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ほしい関係性はつくろう!お試し交際のススメ


5年間、彼氏のいなかったわたしは、2020年9月から12月までの3か月、「お試し交際」というプログラムを実施していた。

お試し交際とは、簡単に説明すると「期間を決めて、2人の関係性を築くことを試す」というもの。

「プログラム」という表現をしているのは、もともと私の上司が企画したもので、彼は恋愛をこじらせていた自分のためにそのプログラムを企画・実施し、結果的にその相手と結婚をし、今では一児の父になった。

その話を聞いていたので、同じように恋愛をこじらせていたわたしも、誰かとやってみたいとずっと思っていたところ、

去年の秋、ようやく「このひととだったらできそう・やってみたい!」という相手が現れたので、わたしから提案し、3か月のプログラムをはじめることになった。

今回はその「お試し交際」について、興味のあるひとに向けて解説する。自分と同じようにこじらせているひとや、自分らしい恋愛のしかたを見つけたいひとにぜひ参考にしてほしいなと思う。


お試し交際とは?

「そういうアプリかなにかがあるの?」「なにかのプログラムに参加したの?」と聞かれることがあるけれど、自分たちで考えてやっていたもの。(いずれそんなものがつくれたらおもしろいなと思いつつ。)

普通の恋愛と違うところは大きく4つ。

① 言い訳ができる=関係がはじめやすい・実験ができる
② 契約期間が決まっている
③ 関係性について話し合う時間が設けられている
④ 関係性について"ふたりで"決める

① 言い訳ができる=関係がはじめやすい・実験ができる

お互いのことをまだ知らない、関係が浅い状態だと自分が相手のことをすきなのか?も定かではないし、「すきだ」と伝える告白もなかなかしにくい。こじらせていたり、何年も恋愛から距離を置いていると余計にそうだと思う。

けれどお試し交際だったら、「すきになれそうなので関係を深めてみたい」「すきかどうか確かめたい」そんな動機ではじめられる。

そして、「お試し交際だから」という言い訳を使えたり、「失敗してもお試しだから」と思えることによって、普通の恋愛だったら言いにくいことも言えたりする。

わたしはセックスへの不安があったけれど、それも事前に話すことができて不安が解消できたし、相手も相手で不安なことがあったり、それがきっかけでセックスについても話し合う文化ができたりしたので、それはお試し交際だからできたことのひとつだと思う。


② 契約期間が決まっている

3か月なら3か月、期間を決めてそのあいだは「関係を深める」という目的に向けてがんばってみる。不破が生じても乗り越えてみようというきっかけになりやすかったり、ダラダラ続けるのではなく目的を決めてその期間関係を深めることに集中できる。


③ 関係性について話し合う時間が設けられている

「本当はもっと連絡の頻度をあげたいのに…」とか「ただ話を聞いてほしいだけなのにアドバイスされると嫌な気持ちになってしまう」など、ふたりの関係性や過ごし方について、また、相手の言動で引っかかっていることがあってもなかなかいう機会がつかめなかったりすると思う。

けれど、お試し交際では関係性が深まったかの進捗確認の意味合いも兼ねて、月に1回とか2回とか(※わたしたちの場合は)振り返り面談のような時間を設定していたので、「ぶっちゃけこう思ってる」などの話がしやすかったと思う。


関係性について"ふたりで"決める

「自分たちの心地いい関係性を自分たちでつくる」
「それぞれがパートナーシップに求めるものを確かめる」

というところがお試し交際の本質。

でも普通、すきになって交際を考えても、パートナーにどんなことを求めているのか?を話してから付き合うひとは少ないはず。

でも本当は、特に長期スパンで一緒にいたいなら特に、趣味なんかよりも、「求めている関係性」が一緒のほうがいいに決まってるのに、そんなこと話し合ってから付き合い始めない。

「結婚する気がなかった」という理由で別れるカップルがいるのも、結局はそれが原因なのかなと思う。

定期的に「この関係になにを求めているのか」をすり合わせられる仕組みが最初から導入されているのは、③の話し合いの時間があるということと合わせて、「お試し交際」の魅力だと思う。



「お試し交際」をやろうと思った理由


端的に言えば、はじめにも書いたように、「こじらせていたから」。「普通の恋愛」みたいなもののやり方がわからなかったし、自分が求めているものとどこか違う感じがしていた。

周りの人たちのことは基本的にみんな好きだけど、恋愛的な好きではなかったり、そんななかでも気になるひとができても、相手は自分のことを好きじゃなかったり、関係の始め方がわからなくて曖昧な関係になってしまったり。

あとは、漠然とした「なんか違う」感。別にご飯に言ってくだらない話しがしたいわけじゃないし、ヤれるかヤれないか品定めされたいわけでも(もちろんしたいわけでも)なくて、わたしがしたい恋愛や築きたい関係はそれじゃない、と思っていた。

(お試し交際前に考えていたこと、詳しくはこちらのnoteにて)


そして、よくカップルが分かれる原因に「価値観が違ったから」というのがあるけれど、価値観が違わないひとなんていないんだから、違う人間であること・分かり合えないことを前提として、それを対話で乗り越えられるような、そんな関係が築きたい、とも思っていたので、

対話をしやすくするしくみが設けられているお試し交際なら、価値観の違いを対話で乗り越えることができると思っていた。


わたしのバイブル「逃げ恥」のすきなセリフにもこんなものがある。

運命の相手ってよく言うけど、あたしそういうものいないと思うのよ。〔…〕運命の相手に、"するの"。意思がないと続かないのは、仕事も家庭も同じじゃないかな。

このセリフと同じように、運命の相手・完璧な相手なんてきっといない。もしくは、がんばって探したらいるのかもしれないけどなかなか出逢えないのだったら、決めた相手を意思を持って愛したい、とも思っていた。

お試し交際の基本理念には「愛するということ」があり、とりあえず決めた目の前の相手を意思を持って愛することができるのではないか?という理由もあった。


そして、デートしたり、一定期間だけ一緒にいて楽しい時間が過ごせる相手がほしいのではなくて、

もっと長期的に見て、持続可能な関係を築けることだったり、自分の成長(スキル的な意味だけでなく、考え方が広がったり自分がより豊かになる)だったりを求めていたのだと思う。

(普通の恋愛をしていても、そういう関係になれる人もいるんだろうけれど、なりにくいという意味で)

ちなみに、わたしが「お試し交際」をした相手も「対話ができれば関係が終わることはないのでは?」と思っていたり、ついつい恋人に対して感情的になってしまうので、「理性的にひとを愛せるようになりたい」「恋人と本音を話し合える関係になりたい」という理由で、「お試し交際」をしてみたいと思ったのだそう。


実際どんな風にはじめるの?

ここまでで、お試し交際やりたい…!と思ったひとが思うのは、実際どうやってはじめるの?ということだと思う。


お試し交際はじまり

これは、わたしたちが「お試し交際」をはじめたときのメッセージ。断られるのが怖かったので、まずは上司のつくった企画書を送って反応を見るわたし。

予想以上の興味を示してきたので、さらなる逃げ「(笑)」をつけての「やります…?」。そして、まさかの「しましょう!!!」。フットワーク軽すぎワロタ。

そして自分で誘っておいてあまりの反応のよさに驚くわたし。。


でもこのように、まずこのひととやってみたい!というひとが現れたら、このnoteを送ってみて、こんな関係の交際のしかたがあるらしいよ~と世間話として投げてみて、ぜひ反応を伺ってみるのがよいのでは?と思う。(そんな風に、お試し交際をはじめたいひとのための言い訳になれれば、と思ってこのnoteを書いていますw)


はじめ方のポイントは大きく2つ。

①目標設定

やると決まってから、わたしたちはまず、関係性に求めるものや、ふたりの関係性のゴール(なにを目標として交際するか・どんな交際をお試しするか)を話し合った。

そもそも付き合うのに目的っているの?という議論は一旦置いておいて、わたしたちの、交際する目的はなんなのか?というと、本交際も視野に入れて、わたしたちふたりともがパートナーシップに求めている「対話型パートナーシップ」を築くことだった。その後本交際したとしても、対話でいろんなことを乗り越えていける関係や文化を築くこと。

ちなみにわたしの上司は結果的に結婚したものの、それを目標にしていたわけではなく、本交際は視野に入れずに、とにかくその3か月間だけ、「人として好きなひとを恋愛的にもすきになれるか?」を試したのだろう。

なので、なにを目的としてどんな風に過ごすのかも、ひとそれぞれでよいけれど、"ふたりで"決めるのだ。

しかし、いきなり話し合うのは難しいので、それぞれ今までの恋愛遍歴や築きたい関係性について書いた「履歴書」なるものを作成して、それを見ながら話し合いを進めた。

(わたしたちの詳しい履歴書の内容など、本気ではじめたい人向けの資料は後日、別のnoteで有料で公開しようと思います…!)

整理すると、わたしたちはお試し交際というしくみを利用し、対話型パートナーシップ を育むことを目標とした、ということ。


②契約書の作成

これも必要に応じてだとは思うけれど、わたしたちは契約書なるものを作成した。とはいえ、なにを契約し、どんな条項を設けて、なにを禁止事項とするか?など、関係が進展しないとあまりにわからなかったので、実質は1か月くらいかけて作成した。

わたしとお試し交際相手は、実はお試し交際すると決まったときにはリアルで会ったことがなく、かなり遠くに住んでいて、初めて会ったのはお試し交際をしてから1か月以上経ってからだった。なので、はじめの1か月ちょっとはオンラインで関係を築いた。(結果的にオンラインで関係を築く実験にもなったので、遠距離での恋愛を試したいひとにもおすすめかもしれない。)

なので、会ったときにどこまで触れていいのか?(手は繋いでもいい?キスは?などなど…)がメインの項目になったような気がする。

でも、すごく大切な話題だったなと個人的には思う。信頼関係がないのに、体に触れられることは、ひとによってはすごく不安なことだし、そもそも体の関係を求めるかどうかもひとによって違うので、

話しにくい話題ではあるけれど、わたしは事前に話せて不安が解消できたので、すごくよかった。

(それができていないから、望んでいないのにからだだけの関係になってしまったりするひとがいるのだよなぁと思う。)

そんなわけで、契約書そのものよりも、それをつくる過程で、お互いの大切にしたいものや最低限のルールみたいなものが見えてきたのがよかったと思う。



こんなひとにおすすめ

「お試し交際」、どんなひとにおすすめなの?というと、

・こじらせているひと
・普通の恋愛に違和感を感じるひと
・恋愛において小さな一歩を踏み出したいひと
・結婚も見据えた関係を築きたいひと
・ひとと対話的な関係が築きたいひと
・言語化や対話をすることがすきなひと

こじらせているひとや、普通の恋愛に違和感を感じるひとに関しては、「お試し」というパワーワードを使って恋愛に一歩踏み出すきっかけになったり、「普通の恋愛」に縛られずに自分の築きたい関係を築くことができるので、有無を言わさずおすすめしたい。

そして、対話的な関係を築きたい、という点に関しては、

わたしたちは特に「対話型パートナーシップ」を築くことを目的にしていたから、というのもあるけれど、

この「お試し交際」というしくみはそもそも「どんな関係を試すのか?」というところからふたりで決め、他人であるという前提を持ち、一定期間よりよい関係を築く努力をし、いかに「愛せるか」を実験するプログラム。

なので、よく言えば対話的な関係が築けるし、逆に言えば、それくらい相手と向き合わないといけないし、自分とも向き合わないといけないし、考えたことを伝える言語化能力も求められると思う。

誰でもできることではないんだろうなと思いつつ、でも、誰かと関係を築くって本来そういうことなんじゃないかなとも思う。



最後に

それで結局やってみてどうだったの?どういう関係になったの?ということが気になると思いますが…

わたしたちはこの「お試し交際」を通して、目標としていた「対話型パートナーシップ」を築いていくことができ、本交際をすることとなりました…!

3か月のゴールがありつつも、もちろん関係性にゴールはないので、日々対話を重ね、実験は続きます。今は新しい契約書や、クレド(大切にしたい価値観)の言語化に、ふたりでいそしんでいます…

実際やってみての詳しい感想などに関しては、長くなりそうなのでまた別のnoteで書こうと思います。


どうしても、映画やドラマで描かれる恋愛が普通だと思ってしまったり、恋愛でうまくいかないと自分のせいだと思ってしまいがちですが、

本来求めている恋愛も、パートナーとの築きたい関係も人それぞれなはず。

この「お試し交際」や「対話型パートナーシップ」というあり方が、こじらせているひと・パートナーとの関係がうまくいかなくて悩んでいるひとの希望になればと思います…!



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