【詩】冬の微熱。
「好きな人がいるのに好きな人ができた」
久しぶりに連絡した友人が呟いた。
誰にも言えないから、と写真が送られてくる。
穏やかで私も好きになっちゃいそうだよ、なんて
普段絶対言わない言葉を返す。
「でもね、彼氏と将来の話もしてるから
もう会わない。きっと、会えなくて寂しいから
そう思うだけなの」
悲しそうに、苦しそうに、自分を責めるように、
彼女は再び呟いた。
彼氏に会ったらまた違うよ、なんてありきたりな
言葉しか言えなかった。
その日以来、彼女からは何も聞いていない。
おそらく、その話題は一生でてこないだろう。
それでも。
あの時、確かに存在した微熱はどこに
いくのだろう。
確かに存在した「すき」
たった一つの壁がなければ伝えられていた。
その人のお守りになったかもしれない。
確かに存在した言葉を、想いを、なかったことに
したくなかった。
私の過去でもあったから。
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12/23(金). 30SHOW 20:00-21:00
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15分×3人
初めましてのお客さんと創る、即興2人芝居。
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