荀子 巻第六富国篇第十 8
利→②よい。役に立つ。つごうがよい。つごうよくする。③もうけ。とく。⑥きく。ききめがある。はたらきがある。
なんだかややこしいですが、訳してみます。
『儲けがないのにこれを利用するのは、儲けた後にこれを利用することの利益には及ばない。愛することをしないで愛を用いることは、愛した後に愛を用いることの功績には及ばない。』
「これ」が何だか分かっておらず、意味が通じないです。金谷先生は「これ」を「民衆」として訳されています。民衆を組み入れ、利と言う漢字が持つ意味を踏まえて訳し直してみます。
『民衆に利益がないのに民衆を用い・働かせることは、民衆に利益を与えた後に民衆を働かせて得られる利益には及ばない。愛護を見せずただ民衆を用いることは、民衆を愛護した後に民衆を用いる功績には及ばない。』
社稷→②朝廷または国家。
拙訳です。
『民衆に利益を与えその後に民衆を用いることは、民衆に利益を与えその後に民衆を使役しないことの得には及ばない。民衆を愛護してその後に民衆を用いることは、愛護した後も民衆を用いない功績には及ばない。利益を与え愛護した後も民主を使役しない君主は天下を取るだろう。利益を与え愛護した後に民衆を使役する君主は国家を保つだろう。利益を与えず愛護もしないで民衆を使役するだけけの君主は国家を危うくするだろう。』
国の順位付けです。
1位.民衆を愛し、民衆の利益をはかった上で、民衆を使役しない国
2位.民衆を愛し、民衆の利益をはかった上で、民衆を使役する国
3位.民衆を愛さず、民衆の利益をはからず、ただ民衆を使役する国
私達民衆は愛されているのか、民衆の利益ははかられているのか、民衆は使役されていないか、もう一度考えてみましょう。
ちゃんと「民衆」か、「一部の民衆」となっていないか、民衆全体が対象となっていれば「格差社会」という単語がこんなに世間を賑わせていないと思います。
今日も「荀子」を読んで諸々考えているのでした。
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