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【社員インタビュー】宇宙輸送部と経営企画室マネージャーが語る、SPACE WALKERで働く面白さ

スペースウォーカーは、誰もが飛行機に乗るように自由に地球と宇宙を行き来する未来の実現を目指し、持続可能な宇宙輸送手段を提供するために、有翼式再使用型ロケットの研究開発を行っている東京理科大学発ベンチャーです。
キャリア入社した経営企画室ゼネラルマネジャーの早坂さんと、宇宙輸送部マネージャーの初田さんに、それぞれ取り組んでいることや、SPACE WALKERで働く醍醐味、ビジョンなどを伺いました。


自己紹介

牧島: まずは自己紹介と、主な業務内容を教えてください。

早坂: 経営企画室のゼネラルマネジャーの、早坂拓(はやさかたく)です。経営企画室としては、会社全体の方針や経営層が決定したことを実行・推進すること、また実行したり推進したりする上で経営戦略の実現に導くような活動全般というのが経営企画の役割ですね。具体的には、ビジネスデベロップメントとかそういったことをやっています。
経営戦略を導くためのリサーチなどがメインですが、やはりスタートアップなので色々なことをまたいでやらなくちゃいけないですよね。そのなかに、広報・PRだったり、会社全体としては、文部科学省「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR※)など、大きなプロジェクトが動いているので、そのプロジェクトをリードするという活動もしています。

※SBIR (Small Business Innovation Research): スタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を円滑に社会実装し、それによって日本のイノベーション創出を促進するための制度。

初田: 初田正彰(はつたまさあき)です。宇宙輸送部のマネージャーですが、担当としては、航法誘導制御班と電気電子装備班のリードをやっています。
業務内容としては、航法誘導制御と電気電子装備を担当しています。大きなプロジェクトが2つ走っていまして、2026年3月打上げ予定の有翼ロケット実験機、それから2028年3月に小型衛星を打上げ予定のRaiJinミッション、この2つの開発設計をやっています。実験機の方はハードウェアの設計と製造依頼は終わっていて、飛行可能な目標軌道を生成し、それを実現するための目標状態量を計算し、目標状態量に追従するように制御デバイスを操作する航法誘導制御のソフトウェアの詳細設計を進めています。
1日のスケジュールで言うと、例えば航法誘導制御と電気電子装備の合同ミーティングを週一回開催してチームの14人が集まり、進捗と今週の予定を確認しています。また、毎日13時から宇宙輸送部のミーティングがあり、自分のやっていることを報告しています。その他には他企業の方々とミーティングをしたり、RaiJinミッションの基本設計についてチーム内で検討会をしています。曜日によってはミーティングだらけですね(笑)。

1日のスケジュール例

早坂: 初田さんは結構多忙ですよね(笑)。

初田: でもみっちりやれるので楽しいですよ。やりがいがありますし、集中するので。与えられた業務をルーティンワークのように無理矢理やらせるんじゃなくて、うちはやりたいことをしてもらうので。「やりたい人!」って募って担当を決めています。皆さんすごく楽しそうです。

今までのキャリアと入社のきっかけ

牧島: 入社前のキャリアと、SWに入社しようと思ったきっかけを教えてください。

早坂: 20代のときは輸入インテリアの買い付けやハイエンドオーディオの設計提案など、空間演出に関わる仕事をしており、30代では大規模ステージの音響照明映像演出やイベントなど、コミュニケーションに関わる仕事に携わっていました。そのときは東京オリンピックなどもやっていて、各国のパビリオンの運営や、企業のアクティベーションと言われるようなもの、トーチリレーなど、そういった仕事が数多くあり、現場のプロデュースやプロジェクトリード等をやっていました。
子供の頃から天体とか、全く何も解明されていない宇宙に漠然と興味がありまして、実際に社会に出てみてからは、宇宙がビジネスとしても成り立ってきているということが見えてきました。30代前半からは、今まで社会人として経験してきたことを全部棚卸しして、それを宇宙業界に活かしたいなと漠然と考えていました。転職前にも宇宙に携わりたく、宇宙関連の雑誌を作った人たちとコミュニケーションをとって、STEAM系のイベントの企画書を書いて持っていったりとか。そうやってじわじわと宇宙の仕事に近づこうとしていましたね(笑)。
そうした中、今から3年ほど前、思い立っていくつかの宇宙関連企業を調べ始めました。当時は日本全体の宇宙業界の成り立ちもよく分かっていなかったんですけど、ふと目に留まったSPACE WALKERに問い合わせをして、眞鍋さん、米本さんと話をさせて頂く機会があり、「こんなに情熱を持っているような人がいるんだな」と驚きと共に胸が高鳴ったのを覚えています。お二人の人柄や情熱、会社としての強さを実感し「この事業に一緒に携わりSPACE WALKERが日本を牽引する日を一緒に迎えたい!」と思い転職を決意しました。はじめの1年間はプロボノとして、事業報告会の運営やピッチコンテストのアウトプットなどを土日の空いている時間で作業したり、眞鍋さんとミーティングしたり。できる範囲でサポートをしたうえで、1年後の2022年4月に経営企画室で採用いただいて、今に至るという感じです。

初田: 私は大学は学部卒なんですけど、企業に早く入りたいと思って、三菱スペース・ソフトウェアという宇宙のソフト会社に入りました。大学が関西だったということもあり、関西事業所で8年間経験を積みました。衛星通信システムの変復調装置内のマイコン機器や、デジタル回路設計をしていましたので、ハードウェアだったり、マイコン周りのソフトの経験を結構積んでいました。
その中でやっぱり宇宙システムを開発したいと思って筑波に転勤して、ロケットの飛行シミュレーション試験用プログラムを担当していました。
また、当時は国際宇宙ステーションがなく、スペースシャトルの背中にスペースラボという与圧モジュールを載せ、その中で宇宙実験が実施されていました。NASAのミッションコントロールセンターに、実験装置が今どういう状態かというデータが降りて来るので、ヒューストンにコンピュータを持ち込んで、実験装置の状態を表示・監視し、次の実験のコマンドを作成するソフトウェアを開発していました。
その後は、営業の仕事もしていました。宇宙機関や、宇宙関連企業と色々と営業活動をしてきました。そのなかで、日本航空宇宙工業会(SJAC)のセミナーでSPACE WALKERのCTOである米本先生がFuJin、RaiJinミッションのプレゼンをされて、まさに驚きというか。「え~!こんな考えあるんだ!」と。とても感銘を受けましたが、一歩踏み出せずにいました。やがて前職は定年になり、昨年、もう一度現場でやりたいなと思ってまずはSPACE WALKERにプロボノで応募しました。そのあと実は早坂さんに面談してもらい、SBIRの提案に携わらせてくださいということで、7月頃からプロボノとして参加することになりました。実際に入ってみると、特に実験機のコンピュータ周りやソフトウェア周りが人手不足ということで、本当は今年の4月に入社する予定だったんですけど、早く入らなければ!と思い1月より正式に入社させてもらいました。

開発のマイルストーンとミッション

SPACE WALKERの雰囲気や文化

牧島: 実際に働いてみて、会社の雰囲気や文化について感じることはありますか?

早坂: これは明確にありまして、誰もまだ成しえていない技術や事業を実現するにはエネルギーが絶対必要で。その必要なだけのパワーを持っている人たちがいるというのがSPACE WALKERの印象ですね。
開発だけでなく組織を成長させていくうえでも大変なこともあるし、行き詰まることもありますが、そういった刺激や逆境をプラスに変えて、かつ前に進んでいける人たちが多いなというのが、改めて中に入ってみてのSPACE WALKERの印象ですね。

初田: 文化については、米本先生がおっしゃっていましたが、宇宙科学研究所(ISAS)の文化をすごく推奨されていて、バックグラウンドが沢山違う人がいるけど、どんなに実績の浅い社員でも年齢や役職を問わず意見を言える。意見を言い合ってみんなで決めていくという文化があります。マネージャーやリードに指示を出されてトップダウンで動くのではなく、ディスカッションで進んでいきなさい、という文化が良いなと思っています。職場の雰囲気は悪くないですけれど、技術に対する厳しさはあります(笑)。SPACE WALKERだけで開発・製造しているわけではないので、ミッションに向けてベンダーとの交渉や、スケジュール管理も重要です。 

マネージャーとして意識していること

牧島: 社員数も昨年から2倍以上増え、様々なバックグラウンドを持った方々がご活躍されていると思いますが、マネジメントをする立場として、意識していることはありますか?

早坂: まず、マネジメントはどの会社組織にもあり得て、それがSPACE WALKERとして大きく違うということはないのかなと思います。ただ、一つ重要なのは、エンジニアだけではなく組織全体で動かなければならないので、難しい技術とか、様々な方向に広がっていく可能性をきちんと可視化し、皆で共有していくということが適切なマネジメントに繋がると思っています。自分も理解して、会社全体に共通の言語で伝え、浸透させ続ける。これが重要かなと。そのうえで、コミュニケーションも含めたマネジメントが活きてくるんじゃないかなというのは意識しています。

初田: やはり開発をするうえで、航空宇宙分野の知識が重要になってきますし、RaiJinミッションでは衛星の軌道投入もやるので軌道の知識も必要になってきます。SPACE WALKERには様々なバックグラウンドを持ったエンジニアが在籍していて、必ずしも私のように宇宙分野を経験した人が全てではないので、私しか知らない知識もあります。ただ逆にそれはチャンスで、皆さんどんどん吸収してくれるので、どんどん覚えてくれる。そしてやりたい分野をやってもらうように心がけています。

早坂: だから先ほど私が言ったようなことは、現場の中でもやったことがない人たちがいるから、より浸透させることは重要だなと、今聞いて改めて思いましたね。

昨年2023年の社員集会にて。現在は2倍以上の社員が在籍

他業界で培った知識を応用

牧島: 早坂さんは他業界から入社されていますが、前職での経験・知識が役に立ったことや、入社してから得た知識はありますか?

早坂: 私はエンジニアではないですけど、今までの経験や知識をそのまま活かすというよりは、都度応用して活かしているというイメージがありますね。今までこういうことやってきたからそれが活かせるということは、シーンとしてないわけではないですが、それはキャリア採用として入社した私を活かす本質ではないかなと思っています。
今までの経験、蓄積された自分の中にあるものを、どうやってSPACE WALKERの中で応用して活かしていけるかを常に考えています。

オールドスペースからニュースペースへ

牧島: 初田さんはいわゆるオールドスペースに分類される前職から我々宇宙ベンチャーに転職されていますが、日本の宇宙ビジネスについて感じるところはありますか?

初田: オールドスペース※では、政府系の宇宙機関がミッション全体を管理して、各企業はコンポーネントごとに役割を分担しています。
自分の担当箇所に集中していますので、新しい宇宙輸送サービスだったり、新しい用途の人工衛星などの発想が出てこないと思います。NASAが大きく舵をきって、SpaceXだったりVirgin Galacticなど、どんどん民間にやらせようという動きがあり、日本にもようやくその流れが来たので、今、凄く追い風だと思います。我々はSBIRに採択された企業の1つですし、それぞれ競い合って良いものができればいいなと思っています。
逆に、今まで政府系宇宙機関が責任を背負ってくれていたところを我々自身がやらなければならないので、宇宙輸送部だけでなく管理部や経営企画室にも重責があると思います。

※オールドスペース/ニュースペース: オールドスペースとは、政府主導で宇宙開発を進めてきた機関や企業。ニュースペースとは、政府主導でなく民間企業が進めるベンチャー企業や異業種から参入する企業のこと。

SPACE WALKERの革新性

牧島: SWは世界でもまだない小型の有翼式再使用型ロケットを開発していますが、一社員として、他社と比較して特に革新的だと感じる点は何ですか?

早坂: 体制のところで僕は答えたいと思いますけれども、我々は東京理科大学発のベンチャーで、大学シーズから社会実装まで繋がっている、この一連のオープンイノベーション体制が挙げられます。SPACE WALKERの存在意義とか価値に繋がっていると思うんですけど、この体制が非常に重要だし、強みだと思うし、革新的だなと思いますね。大学シーズなどは、なかなか民間企業では踏み込めない深い研究や、期間の長い研究があり、世の中にどう役立つか判断が付かない研究もあります。そういった基礎研究を大学と連携しSPACE WALKERがインテグレータとして大手重工メーカーや、民間企業、海外も含めた研究機関などと共同研究しながら開発し、社会実装まで持っていくというのは、非常に理にかなっていると思います。こういった大学の基礎研究から本質的な技術や研究成果、社会実装まで繋がるSPACE WALKERの取り組みはSPACE WALKERの特徴であり革新的な強みとなり得る点だと思いますね。

初田: 早坂さんもおっしゃっていましたけれども、我々は国内外様々な企業の技術を取り込みながら開発を進めています。RaiJinミッションで言うと、一番これまでと違うのは、ロケットでもあり、飛行機でもあるんですよ。飛行機ってなぜ良いのかと言うと、これまでの各国が開発している3段式ロケットとか2段式ロケットの場合、第1段、2段のロケットに不具合があると、衛星が他の国に落ちてしまうので、指令破壊といって爆破していたんですよ。輸送屋さんとしてお客さんの荷物を爆破するのはおかしいということで、RaiJinミッションは万が一不具合があっても、飛行機なので衛星を背負ったまま帰ってこられるんですよ。ここがすごく革新的で、お客さんも安心して軌道投入を依頼されるんじゃないかなと思います。ビジネスとしても技術としてもすごく革新的だと思っています。

2028年3月に打ち上げ予定の「RaiJin」

SPACE WALKERに期待すること・楽しみなこと

牧島: これからのSWに期待することや、楽しみなことはなんですか。

早坂: これは私がSPACE WALKERに入った理由の1つでもありますが、SPACE WALKERが小型の有翼ロケットを商用化して、世の中に知れ渡り、宇宙を経済圏にするということです。私たちは子供たちや人類の未来が豊かになるような取り組みを担っていると思うので、それを実現するというのがいちばん楽しみだし、そこに私自身も深く関わり、SPACE WALKERの仲間と一緒にその景色を見たいと思っています。

初田: 私は2つあります。1つはやはり、日本人が安く宇宙旅行ができる世界をSPACE WALKERが実現すること。もう1つは、SPACE WALKERのサブオービタルスペースプレーンが、日本のみならずヨーロッパやアメリカなど世界各国で使ってもらえる、全世界でSPACE WALKERが開発した機体が飛ぶということです。世界市場で日本の宇宙産業の売上が伸びる、日本のGDPが伸びる、というのと、自社の価値が高まるというところで、当社の将来に期待しています(笑)。

読者の皆さまへメッセージ

牧島: 読者の皆さま、そしてSPACE WALKERへの入社を検討している皆さまへメッセージをお願いします。

早坂: 世の中の宇宙産業全体に対して後押しもかなりあるので、私たちもしっかりその流れ乗っていきたいなと思っていますし、熱い思いを持った人に来てもらいたいですね。間違いなくワクワクする未来がSPACE WALKERの先にあると思うので、是非ひとりでも多くの、意欲とチャレンジ精神のある方と一緒に働きたいです。

初田: 私もそうでしたが、やはり不安はあると思います。ベンチャーですので、経営的に会社が大きくなるの?とか、若い人は特に、将来あるのかな?という不安があると思います。また、入社した後に自分が役に立つのか、通用するのかという不安があると思います。いま日本政府も宇宙産業も、自立的な宇宙輸送システムの確保と、世界の宇宙関連市場のシェア拡大を目指しているので、絶対宇宙ビジネスは伸びていくと思いますし、当社も拡大していくと思います。そうなると、これまで政府系宇宙機関や航空機関がやっていた管理などの業務も、民間企業にも必要になってくるでしょうし、絶対役に立つポジションがあるので、ぜひ応募してほしいと思います。

牧島: 本日はお時間いただきありがとうございました!

【採用情報】
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