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【月の地下探査】UZUMEプロジェクトって何?

だいぶ前になりますが、以下の記事で月の基地をどこにつくるべきかを書きました。

この記事の中で、月の地下に基地をつくるというアイディアがあることを書きました。これに関しては、NASA, JAXA共にプロジェクト化を検討しています。今回はJAXAが検討しているUZUMEプロジェクトについて簡単に解説します。

もし今回の記事以上のことが知りたい方は、以下のリンクを参照してみてください。
UZUMEプロジェクトHP
→ http://uzume.space

また、11/18(水)の18時~20時にJAXA職員によるUZUMEプロジェクトの説明会があります。興味があれば参加してみてください。(申し込みはこちら)
まあ、内容を要約してnoteの記事にしますがね笑...

UZUMEプロジェクトの概要

2009年に日本の月探査機 SELENE「かぐや」の月面観測データにより、日本が初めて月の表面にポッカリ開いた孔(縦孔)を発見しました。さらにアメリカの探査機LROの詳細観測によって、その縦孔の奥にはある程度広い空間が存在していることが確認され、地球でもみられる横穴の存在が示唆されました。(下図参照)

(credit: NASA LRO/ASU)

その縦穴に探査機を送り込み、その内部や周辺について理学的な調査を行うことで、月の形成・進化過程、地下構造の理解を深めると共に、月基地の建設可能性を検討するプロジェクトです。

この探査には、縦孔付近に正確に着陸するための着陸技術と縦孔の中に降りるための自立ロボット技術が必要です。これまでの日本の探査機技術や他分野のロボット技術を最大限に利用し、取り組んでいく必要があります。

UZUMEの由来

UZUME(うずめ)という名前を聞いてもいまいちピンときませんよね?
「はやぶさ」とか「かぐや」とかならとてもわかりやすいのですが...
ではこの名前の由来はなんなのでしょうか?

UZUMEは
Unprecedented Zipangu Underworld of the Moon Exploration(古今未曾有[ここんみぞう]の日本の月地下世界探査)
の略です。(長い!!!)

また、うずめとは古事記や日本書紀に出てくる女神の名前にもあやかっています。うずめは、天照大神が天の岩戸に隠れこの世から光りが失われた際、踊りを踊って大神を誘い出し世に光を取り戻したとされています。
このことから、日本の宇宙探査に新しい光をもたらす存在になるという意味も込められているのでしょうか?(これは私の推測です)

将来の展望

月の地下を探査が可能になると何が起こるでしょうか?
まず、地下探査の工学的な技術が得られます。これまで火星で地下の探査が行われてきましたが、せいぜい地下2m程度の部分までです。しかし、このUZUMEで予定しているのは数十〜数百mの地下です。このような環境の宇宙探査はNASAを含めても今までありません。
また、地下を調べることで月の進化過程や地球-月システムなどの科学的な理解が進むでしょう。そして、さらには火星、氷衛星などのような地下に生命がいるかもしれない天体の地下探査も日本が主導できるようになるかもしれません。
なかなか魅力的な探査ですね!!


今回はJAXAが検討しているUZUMEプロジェクトについて紹介しました。
今回はすごく簡単な紹介になりましたが、11/18に開催される説明会以降に詳細な解説記事を投稿する予定です。ぜひみていただけると嬉しいです。



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