Day4. 神様に出会う旅│ 戸隠神社 Ⅰ
May 2022
善光寺 の参拝を終える頃には、仲見世通りまでつづく長蛇の列ができていた。最後尾には「2時間待ち」の札を持つ人。まさにディズニーランドだ。
早朝に来たおかげで、時刻はまだ午前10時半だった。このあとは隣の「長野県立美術館」に行く予定だったけれど、思っていたより余裕がある。
「 … 戸隠神社、行けるかも 」
善光寺と並ぶ、信州屈指の聖地「戸隠神社」 。
天照の「岩戸隠れ」の神話に由来する神々を祀る、五社からなる大きな神社だ。
すべての参拝には4時間ほどかかるとされているため、今回は諦めていた場所だった。
ここからは、バスで1時間ほど。帰りもバスで戻らなければならないことを考えて少しだけ迷ったけれど、それでも " 行きたい " という気持ちが勝った。
「 よし。行こう! 」
ソフトクリームを買い、バス停に向かって歩き出した。
全然バスが来ない。どうしたものかと途方に暮れていると、違う路線のバスの車掌さんが「渋滞しててまだまだバス来ないよ~!」と、親切にも窓から叫んで教えてくれた。
横を見てみると、善光寺への駐車場待ちの車の行列で、道がまったく動いていないようだった。
「 どこまで行きたいの~!? 」
「 戸隠神社に行きたいんです~! 」
「 そうか~! まだまだだと思うけど頑張って~!」
親切な運転手さんのエールを受け取り、とりあえず来た道を戻ってみると 渋滞に捕まっている "戸隠行き"のバスを見つけた。すみませーん!と手を振って、次のバス停から来たことを伝えると乗せて頂けたので飛び乗る。
しばらく渋滞で動かなかったけれど、ようやく善光寺を過ぎると市街地も抜け、バスはぐんぐんと山へ向かって走り出した。
「 あ、帰りのバスのこと忘れてた。」
思い出した心配事は、ループ橋の絶景にさしかかった時には 何処かに飛んで行ってしまった。
戸隠神社は、山の麓にある「宝光社」から始まる。
五社すべてを歩いて参拝しようとすると時間がかかりすぎるため、観光客は車も使いながら「中社」や「奥社」のみを見て帰ることも多いらしい。
でもせっかくなら、" ぜんぶ自分の足で歩きたい " と 思った。誰も降りないスタート地点で、バスを降りた。
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