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12月のインプロショー 〜新たな可能性の探究〜

新しいインプロショーを作る

これまで僕は、12年間で400ステージ以上のインプロショーに出演してきましたが、そのうちの90%はいわゆる「定番のインプロショー」でした。出演者が思い思いのシーンを作ったり、対決したり、時に長めのストーリーを作ったり。今思えば、キャリアが7、8年を超えたあたりから、真新しいものには出会わなくなっていたような気がします。

しかし、2017年に行ったドバイのインプロフェスティバルでは、それぞれのインプロバイザー達が全然違うショーをやっていました。テネシー・ウィリアムズ風インプロ、西部劇風インプロ、言葉を使わない長編作品、マスクやクラウンなど、各々が探究しているものが披露され、まさにお祭りのようでした。

照明を使ったインプロ「Light in the box」
2人で3人のキャラクターを演じる「2 of 3」

これは「フェスティバルだから」というのは関係ないのです。海外の第一線で活躍している人達は「インプロ『を』やる」から「インプロ『で』やる」に移行しており「何をやろうか」「どんなものを見せようか」という探究、実践に入っているのです。既存のフォーマットをやっている人は1人もいませんでした。

インプロバイザーと名乗る人は、インプロをやるどうこう以前に、一人のパフォーマー、表現者です。「自分は何をやりたいのか」「お客さんに何を与えたいのか」を常に考えてショーをやるべきだと思います。
僕は12月、2種類のショーをやることにしました。その1つ1つに自分の想いや願いがあります。そのことをもう少し喋らせてください。

MONOSHOW 〜お客さんの物×OSHOW〜

ペーパーズという有名なゲームがあります。紙にセリフを書いてもらって、それを舞台上にばら撒きます。プレイヤーは演じてる最中にそれを拾って読み上げ、セリフとして使いながら物語を作っていくというものです。
このショーでは、お客さんに「物(MONO)」を持ってきてもらいます。もう使わなくなった要らないMONOでもいいですし、大切にしてるMONOでもいいです。それを1つずつ貰ったら、それらを使って物語を作っていきます。最終的には全てを使い切り、1時間弱の一人芝居を完結させます。
僕が考えるインプロショーの面白さに「お客さんと一つになれる」というものがあります。ペーパーズは、お客さんの書いた言葉を使うという意味で、一つになりやすい形式ですが、今回は持参されたMONOということで、お客さんの生きてきた歴史が反映されていると思うのです。もちろん、作られる物語は僕の想像から生まれますが、お客さんの歴史の断片から想像を膨らませると考えたら、なんだかその瞬間は一緒にいられるような気がするのです。
そんな瞬間が紡がれた物語を、一緒に作れたらいいなあと思います。

3OSHOW 〜3人のお客さん×OSHOW〜

『Shall We Impro?』というショーを過去に3回やりました。これは初めましてのお客さんを舞台上に上げ、一緒に1時間弱の即興二人芝居を作るといったものです。
過去3回とも奇跡のような瞬間が続出し、初めての出会いというのは、ワクワクドキドキの連続だなあと実感したものです。
このショーでは、そんなことを3人のお客さんとやりたいと思います。15分の即興二人芝居×3人です、4人では作りません、さすがに大変なので(笑)
そもそも『Shall We Impro?』自体は大好きなショーなので、何度でもやりたいのですが、舞台上に上がるお客さんももちろんリスキーなので、結構エネルギーを使ってしまいます。それをもっと気軽に出来ないかと考えた末に出来たのが、このスタイルです。
先述した「一つになる」もそうですが、「人を自由にする」という僕の生き様もこのショーには反映されています。このショーが面白いのは、一緒に演じてくれる人が、時間が経つにつれてどんどん自由になっていくところです。第1回では人と触れ合うことがそもそも苦手な人とエンディングで強く抱き合い、第2回では演劇なんか全くやったことない主婦の方が僕を(物理的に)引き摺り回して物語を動かし、第3回では今まで溜め込んでいた自分自身の想いを泣きながら打ち明けるという美しい瞬間がありました。
今回はそんな奇跡に3人分出会えるんじゃないかとワクワクしています!あ、もちろんプレッシャーに感じる必要はないです。全て僕に任せて、委ねてくれれば、とても楽しい体験になること間違いありませんから!

詳細

日程

2022年
12月7日(水) 20:00-21:00「MONOSHOW」
お客さんが持参してくれた物(MONO)を使って、1時間の即興一人芝居を作ります!
※1人おひとつ、手で持てる物をご持参ください。即興芝居の中で使わせていただきます。不要な物でも、大切な物でも、僕が触れてもいい物なら何でも構いません。
※開場は30分前です。
12月23日(金) 20:00-21:00「3OSHOW」(ピアノ生演奏付き)
初めましてのお客さん3人と、それぞれ15分の即興二人芝居を作ります!
※初めましての方には、僕と一緒にお芝居をしていただく可能性があります。その際、舞台上に上がることになりますので、ご了承ください。マスクはしたままで大丈夫です。無理な場合は断っていただいて大丈夫です。
※開場は15分前です。

場所

12月7日:兎亭(江古田駅から徒歩6分)
12月23日:Studio Available(浅草橋駅から徒歩15秒)
※感染症対策により、15席限定でのご案内です。

料金

【12月7日】
一般:2500円(1drink付き)限定10席
初対面:1500円(1drink付き)限定5席
【12月23日】
一般:3500円 限定10席
初対面:2000円 限定5席
※初対面割は「忍翔と初対面の人」限定の割引です。

出演者&スタッフ

演者:忍翔
【12月7日】音照:ゆりにゃん
【12月23日】演奏:CHIZUE 照明:はる

予約


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