徴ですね。

さしみ:確かにいつも「普通すぎてつまんない」って言ってますよね(笑)

:だってつまんないんだもん(笑)

さしみ:そういう、着想を持つ人たちのアイディアってどういうところから生まれてくるんですか?

「刺激」。

さしみ:刺激…!

:新しい場所に行ったり、人に会って話したり、日常生活で接するいろんな体験や情報が、着想さんにとっての「エサ」になるんです。そこからアイディアがどんどん湧いてくるの。

さしみ:生きてるだけで頭の中がアイディアの泉、という感じなんですね。

:もったいない使い方としては、アイディアをどんどん出していくあまり、話があちこちに飛んじゃって、周りからは「は?」って思われることがあります。

着想さんは、思いついたらすぐに喋りたくて仕方ないんですよ。これ、着想を上位に持つ人同士ではすっごい盛り上がるんだけど、そうじゃない人にとっては理解できないの。なんで散らかすんだろうって。

この理解されていないっていうのは、すごく残念な状態。なのに本人は気づいてない、ということが多いんですよね~。

さしみ:そうなんですね…(反省)

:あとは、新しいことをやりたい気持ちが強いから飽きやすいというところもあります。すぐに次のアイディアのほうに気が向いちゃうんですよね。

さしみ:それ、楠姐さんそのものじゃないですか…。

■ 着想の特徴ポイントまとめ
・すぐに頭の中の電球が付いちゃう、ひらめきの天才
・日常のあらゆるところからアイディアのヒントを得ては、すぐに発信する
・そのせいで話を散らかしてしまい、周囲からの理解を得にくいことがある。


ぶつかり資質「調和性」VS「着想」:ぶつかり場面あるある


さしみ:なんだか既にこの資質を持つ人同士がぶつかってしまうのが目に見えてきましたが(笑)、具体的にどういうときにぶつかってしまうのでしょうか?

:では、「同僚同士の会議」「上司と部下の会議」、この二つのパターンで説明していきますね。


あるあるぶつかり① 同僚や仲間同士でのフラットな会議


:お互いに立場が同じ人同士で会議をしている場合によくあるのが、そろそろ会議のゴールが見えてきた収束タイムに、着想さんが急にいろんなアイディアを思いついてあれこれ言っちゃう、っていうパターン。

さしみ:わ、それはありそう!経験ある!

:でも調和性さんは会議の落としどころを見つけて前に進んでいきたいから、その突然の着想タイムに戸惑ってしまうわけ。

だから、着想さんのアイディアひとつひとつを打ち落としにかかってしまいます。

さしみ:打ち落とす!?

:「それって本当にできるの?」とか「それは前にやって失敗したよね?」とか。実現性のない話は調和性にとってはすっごく嫌なんだよね。

さしみ:ひとつひとつ打ち落とされたら落ち込んじゃいそう…

でも調和性さんにとっても、いきなりアイディアをブッ込んでくる着想さんが怖いんです。なんで急にそんなこと言ってくるのー!?って。

さしみ:お互い怖いんですね…!
それ、どうしたら会議はうまくいくんでしょうか…


ぶつかり解決法: ❝発散タイム❞と❝収束タイム❞ に分ける


:ぶつかりやすい調和性さんと着想さんがうまくやっていくには、大前提として「なぜそうなるのか」っていう理由を知っておくことが重要です。

着想さんはあくまで可能性を広げたい!っていう思いからアイディアを出していて、調和性さんは、前に進めたい!という思いから「非現実的なこと言わないでよ~」って言っているだけなんです。

さしみ:なるほど、お互いに悪気があってそうしているわけではないと。

:そうなの。だけどやっぱり、着想さんの新しいアイディアっていうのは企業がイノベーションを生むきっかけにもなるので、あまり打ち落としすぎるのもよくないんですよね。

さしみ:じゃぁどうしたらいいんですか…?

:会議のアジェンダとして、“発散タイム”と“収束タイム”に分けることです。

さしみ:なるほど、着想さんがアイディアを自由に出しまくっていい時間と、調和性さんが次に進めるための話をしていく時間ってことですね。

:発散タイムでは、調和性さんはアイディアを聞きながら合いの手を入れてあげるといいですね。「それおもしろいね!」とか「あとは?」とか。
そうすると着想さんは気持ちよくどんどん斬新なアイディアを出していきます。
それを聞いているあいだはザワザワしてしまうかもしれないけど、聞くだけでいいんです。共感はしなくてOK。

さしみ:湧いてくる着想さんをとにかく発散させてあげるんですね。

:そう。だけど時間はちゃんと決めたほうがいいね。着想タイムは基本的に止まらないから(笑)
「そろそろいいですかね~」なんて言ってあげると、着想さんもちゃんと我に返ります。

あと、調和性さんはその時間、書記に徹しておくのもオススメです。着想さんによる案はフラッシュアイディアなことが多いため本人はすぐ忘れちゃうんですよね。なので話を前に進めるためにも、あがってきたアイディアを見える化しておくのもポイントです。

さしみ:では収束タイムではどうしたらいいんでしょう?

:ここからは調和性さんの腕の見せどころですね。

「はい、今アイディアが40個くらい出ましたけどどれが現実的ですかね~?」なんて言いながら、書記として書いておいたホワイトボードを見て妥当ラインを一緒に探してあげるのが役割です。

さしみ:そのとき着想さんはどうしているといいんですか?

:アイディアがさらに出てきたとしても、そこはグッとこらえて、思いついたことは手元でメモとして残しておきましょう。意外とその時に思いついたアイディアってあとから見ると大したことないこともあります(笑)。

必要であればあとからしかるべきところでそのアイディアを活かしましょう。さっきまでは調和性さんがこらえていたのだから、お互い様です(笑)

むしろ、着想以外の自分の上位資質をうまく使って、収束に向けた話し合いに参加していくとベストですね!

さしみ:そうやってお互いの資質をきちんと理解して、時間配分しながらやっていくことが重要なんですね。

:そう。
とにかくそれぞれが意識したいのは、調和性さんは「打ち落とさずに合意形成に得意技を活かす」、着想さんは「得意技で発散しまくりつつ、場として言いっぱなしにならないように協力する」。それを分かったうえで会議を進めていくと、斬新なアイディアを現実のものにしていく可能性が増えていきます。


■ぶつかり解決策まとめ:同僚との会議
・「発散タイム」と「収束タイム」に分ける
・発散タイムでは着想さんはアイディアを発散させ、調和性さんは出てきたアイディアをメモを取る
・収束タイムでは調和性さんが中心となり実現性が高いものを探り、着想さんは他の上位資質をうまく使って話し合いに参加
・調和性さんは「打ち落とさない」、着想さんは「言いっぱなしにならない」!


あるあるぶつかり② 上司(着想)と部下(調和性)の会議


さしみ:次は上司と部下での会話のパターンですね。
これは同僚同士と違って言いたいこともなかなか言えなくてモヤモヤが募ってしまいそうです…。

:そうですね、特に着想上司に対して調和性部下はいろいろと大変だと思います。

さしみ:たとえばどんな「ぶつかり」が起こってしまうんですか?

:着想上司は、つい思い付きで指示をしてしまうんですよね。あれやろう、これやろうって。

さしみ:あ~、簡単に目に浮かぶ……。

:でもそれは着想上司にとっては、指示のつもりではないんです。ただアイディアを出しているだけ。
だけど調和性部下が、それを指示だと思ってしまって、「じゃぁ何を準備すればいいんだろう」とか考えちゃうんだよね。

さしみ:いや、でも上司がそう言ったら指示だと思っちゃいますよね~。「分かりました!」って。

:しかも着想上司のほうは思いついたことをただ口に出している感覚でいるだけだから、NoならNoって言うでしょ!なんて思っちゃって、簡単に「あ~、楽しかった。じゃぁ、後はよろしく!」ってなる。

でも調和性の部下にとっては「指示をこなす」というゴールを探していくわけだから、ただの上司の思い付きを真に受けてしまって動き出してしまうんですよね。どうしたら実現できるかって。

さしみ:調和性部下の気持ちを考えると胸が苦しいので早く解決策を教えて下さい…


ぶつかり解決法:着想上司による「これはジャストアイディア」という前置き


:これは完全に、着想上司のほうが気を付けるべきです。

具体的には、着想して出てきたアイディアを話すときは毎回、「これジャストアイディアなんだけどさ」って前置きを必ずしていきましょう。
思いつきを喋ることによって部下を振り回してしまう、ということを知っておくべきです。

さしみ:なるほど!
「ジャストアイディアであること」をきちんと伝えるのは着想さんにとってすごく大事ですね ( ..)φメモメモ

:そして調和性部下のほうは、全部まともに受けないように(笑)。また何か言い出したな~、くらいでOK。
あとは着想上司の発散タイムに少しだけ付き合ってあげるのもいいですね。でも5分だけで大丈夫です。

さしみ:5分!短っ!

:だって上司の着想ってずっと聞くのしんどいじゃん(笑)止めるのも大変だし。

さしみ:たしかに話の腰を折る感じになりそうでタイミング難しいですね…

:そして5分間の発散タイムが終わったら、「じゃぁどれからやりましょうか!?」と聞いていきましょう。何がブレインストーミングで、何が決定事項なのかをきちんと確認して優先順位をつけていくんです。

さらにそこで代替案や折衷案を提案してあげられると、ナイスフォロワーシップですね!

たとえば「部署のみんなはこう言っているので、こうしたらどうですか?」と調和性を発揮し、折衷案を見つけ出してみましょう。

着想さんが繰り出すアイディアはラフなことも多いので、着想さんとしてもそのアイディアをもとに実現可能な案にしてもらったり、代替案が出てくるとすごくありがたいんですよ。調和性さんとしても、着想さんに「否定された」という感覚を与えることなく、「先に進められる案」を出すことで決定事項に持ち込むことができますよ。

さしみ:なるほど、調和性のつよみを発揮して、上司も部署のみんなも納得するような落としどころに導いてあげるということですね!

:そうですね。でも大前提として、上司が自分の着想をきちんと理解しておくことが必須です。それによって部下を悩ませている可能性があることを自覚していきましょう。


■ぶつかり解決策まとめ:着想上司と調和性部下での会議
・着想上司は、自分の資質によって部下が頭を抱えてしまう可能性があることを正しく自覚しておく
・湧いてきたアイディアを伝えるときは「これはジャストアイディアである」ことを必ず前置きで伝える
・調和性部下は、出てきたアイディアの中から実現性の高いものを探し優先度を付けていく。
・そこで他メンバーの意見も交えた落としどころを見つけていくとベスト!


「調和性」と「着想」をコラボレーションさせていくには


さしみ:こうして見てみると、一見とても相性が悪い資質同士のようにも思えますが、でも理解しあうことで良い相方になりそうですね。漫才のボケとツッコミのような。

:ぶつかり資質は、うまくいけば違う視点が組み合わさるので色んなことがうまくいきます。

この2つの資質の場合、困ったときに風穴を開けるのが「着想」で、それを現実に置き換えて整理して実現させていくのが「調和性」。

こうやって新しい考えが実現していく事こそが、イノベーションにつながっていくんです。

さしみ:そうしていくことでぶつかることなくお互いにイキイキと仕事をしていけそうですね!

:それこそまさに、スパークルチームですね♪

さしみ:はい、スパークルチームの出来上がり~~~♪♪


スパークルチームのイメージ(仮)


さて、今回は「調和性」と「着想」における資質のぶつかりあるあるについてご紹介しました!

お互いのつよみ理解とその貸し借りが、イノベーションを生み出す基盤づくりへとつながっていきますね♪

今後も、その他のぶつかり資質についての「あるある」や「解決策」についてご紹介をしていきます!
お楽しみに~!



この記事が参加している募集

#人事の仕事

4,078件

#新生活をたのしく

47,826件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?