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ダウジング2 広域を探す父

#中学生〜高校生

ある日、

父がリビングで地図を広げ、なにやら真剣な表情で立っていた。


右手にぶら下がっていたのは、水晶のペンダントのような物。

そして机の上には東京都全域が収まった広域な地図。


ぼくは嫌な予感を感じつつ、

何をしているのか聞いてみた。

「財布落としちゃったんだよね。」

ああ、これが引き寄せの法則というやつか。


一応、話を掘ってみた

ぼく「というと?」

父「いや、このダウジングの石が回転する場所にあるんだよ。」

ぼく「へえ」

父「で、どうやらここら辺なんだよね。」

ペンダントはすごい勢いで文京区上空で回っていた。
どう考えても余りに範囲が広い。というか勢いありすぎる。

ぼく「この範囲全部探しに行くの?」

父「いや、もっと詳細な地図が必要なんだよね。」

ぼく「だよね。」

面白そうだったので、中学時代の地図帳を出して渡した。

父は文京区池袋らへんを開き、またペンダントをかざした。

間もなくペンダントが回りだした。池袋の上空だった。

父「今日、ここにいったんだよね。」

ぼく「そっか、じゃあここかな。(ダウジングってそういうものなのか?)」

父「でもここでも反応する。」

巣鴨の近くでペンダントが回っていた。

ぼく「あ、ココにも行ったんだ。(ダウジングってそういうものなのか?)」

父「うん。」

父「やっぱり、ダウジングって本当なんだなあ。」

ぼく「え?(ダウジングってそういうものなのか?)」

ぼく「それって、落としたの知ってるから回しちゃってるんじゃない?」

父「そうじゃないよ、確かめてんの。それで、やっぱりねってなってるの。」

ぼく「ん?」

父「ん?」

ぼく(もうやめておこう)

ぼく「警察には届けたの?」

父「ううん。まだだよ。」

ぼく「ソレ先やったほうがよくない?」

父「いや、情報が必要でしょ?」

ぼく「え、情報ってこのダウジングの?」

父「うん。池袋-巣鴨付近で落としたっぽいんだけど、一応調べてたんだよね。」

ぼく「あぁ。なるほどね。(ダウジングってそういうものなのか?)」

父「でも、この図書館だな。」


確かに、ペンダントは図書館上空でものすごい勢いで回っていた。
まるで回しているようだった。


翌日、父はその図書館へ出かけていった。
結局財布は見つからなかった。

後日、父のリュックサックから財布が見つかった。

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