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この街で 自由をもてあました 桑名正博

情熱の朱 哀愁の青 今 混ぜながら 夢の世界へ〜♪

こんな歌詞の曲をはじめて知ったのは入社5年目くらいの初夏だった。歌詞がいいな、そしてなんかエロい曲だなと思った。異動した部署の営業部長がスナックでよく熱唱していて、そのうち覚えて一緒に歌った。

セクシャル! バイオレット ナンバーワ〜〜〜ン♪

24時のちょっと前、もうすぐお開きだなというタイミングでこの桑名正博の一曲を「次の曲」に割り込ませて、他の曲はぜんぶキャンセルした。部員みんなでセクシャル!セクシャル!と合唱して解散したのが懐かしい。スナックのママはいつもにこにこ嬉しそうに青いタンバリンを叩いていた。

🪻 🪻 🪻

このあいだ、新入社員の歓迎会があって、二次会でカラオケに行った。「昭和の曲だから、きっとみんな知らないと思うけど」と断りを入れながら、ひさしぶりに入れた桑名正博『セクシャルバイオレットNo.1』。

案の定わたし一人だけのセクシャル!が響き渡った。酒を飲んでなかったら途中で演奏中止していたと思う。正直きつかった。でもやっぱり歌詞が最高だなと思った。「これってB'zの曲じゃないんですね」と総務課の松本さんに言われた。

3回、4回、何度も歌い続けたら、若人たちも合唱してくれるようになるのだろうか。しかしこの令和の時代、「ねぇ、二次会はカラオケ行かない?」などと誘う勇気もタイミングもない。まぁひとりでスナックで歌うのに適した曲なんだろう。

あ〜〜〜 そこから先は♪

紫だちたる雲の細くたなびきたる。

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