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「摩訶不思議!謎と魔法に満ちた世界への冒険~『カラヴァル』~」

『カラヴァル』 ステファニー・ガーバー 著  西本かおる 訳  
                (キノブックス) 2018.4読了
 
2018年の本屋大賞・翻訳小説部門で第1位をとった本ということで読んでみた。
 
海外の小説は、文化や思考などに通じる感性が日本人のそれとは違うので、毎回読む時はやや身構えてしまう。
この物語はファンタジーというか、作者本人の完全なる想像の産物でもあるので、理解するのに少し時間をかけないといけなかった。
 
 
設定は「エランティン王朝」という架空の世界で、その世界の中でも属州という地方の島で権力を持つ父のもとで暮らす姉妹、スカーレットとドナテラ。
彼女たちは父親の虐待に耐えていたが、姉のスカーレットは政略結婚で顔も知らぬ伯爵に嫁ぐことで、そして妹のドナテラは自由を求めて逃亡するという、父の元を逃げ出す計画を立てていた。
 
スカーレット(スカー)は幼い頃から、魔法を使って冒険するゲームを楽しませてくれる“カラヴァル”という催しにあこがれていた。
嫁ぐ前に一度は参加してみたいと思い、何年もその主催者・レジェンドに手紙を書き綴っていたが、なかなか返事が届くことはなかった。
 
しかし嫁ぐことが決まって、もうカラヴァルには参加できない旨をレジェンドへの最後の手紙に書くと、初めて返事が届き、招待状が3人分送られてきた。
 
その折も折、ドナテラ(テラ)は見知らぬハンサムな漁師ジュリアンの手を借りて島からの逃亡を試みる。
それはスカーをも共に連れ出す作戦だった。
 
そして暗い島から生き生きとした彩ゆたかな土地にどうにかたどりついたスカーは、ジュリアンとともにいた。
テラはすでに新しい土地で開かれているカラヴァルの中にいるという。
 
これから危険で不思議で魔法に満ちた魅惑のカラヴァルでの冒険に、おとなしいスカーは歩きだすことに…。
 
カラヴァルには様々な秘密があり、成り立ちやレジェンドの正体は謎だらけ。
スカーはゲームの中で本当にゴールまでたどり着けるのか?
謎が謎を呼び、怪しげにゲームが進む中、スカー、ジュリアン、テラに危険が襲いかかる。
 
そしてスカーがかかわる人たちの中に、ついに死者が!?
 
最後までいったいどうなるのか読めない、ファンタジー・ミステリー。
 
そんな中でスカーに、はじめての恋が訪れるのだが…。
 
 
 
結論、空想の世界になかなか入り込むことが難しかった。
上手く出来すぎているなと感じるところもあれば、腑に落ちないところや、しっくりこない部分、よくわからない部分も多くあり、この感想を書いていても読んでくださっている方にもさっぱりわからないだろう。
結局は謎に満ちたカラヴァルならではと言われればそれまでだが。
 
海外の物語でファンタジーものはもちろんたくさん読んできた。
だが正直に言わせてもらうが、私にとってはこれまでで一番しっくりこない物語だった。ごめんなさい。


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