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安易な運縁恩 NO OWARI
レコード大賞はSEKAI NO OWARI「Habit」だったね、なんて話は私の周囲では耳にしないが、独特な歌詞や振付が人気でYouTubeは1.3億再生。TikTokでも大バズり。紅白でも堂々としたパフォーマンスだった。
すぐ世の中 金だとか 愛だとか運だとか縁だとか
なぜ2文字で片付けちゃうの
俺たちはもっと曖昧で 複雑で不明瞭なナニカ
SEKAI NO OWARIはみんな(若者)が思っていることを言い当ててくれるバンドという印象。モヤモヤを吐露 + 言い当ててくれる快哉 は年末に一気に駆け上がったあのコンビにも共通する。
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「若いのになぜか高級なお寿司ばっかりインスタに載せる謎の女子」か?「ゲームだけの知識でサッカー語ってる大学生」か?「サウナ行ってるのにやたらセクシーな水着で入ってる謎のグラビアアイドル」か?そういうのだよ、そういうの!もっとワードくれ!
話をセカオワに戻す。
「Habit」は小気味良いリズムと中毒性のあるメロディ、そして速射砲のような歌詞。レコ大は日本作曲家協会が主催なので、おじさん選考委員が眉をしかめてそうだなと思った。2013年「RPG」には歌謡曲的なメロディラインがあった。演歌的なこぶしも感じる。しかしその歌詞は演歌とは程遠い。
「方法」という悪魔にとり憑かれないで
「目的」という大事なものを思い出して
「世間」という悪魔に惑わされないで
自分だけが決めた「答」を思い出して
こちらも悩める若者にブッ刺さりそうな歌詞。へたな道徳の授業よりも、影響力がありそうだ。
作曲家協会があるんだから、当然日本作詩家協会も存在する。作詞ではなく作詩家。俺たちは詩人だ!という昭和の歌謡のおじさまたちが見え隠れ。55回も続いている日本作詩大賞、去年はイケおじ松尾潔が大賞。天童よしみ「帰郷」。
ありがとう こんな私のこと ありがとう ずっと待ってくれて
虹のすじ たどるように 帰ってきたわ 故郷に
スナックでママに手拍子されながら歌ったら泣いちゃうかも。
画面下にくっきりと縁取りされた歌詞を見つめながら歌い上げる日本独自のKARAOKE CULTUREよ、永遠なれ。
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