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「昭和のオシャレ最前線を語りつくす~『オリーブの罠』~」

『オリーブの罠』 酒井順子 著 (講談社現代新書)
 
かつて…’80年代に少女だった女子たちがファッションやライフスタイルのお手本とした、いわゆる女の子のためのバイブルと言われた雑誌『オリーブ』の中で、ちょっとしたコラムを書いていた酒井順子さんの本です。
 
少女からは思いっきり卒業したはずの年齢だった私は、この『オリーブ』という少女向け雑誌の前に、すでに『アンアン』『ノンノ』『クロワッサン』などのお姉さん向けファッション雑誌を、年の流れのように読んでいたのですが、適齢を逆行するがごとく、『アンアン』の空気感を継承するちょっとキッチュでオシャレなかわいいこの雑誌の虜となりました。
(タイトル写真は大事に保管していたほんの一部です)
 
ちょうどデザイナーズブランドの全盛時代で、そのテのファッションももちろん取り上げていました。
それよりも目立ったのがパリジェンヌを意識したファッションで、パリ市街やパリジェンヌの部屋の写真などが多い紙面は、やはりかなり洗練された雰囲気が漂っていて他の雑誌と一線を画していました。
 
でも身近にある東京のおしゃれなお店(と言っても、地方に住む私にとっては東京は遠いですけどね)もたくさん取り上げられて、いつかは行ってみたいと憧れを持って読んでいました。
 
私が最初にこのオリーブを最初に買ったのが1984年8月18日号。
当時月に2回、毎月3日と18日に発行されていました。
 
この号で特集されていたのが、おしゃれで人気のある憧れのお店。
さまざまなお店が巻頭から紹介されており、その中で一番私の目を引いたのが部屋着のお店『ラ・ソワレ』でした。もうおわかりですね?
私のnoteでのネームは実はこんなところから由来しているのです。
どれだけ好きかわかるでしょう?
写真に写るお店の外観の素敵なこと!ヨーロッパにあるようなしゃれた感じが好きで、もし東京に行ったらぜったいここに立ち寄りたい!と誓いを新たにしました。

それから5~6年ほど経ったでしょうか。
東京へ遊びに行く機会を得て、いざそのお店があるという渋谷へGO!
でも該当する地区のあちこちを歩き回りましたが、どこにも見当たりません。
無くなったのか、移転されたのか全くわかりませんでした。
 
はるばる田舎から目指してきて探し回ったあげくお店がない!…その落胆やいかに。
もっと早く訪れることができていればとは思いましたが、憧れが想像の中で膨らみ過ぎて、逆にいい記憶となったのかもしれません。
引きずりすぎてこのネームです。しつこいですね。
その後調べてみると、私は閉店して1~2年して訪れたようです。残念!
 
さて気を取り直して雑誌の内容ですが、記憶に残る記事を紹介しましょう。
 
外国人の女の子を起用したモデルがほとんどでしたが、読者モデルで一番有名だったのが元横綱・若乃花の前夫人・栗尾美恵子さんで、とってもかわいかったんです。
それにkyon2がバッサリとショートカットにして世間を驚かせていたのを取り上げて、読者もショートカットに思い切って挑戦しよう!と呼びかけていました。
(前出の栗尾さんも、紙面で公開断髪式をやっていましたね…元ダンナも土俵で同じことやりました←いや、こっちが本物)
 
で、オリーブ少女より年上だった私でもかなり興味津々で楽しんでいましたが、その中の酒井さんのコラムは“マーガレット酒井”という、女の子の相談を受ける先生という設定。
だから生徒もパリジェンヌらしく“リセ”とあります。
女の子目線でいろいろアドバイスしてくれました。


 今回の酒井順子さんの本も、当時の読者層について語っている部分が「あるある~~!そうそう!!わかるぅ~!」と感じる部分と「ほぉ~~、そういうことだったんだぁ」と感じる部分がありました。
当時の女子高生事情なども掘り下げてあり、ファッションやライフスタイルが歴史を繰り返している昨今、昭和のおしゃれさんのことを知りたい人は必読ですよ。
 
私も読んで懐かしさと新鮮さと、憧憬と郷愁と、いろいろなものが私のココロの深層に渦巻いています。
 
ひとつの文化だったんだなあ…と、その時代を共にあゆんでこられたことがちょっぴりうれしくもある、この本の出版に対しての感想です。
 


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