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おとなの銭湯巡りは、こんなに面白い!

銭湯やスーパー銭湯が趣味です、と言われる方は多いですが、これは本当に趣味と云えるのだろうか?

日本人が、湯船に浸かるのは生活習慣の一環。家風呂が普及した今、わざわざ銭湯にやってきて湯船に浸かるのは確かに好きでないとできない行為ではある。

だが、浴槽に浸かることを指して趣味というのは、趣味としてはいささか物足りなさを感じる。

寝るのが趣味だとか、食べるのが趣味だとか生理的なものでも、趣味と言えなくはないが、そこに「思考」と「嗜好」と「志向」つまりこだわりや遊び心のようなものを加えてもらいたい。

特に、60歳を超えて持つ趣味としては銭湯通いは、健康+α、少し視野を広げて他の楽しみと結びつけてみてはどうだろうか?

僕は、スーパー銭湯の運営を17年間行なってきた、そして現在もお風呂屋さんの運営に特化した、コンタントのお仕事をさせていただいている。

長年お風呂の仕事をする中で、銭湯やスーパー銭湯の使い方を趣味としていただくために、参考になる提案ができればいいなと常々思っている。

銭湯好きな方はもちろん、銭湯にそれほど興味のなかったかたも、少し関心を向けていただくことができたら幸いである。


地域の存在として銭湯を楽しむ

ご存じのように、銭湯は元々家庭に風呂が普及していなかった時代、地域の公衆衛生の観点から存在した、国策事業であった。

であるから、銭湯は地域住民の生活習慣に根ざした商売と言える。そこにはそこに集う地域住民の“場の共有”という概念のようなものがあったのだ。

そこで、知らない街の銭湯を訪れ、そこで生活する人たちの文化に裸で飛び込む。初めて訪問する街中銭湯は、そんな緊張感と、刺激のようなものを感じることができる。

人間はだかで皆おなじ、見知らぬ土地であっても、銭湯に浸かることは、何者でもない一個の人でしかない、素の自分に戻ることができるのだ。

銭湯を街のステーションとして捉える。

銭湯を利用する目的を単にお湯に浸かる場所ではなく、その街を実感するための拠点として捉えると、楽しみ方は大きく広がる。

風呂上がりの一杯にこだわる

例えば、地方では銭湯の数も少なくて、ちょっと厳しいかもしれないが、基本的に、繁華街や歓楽街であっても、その街に住む人が通う銭湯は存在する。

飲みに出かける前に、少し早めに前のりしてみて、ひと風呂浴びてから繰り出すのはどうだろうか?

都市型サウナや、大型スパでないことがミソとなる。

この街に住む人の日常感のある銭湯を利用する。すると、その街に親近感を持つことができるのだ!何だか温泉街に来ているような気分になれるのである。

仕事での飲み会でも、僕は少し早めに現地入りして、 google検索で一番近くの銭湯を探し、さっと利用する。

タオルはレンタルできるし、石鹸やシャンプーも使い切りを安価で販売している。なんなら、湯船に浸かるだけでも良い。

風呂上がりの酒は必ず美味いと決まっているのだ。

日常生活の冒険を楽しむ

おすすめなのは『日常生活の冒険』である。

知らない街の、降りたことのない駅で降りてみる。参拝するような人もいない寺社仏閣を訪ね、個人経営の喫茶店に入ってコーヒーを飲む。

地元住人でも常連しか来ないような食堂を見つけて食事をする。

見ず知らずの人たちの生活空間である住宅街をさまよい、公園を見つけて腰をおろす。街の音をB G Mに、読みかけの本を読んでみる。

3時になったら、お目当ての銭湯に行き、お湯をいただき、地元の人たちと触れ合う。

風呂上がりは「かくうち」か「立ち飲み屋」を見つけてビールを飲む。長居は無用である、1杯か2杯引っ掛けたら店を出て、地元の和菓子屋かケーキ屋を見つけてお土産を買う。

ルールはコンビニも含めてチェーン展開する店や施設は使わないことだ。

銭湯を目的にせず、銭湯がある街を目的にすると、訪れた場所を点でなく面で実感できる、ちょっとした冒険なのだ。

遠出をしなくても近場で旅気分が味わえること請け合いである。

ランステはランナーたちの聖地。

マラソンをする人には常識だが「ランステ」という言葉がある。ランナーステーションの略なのだ。

銭湯でランニングスタイルに着替えをして、そこを拠点として界隈を走り、ゴール地点の銭湯に戻り、風呂に入る。

施設側が、そういう使い方を許容していなければならないが、多くは快く引き受けてくれる。

マラソンの楽しみは大会に出て、その街を走ることにある。普段は車でしか通行できない場所を走るのは快感だ!

40キロもの距離を自分の足で制覇するのは圧巻だ。普段は点でしか捉えられない街を面として制圧したような気持ちになれる。

練習するにしても、大きな公園や、城跡、河川敷など走るのに適した場所があれば、走ってみたくなるのはランナーの性とも言える。

近くに良いランニングコースがある銭湯は、ランナーに対して走る場を与える拠点の役割を担うことができるのである。

御朱印集めと銭湯参り

今や若い方も人気の御朱印集め。ブームなので、内容は説明するまでもないですよね。

国内には神社が79,230、寺院74,206、合わせると15万以上の社寺仏閣が存在している。

全てでの自社仏閣で、御朱印が発行されるわけではないが、全国津々浦々の寺社仏閣を巡りながら、その地にある銭湯に立ち寄ってみよよう!

僕が運営していた施設にも、こんなお客様も少なからずおられた。

マンホールカード集めと銭湯巡り

知る人そ知る収集として、マンホールカード集めもブームだ。下水道の入り口に使われる鉄の蓋。マンホールのデザインは市町村によって違い、多種多様!

マンホールのデザインは、各市区町村の名所や、名産、歴史人物など、その地域を象徴するようなデザインが施されている。
中には多色で彩られた華やかなものもあるのだ。

さすがにこのマンホールの蓋は収集できないが、現地に行って鑑賞したり、写真に収めることを趣味とする男性をマンホーラー、女性を蓋女(ふたじょ)と呼ぶのだそうだ。

そして、市町村の下水局では、オリジナリのマンホールカードを発行しているところが多くある。

現地の下水道局に訪問しなければ手に入らない。そして、それを集めるのがホットなのである。

わざわざわざ現地まで赴いてマンホールを観察するわけだから、その下水を流れるお湯を使った、現地の銭湯で悦に入るというのも悪くない。

マンホーラーや、蓋女さんは、ぜひ先頭に立ちよっていただきたい。

このように、銭湯はその所在地をめぐるための、探検基地として捉え、地域丸ごと楽しむというのも趣のある使い方であろう。

コスパ最高!サードプレイスとしてもスーパー銭湯の使い方


銭湯より規模が大きく、ウエットゾーン(風呂場)以上にドライゾーンが充実しているスーパ銭湯。

スーパー銭湯のビジネスモデルは、基本的に滞在時間を伸ばし、館内で入場料以外のお金を使って貰うように設計されている。

そこで追加のお金を使う、使わないはおいといて、その快適空間で自分時間を過ごすのが賢いスーパー銭湯の使い方ですよ。

最近の施設にはコワーキングスペースや、たくさんの漫画を置いてあるところも多いが、スマホやタブレットを持ち込み、インプットや物書きの時間に当てるというのがおすすめである。

専用のラウンジがあればもちろん、そうでなくても、共有スペースのソファーはスタバよりも座り心地は格段に良い。

初期のスタバはソファー席が充実していて寛げたが、今はどうでしょうか?

コーヒーと、ちょっとしたサイドメニューをオーダーした価格を考えれば、スーパー銭湯のコスパは遥かに優れている。

スーパー銭湯をサードプレイスの場と考えれば、これほど快適な場所は他には見つけることはできないでしょう。

まとめ


銭湯は街の探索の拠点として利用する。

スーパー銭湯は快適な書斎として利用する

従来の心地よさはもちろんですが、使い方で人生をより充実させるためのアイテムになりますのでお試しいただきたい。

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