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言葉の魔法

近所に、世界各国の生豆を取り揃え、豆に合わせて焙煎してくれるコーヒー豆専門のお店があります。
その場で焙煎してくれるので、その間はサービスのコーヒーを飲みながら30分ほど待ちます。
ネット予約もできるけれど、わたしはこの待つ時間が割と好きで、
コーヒーをいただきつつ、お店に置いてある本を読みながら待ちます。

そこで「こぽこぽ、珈琲」という本を見つけました。

著名な作家の方達のコーヒーにまつわるエッセイ集でした。

試しに一編読んでみると、面白くてページをめくるのをやめられない。

そういえばわたしは昔から小説よりもエッセイが好きだったなと思い出しました。

作家さんの素の顔を垣間見ることができるからかもしれません。

現代の作家さんによるものだけでなく、
戦時中を生きた作家さんのエッセイもあり、
当時の文化背景や難しい単語などがたくさん出てきて、とても新鮮。

焙煎時間だけではとても足りず、その足で本屋さんに向かいました。

コーヒー豆屋さんで読んだ本は単行本でしたが、ちょうど昨年文庫化されたようで、本屋さんには文庫本が置いてありました。


隣には、同じ”おいしい文藝”シリーズの、「ぱっちり、朝ごはん」があり、
朝好きのわたしはこちらも迷わず手に取りました。

本屋さんに隣接しているカフェで早速開いてみます。

まずは珈琲の方から。

一語一語噛み締めながらゆっくり読んでみます。

最近は、漫画やハウツー解説本ばかり読んでいたせいか、
ついつい飛ばし読みして、
必要な部分だけ先走って読もうとする癖がついていたことに気がつきました。

でもエッセイにはそもそも「必要な部分」なんてないし、
ひとつひとつのお話がメインディッシュだからということもあり、
とても一気に読むことができません。

ウィスキーやワインみたいに、ちびちびと口の中に含ませてゆっくり転がしてから飲み込まなきゃいけないという気になり、
一度に読むには3編か4編が限度でした。

家に帰ると、この2冊の本を大切に飾りたいなと思って、
本棚の整理が始まりました。

お気に入りの本を前面に並べて、その中にこの2冊の本を加えました。


オウムのブックエンドがお気に入りの証

帯も綺麗にかけ直して、ブックカバーをしました。

わたしなりの作家さん達や編集者さん達に対する敬意です。

こんなにも丁寧に扱いたいと思った本は初めてでした。

電子書籍ではなく、紙の本を買ってよかった。

素敵な出会いに感謝です!

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