【映画解説】かぐや姫に5人の皇子たちがフられた本当の理由。
「かぐや姫の物語」
見たい見たいと思いつつ、ジブリ映画はNetfrixやAmazon primeで手軽に見れず…
先日、ようやく蔦屋書店へ足を運び、借りてきて、ついに見ちゃったぽよ
いや〜よかった・・・!
あの独特の日本画風タッチ
PVにも登場したあのかぐや姫の疾走シーン
(月に向かって十二単が剥がれていくシーンは個人的に好き)
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
そして、Twitterでうわさの「御門のアゴ」ww
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
この記事では、日本最古の物語である「竹取物語」
そして、その原作を見事に現代に表現豊かなアニメーションとして蘇らせた
高畑勲監督の「かぐや姫の物語」
そこで表現される、登場人物の感情や、社会への問題提起は、
昔話でしょ・・・?
フィクションでしょ・・・?
と、バカにできない
現代を生きる我々日本人にも、直接関係してくる普遍的なテーマ。
男女の関係性(亜空間知能)
都の息苦しさ(亜空間知能)
しきたり(亜空間知能)
はたまた
”幸せの定義”とか
“悲しみの置き場”とか・・・
そして、なにより、この「青春エイリアンズ」でお伝えしている核心である、あのSP(SpacePeaple)の正体。
それは、元祖月面姉妹(!?)のあのかぐや姫の心情を汲み取ることで見えてくる・・・!?
そして、彼らの高度なテクノロジーについての示唆についても・・・
いや~!!ね!
今回は、日本最古のSFとも言われる、ロマン溢れすぎ注意なこの「かぐや姫」から、地球の雅さなんて比じゃない
雅な、雅すぎるあのSPの実像についても迫っていきたいところだ!
ちなみに御門のアゴについては、「青春エイリアンズ」だけが知っている”人体端末理論”に基づいた解釈ありw
それじゃ、前置きはこの辺にして・・・
いってみよう!
「かぐや姫の物語」あらすじ
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
まずは、知らない人のために、「かぐや姫の物語」(原作「竹取物語」)のあらすじをざっくり言うと
という物語ですw
ざっくりすぎるんでもうちょい説明すると、はじまりは、誰もが国語の授業で聞き覚えのあるあの冒頭のセリフ、「今は昔、竹取の翁といふものありけり・・・。」から始まる。
ていうあまりに有名な冒頭のシーンだよね。
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
そっから、なんやかんや3か月ほどで、成人(早すぎぃ!)
おじいさんは光る竹から、今度は大判小判ザックザク
ウハウハになって重心が上がりまくったおじいさんは、美しく育った姫を、「高貴な姫君」として育てることを決め、都に通いつめ、姫のために屋敷と女中を用意。
無邪気な田舎もんと自然に囲まれて天真爛漫に育った姫は、ある日突然、これまでの生活とは真逆の、しきたりと壁に囲まれる窮屈な生活へと一転。
そこで「かぐや姫」という名を賜る。
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
姫の美貌がうわさを呼び、ぜひ、妻にしたい、という貴族のお偉いさん方が殺到。しかし、かぐや姫は、そんな所有欲にまみれた貴族たちを、”無理難題”で突っぱねる。
姫は、貴族たち(地球人)の頭重心で独りよがりな姿に、萎えに萎え、絶望。
そして、とどめはあのアゴ御門の圧倒的気持ち悪さで、
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
「もうやだ!!月に帰りた~い!!」
と思ってしまったが最後、自ら望んで地球に降り立ったはずが、月の一族総出で、お出迎えが来てしまい、泣く泣く月にお帰りになられましたとさ♪
ちゃんちゃん♪
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
と、大体こんな感じなはず。
(解釈は諸説ありw)
かぐや姫と7人の皇子たち
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
あらすじを紹介したところで、気になるのはかぐや姫がフッた男たち。どんなハイステータスなプロフィールをお持ちか、気になるところだよね。
ところで、かぐや姫と言えば、フィクション史上においても一、二を争うと言われるような絶世の美女。どのくらい美しかったかというと、
つまり、暗いところでは、ぴかーっと光って見えるほど、まばゆく輝き、気分が悪くて苦しいときも、イライラしている時も、かぐや姫を見れば、そんな負の感情も一瞬で吹っ飛ぶ、と。
さらに、昼夜問わず、寝ずに、家を取り囲むかのように、人々がのぞき見をした、と原作「竹取物語」には書かれている。
つまり・・・
めっっっっっちゃ美人。
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
てことだね。
うん。
しかも男にも女にもめちゃくちゃモテたそうな。
完璧やん・・・
さあ、そんな死ぬほど美しいらしいかぐや姫に求婚を挑むは、日本の貴族界ピラミッドの頂点に名を連ねるトップランカー5人。
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
それぞれが奴庶民の憧れである富と名声を手に入れた誇り高き貴族たちだ。
自分の富と身分をフルに駆使し、かぐや姫を我が物にしようとハナ息荒く言い寄るこの五人の貴公子たちがどんな男か、プロフィールをサラッと紹介しよう。
エントリーNo.1車持皇子
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
こちら皇子。天皇陛下の子ですな。
めっちゃえらい人。
エントリーNo.2 石作皇子
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
こちらも皇子。しかもさわやかイケメンときた。
こいつは、曲者だ。
エントリーNo.3 阿部右大臣
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
右大臣。朝廷の最高機関、太政官の一つらしい。
今でいう内閣の人か、それよりえらい。当時だとたぶんもっとえらい。
エントリーNo.4 大伴大納言
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
大臣に比べてランクは一つ下がるが、大納言も、
庶民には、手の届かないくらいえらい人。
エントリーNo.5 石上中納言
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
中納言。大納言の下。でもやっぱりえらい。
さあ
これほどの男たちが、自分の経済力とプライドをかけてかぐや姫に言いよった・・・が、
「おとといいらっしゃいな」
といわんばかりに無理難題をふっかけられ、全員玉砕w
それどころか、自分のプライドやお金のことしか頭にない、失笑ものの醜態を晒して、舞台から退場していく。
かぐや姫の前では、浅はかな上辺の感情やウソ偽り、虚飾の類は、すべて暴かれてしまうかのようだ。
さらに、このうわさを聞きつけた時の最高権力者、天皇こと御門(アゴ)も、
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
とばかりにのたまひ、ラスボス(アゴ)出陣。
闇夜にお忍び、後ろから抱きついたところ、
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
見事ドン引きされ・・・
それどころか、後日、
と、かぐや姫に凛とした態度ではっきりと突っぱねられ、
ラスボス(アゴ)撃沈・・・。
(ちなみにアゴの出しゃばりは、人体端末的には、「自己完結思考」の象徴。その観点からみても当然の結果と言えるか・・・)
かぐや姫の無理難題の意味
これほどまでに、富、権力、名声、すべてを手に入れた男たちを、ことごとく沈めてきたかぐや姫は、何を思って、突っぱねたのか?
原作ではあまりその辺が表現されずに、原作を読んだ人が、「男たちを弄んだ最低女だ!」と非難するコメントも見られたり、
逆に、
女性陣からは、「何もわかっちゃいないダメ男」と貴公子たちがバッシングを受けたりもする中、「かぐや姫の物語」では、そんなかぐや姫の心情が、よく表現されていたと思う。
(出典元:『かぐや姫の物語』 © 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTK)
作中、最も物議を醸すこの無理難題のシーンだが、こんなにも男女や人それぞれで捉え方が違うこの無理難題の本当の意味とは・・・?
まずは、無理難題の内容をそれぞれ見ていこう。
妻になってほしい!と言い寄り、欲望丸出し自己アピールをする貴公子たちは、それぞれかぐや姫がいかに美しいかを比喩で表現する。
(出典元:『フィルムコミック かぐや姫の物語 上』©アニメージュ編集部 ,高畑勲 , 坂口理子 ,徳間書店)
かぐや姫は
と言い渡す。
見事、ブーメランで返ってきて、唖然とする貴公子たち。
それぞれに課せられたミッションは以下の通り。
いずれも、この世にあるとも知れない、富や権力では、手に入らなそうな、まぼろしの代物。
無理難題も無理難題だ。
これはつまり…
そういうことですね、と。
つまり、もうバレていた、と。
かぐや姫にはあけすけだったわけ。
底の浅い、自分のことしか頭にない貴公子たちの魂胆は。
でも、自分を育ててくれた恩人のおじいさんが望んでいることでもあるし、自分へ好意を向けてくれているものをはっきりとお断りするのは、あまりに無粋だ、と。
おじいさんにも納得して諦めてもらう形で、「高貴な姫君」としてのタテマエを演じながら、貴公子たちの機嫌を損ねることなく、自分の要求を通すには・・・
自分の置かれた立場や状況=現在地を誰よりも踏まえているかぐや姫なりの、多方向に礼節を汲んだ、教養に富む、最上級にエレガントで賢い対応だったともいえるだろう。
だから、この無理難題は、ホンネとタテマエの最高峰。
日本人がもつ感性の原点をここに見ることができる。
表面上の言葉ではないところでの共感・共鳴。
このタテマエの裏の意味がわかる、雅でテレパシックな生身の人体。
その生々しいホンネが、この無理難題の裏に類推できる。
そして、これらは世の女性たちのホンネをも
実は象徴しているのではないだろうか・・・?
そこには、単なるフェミニズムではない、均一平面化した現代男女論への生々しいアンチテーゼとしてのかぐや姫の姿も見えてくる・・・
それを、高慢と捉えるか、雅やかだなあ・・・と捉えるかは、あなたの人体の共感力次第…
うん。
オトコもオンナもかぐや姫を見て、共感力を磨こう。
かぐや姫の本当の嘆き
とまぁ、まだまだ続くんだけど、長くなったので今日はこの辺で。
この後は、
を書いていきます。
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それでは!
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