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互い咎の処方 13話(エピローグ)
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 ◇◇◇ 喫茶店の奥の席で、薫は女性と向かいあっていた。女性の前には平凡なブレンドコーヒーが、薫の前には巨…
互い咎の処方 12話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f ◇◇◇ しばらくの間、薫の足は正座した後のようにしびれていた。…
互い咎の処方 11話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** 「さてと、みんなそろったね」薫が言う。「見たよね、あれ」 …
互い咎の処方 10話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** 「……どういうことだ」ぼくは言う。「なぜ、犯人の藤山さんが…
互い咎の処方 9話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** 階段を下りると正面に玄関があり、隣に談話スペースがある。…
互い咎の処方 8話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** 「やあどうも」 階段を下りたぼくと薫を出迎えたのは、秀…
互い咎の処方 7話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** 武広さんを拘束しバリケードを築いたぼくたちは、それぞれ…
互い咎の処方 6話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** 美紀とマスオさん、そして西村夫妻は、部屋の外に出た。 …
互い咎の処方 5話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** ぼくが部屋に帰ってくると、ほどなくして薫ももどってくる。…
互い咎の処方 4話
作品情報:https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話:https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** ぼくと薫は一階に降りると、階段の正面にある談話スペース…
互い咎の処方3話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** ホテルは、一階が集団で利用する場所、二階が個別部屋、と…
互い咎の処方2話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 1話 https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f *** スリ事件を解決したことにより、薫は人々から取り囲まれた。…
互い咎の処方 1話
作品情報 https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32 *** 海は穏やかだった。風もほとんど吹いていなかった。船が進むことで生じるそよ風を感じながら、ぼくは船の手…
互い咎の処方 13話(エピローグ)
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
◇◇◇
喫茶店の奥の席で、薫は女性と向かいあっていた。女性の前には平凡なブレンドコーヒーが、薫の前には巨大なグラスにソフトクリームやチョコチップ、フルーツなどが満載された豪勢な飲み物が鎮座している。
「彼、困ったちゃんなの」薫はストローの包装紙をいじりながら言う。「私を負かせられたら、なんだって良
互い咎の処方 12話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
◇◇◇
しばらくの間、薫の足は正座した後のようにしびれていた。よろめきながらもベランダを見上げる。執一が、自分を見下ろしていた。
当然彼も自分に続いて降りてくるものだと思っていた。だが――
執一は、背後を振り返り
互い咎の処方 11話
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https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
「さてと、みんなそろったね」薫が言う。「見たよね、あれ」
「……」美紀は不安そうな顔でうなずく。
「あの、頬がべろんと――ああ……嫌だ嫌だ」気味悪そうに悦子さんは自分の腕を抱く。
「人間の皮をマスクのように被って
互い咎の処方 10話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
「……どういうことだ」ぼくは言う。「なぜ、犯人の藤山さんが死んでるんですか」
「犯人?」と聞き返してくるメンバーに対して、ぼくは、藤山老人がホテルに殺人を目的とした罠を張っていたこと、それを日記に記していたこと、
互い咎の処方 9話
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https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
階段を下りると正面に玄関があり、隣に談話スペースがある。食堂とキッチンは左側に。藤山老人の部屋は、その反対側――右側の廊下の一番奥に位置していた。
まず、ぼくは食堂を覗いてみる。薫と他の宿泊客たちが揃って食事
互い咎の処方 8話
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https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
「やあどうも」
階段を下りたぼくと薫を出迎えたのは、秀二さんと悦子さんだった。二人は、階段を下りて左手にある、食堂の前に立っていた。
「こいつが眠れないっていうもんだから。仕方なく、早く降りてきたんだよ」
互い咎の処方 7話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
武広さんを拘束しバリケードを築いたぼくたちは、それぞれの部屋に戻った。犯人らしい人物を捕らえても、やはり完全には安心できないということだろう。
ぼくと薫は外に出て、絵美さんと武広さんの部屋の真下を調べるこ
互い咎の処方 6話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
美紀とマスオさん、そして西村夫妻は、部屋の外に出た。
部屋の中にいるのは、ぼくと薫。腰を抜かして動けなくなってしまった藤山老人。そして、死亡した絵美さんの恋人、武広さんだった。
武広さんは、どうやら絵美さん
互い咎の処方 5話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
ぼくが部屋に帰ってくると、ほどなくして薫ももどってくる。
「ほんと、つまらない人たち」と笑顔で肩をすくめると、自分のベッドに飛び込む。「今、わたしが死体だったらどうしてた?」
「きみがそう簡単に死ぬものか」ぼく
互い咎の処方 4話
作品情報:https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話:https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
ぼくと薫は一階に降りると、階段の正面にある談話スペースに向かった。ソファーが、テーブルを囲むように並べられている。人が集まるとしたらここだろう。
周りには、南国風の観葉植物の鉢と、ブラウン管のテレビと、ビデオ
互い咎の処方3話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
ホテルは、一階が集団で利用する場所、二階が個別部屋、と、それぞれ割り当てられていた。一階には食堂や談話スペースなどが集まっていた。管理人である藤山老人の部屋も一階にあった。一階と二階を行き来する手段は、中央に
互い咎の処方2話
作品情報
https://note.mu/sowano/m/m45bec0c01b32
1話
https://note.mu/sowano/n/nf8615209be2f
***
スリ事件を解決したことにより、薫は人々から取り囲まれた。犬をつれた女性――江能みちる、が隣に座り、薫に訊く。
「いったい何やってる人なんですか?」
「ぷーちゃんです」
「ぷーちゃん?」
「フリーターなの」薫はほ