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はじめてのひとりぐらし

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一人暮らし(36日)

気づいたらこんなにも1人で暮らしていたらしい。しかし数字にするとまだまだ小さい。これを10倍してやっと1年になるのか。労働を始めてから、1日の濃度がぐんと上がった気がする。

一人暮らしもだいぶ慣れてきたが、まだまだ野菜を食べない。皆どうやってんの。やっぱり新聞とかとって、なんかしらの半強制的に与えられた紙のレシピが必要な気がしてきた。
食べる野菜、地元で採れたほうれん草とレタスとキャベツときゅう

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一人暮らし(5日)

なんだかんだで毎日を生きることができている。これまでは家の中でさえ他人の目を気にして動いていたことが、たった1人なので自分で思い立った時に全てやってしまう。

猫の写真を見たり、友人の声を聞くと少しの寂しさが湧いてくるが、これは故郷を離れたからではなく、単純に1人で暮らすなかで人と話していないからだと思う。
一人暮らしで寂しくない人は多分、酒の場とかで知らない人と仲良く喋れるタイプではなかろうか。

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一人暮らし(2日)

段ボールを解体し、物の配置をいじると結構まともな部屋になってきた。

仕事が始まる前に乗り込んで正解だと思う。

日に日に足りない部分を補うことで、生活が洗練されていくのを感じる。仕事と共に生活を始めていたらおそらくくたばっていたことだろう。

今日はこれまでの疲れからか、特大昼寝をかました。せっかくいい天気だったのに。

しかし、ここで実感する。生活は連続している。連続しているから生活として成り

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一人暮らし(0日)

朝早くから社員寮へと向かう。ニトリで頼んだあれこれが時間指定ができなかったため、朝早くに届く可能性があるからだ。

乗る電車は大きな水と大きな山の間を走り抜けて行くのだが、雨のおかげかあちらこちらでモヤが発生し、空間全てが雲に覆われている気分になる。
不安や期待に気づかないふりをして、田舎の駅へと向かった。

一人暮らしが始まる。
母の過干渉や父の無関心を潜り抜けて、社員寮へとこじつけた。社員寮が

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