「 お母さん、今まだ泣いてはいけませんよ。 」
思い出し笑いという言葉があるけど、思い出し泣きという言葉はあるのだろうか。
◇ ◇
前の犬のこと。
アカラス症という重い皮膚アレルギー疾患があり、獣医さんに通ってばかりいた。
かなり悪くなってしまった時、犬猫病院の診察室の中で院長のコトバ(覚えていない)に泣いてしまったことがある。
院長に、「お母さん! 今まだ泣いてはいけませんよ。」と強く言われてしまい、平常心を取り戻した。
まだ泣くような所でなかったようにも思う。でも涙をこらえるのは笑うのを押さえる以上に難しい。
丸刈りにされたり、悪い状態が長かったけど、16歳まで長生きしてくれて、
院長に「この病気を持っている子が、ここまで長生き出来たのは奇跡です。よく世話しましたね。」
と言われ、また、おいおい泣く。
その後数週間、そこの病院から、「名字+○○ちゃん」と書いたメッセージカードが挟まった可愛い花束が送られてきて、また………。
◇◇◇
今飼っている柴犬、
この子も、母犬の免疫が切れる1歳頃から、食物( 主に動物性、その他予測出来ない色々な食品 )に因る皮膚アレルギーを発症した。
でも今回は、副作用の無い新しいサプリメント、アポキル錠が強い味方となった。後は飼い主が決められたもの以外を食べさせないこと。
獣医師にも「○○ちゃん(前の犬)のときも、このサプリがあったら良かったのになぁ。」と言われる。
アポキル錠、ちょっとお高いが、いやほんとに高いが、よくなってくれさえすればよい。
今年の春先、
強烈に掻き出したり、舐めたりするようになる。
サプリが効かなくなってきた?
年取って免疫力が低下したのかな?
換毛期がなかなか来ず、暑いから蒸れたのかな?
待ちに待った換毛期がそろそろ来た少し前、
更に状態は悪い。
目の回りの毛まで抜けて黒ずんで来て、一気に顔の感じも変わってしまった。掻きまくるので余計に皮膚の状態が悪くなる。「だーめ!」と言って手で足を押さえても、またバネのようにもとに戻り掻いてしまう。
痒くて掻くのを止められるのなんてストレスの極みだ。でもあまりに皮膚が赤くなったり、出血したりするのを見ていると制止せざるを得ない。すると今度はケージに入って掻いたり。
因みに、うちの子はマズル(口から鼻もとにかけて)が長くてエリザベスカラーが出来ない。口先が出てしまう。
信頼していた獣医さんだったけど、距離と混み具合も考えて、思いきって近くの病院へ変えた。そのアポキルというサプリを変えることにした。
色々、対策を講じるも、痒がり、その掻きむしったあちこちの箇所から、段々前の子の時のような独特な匂いもするようになり、ふと思い出してしまい、俯く。あ、この匂い。
そんな時でも、辛いのは痒い本人(犬)なのにくっついてきて寝たり、私の背中や肘に手を乗せたり、とんとんしたり。
なんだかとても申し訳なく、切ない。
全部悪いのは私だ、と思えてくる。
「 お母さん! 今まだ泣いてはいけませんよ。」
今、そこの病院でのサイトポイントという月1の注射( 副作用は無い、と聞く )をうけることとなった。
先週から、遅れてきた換毛期もやっと本格的になってきて、
もふもふが、風通し良くなってきた。
考えれば少し前まで、うちの子はユニクロの超ウルトラ極暖ヒートテック?を着ていたのだ。
どんなに暑かっただろう。
徐々に快方に向かって行きそうなかんじだ。
◇ 犬が元気でなくなると
飼い主も元気が無くなる。 ◇
ほんとはそれではいけないのだけど。
「お母さん! 今まだ泣いてはいけませんよ。」
を心に刻みたい。
また、このじめじめの季節も悪いらしくて。
先日、"豪雨注意報が出ています"、とお知らせが流れ、外を見ると、もやっとした感じだがまだ雨は降っていない。
今のうちだーー!。
と、リードを付けて公園に連れて行ったが、到着した途端、豪雨になった。長靴履いて来るんだった。
ふたりして猛スピードで走って帰った。
短歌 ) ) )
雨のなか からだを何度も回転し
撥水の犬 しぶきを飛ばす
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