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半径5メートル以内の人の課題を解決することからスタートしよう #複業の教科書

今月からスタートしている『複業の教科書』#全文連載

好評発売中!の『複業の教科書』を毎日連載するカタチで全文公開中です。

前回、第8回はコチラからどうぞ。

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ステップ2「仕立てる」周囲のニーズを聞き、解決することから始める

 ステップ1でつくったイメージをプロトタイプ(試作版)として実際の活動でカタチにしていくのが、次の「ステップ2 仕立てる」です。

「仕立てる」段階で役立つのは、アメリカの起業家エリック・リースが提唱する「リーンスタートアップ」というフレームワークです。

 これは、スタートアップ企業が市場に受け入れられるサービスを生み出し、会社を大きく成長させるために使うものです。

 以下の図のようにサービスが成長する過程を大きく3つに分けて考えます。

 ①ユーザーの課題を明確にし、解決策をみつける「プロブレムソリューションフィット(PSF)」
 ②最適なサービスを生み出し、最適な市場に提供する「プロダクトマーケットフィット(PMF)」
 ③市場の中で可能な限り早く、大きな成長を遂げる「スケール(Growth)」

 このうち、「プロブレムソリューションフィット(PSF)」という考え方は特に重要で、「解決すべき課題と、自分が用意できる解決策が合致しているのか?」という点を検証します。

「こういうサービスがあったらいいな」という声に基づいて複業を設計したとしても、いざ始めてみるとちっとも売れないということはよくあります。

 これはそのニーズが「かゆい」ほどのものでしかなく「痛い」ほど切実に解決が望まれるものではなかった、という見誤りです。

「痛くてすぐにでも病院に駆け込みたいけど病院が見当たらなかった」というレベルの必要性が高いニーズであれば、すぐにお声がかかるはずですから。

 この「かゆみか、痛みか」を見極めながら、〝複業試作版〟を仕立てていきましょう。

 確実なのは、半径5メートルくらいの身近な人のニーズを聞き、解決することからのスタートです。

ステップ3「動かす」つくりあげた「複業試作モデル」をどんどん試す

 最後に、「ステップ3動かす」は、仕立てた〝複業試作版〟をどんどん回してブラッシュアップしていく。ニーズの熱量を探りながら、「いくらで売るのが適当か」と値付けも検証していきましょう(この詳しい方法は第7章で説明します)。

 先に紹介した『リーン・スタートアップ』(日経BP)の中に、MVP(Minimum Viable Prodouct)という概念が出てきます。ついつい、心から納得のいく「完成品」を作り上げてから世に出そうと考えてしまいがちですが、時間もお金もかけられない複業の場合、「完成」を待っていてはいつまで経っても世に出せず、そのまま終わってしまうことも少なくありません。

 複業だからこそ、時間とお金をかけすぎずに、まずは最小限で世に出せる「MVP」をつくり、実際に顧客に使ってもらうことを優先しましょう。自分の友人や同僚に使ってみてもらったり、Facebook やTwitter、note などで発信してみることも、MVPの一つです。

「MVP」で重要なのは、Build-Measure-Learn(構築→計測→学習)のループを回転させ続けること。顧客の課題を解決するようなソリューションになっているか? をしっかり測ります。そこで新たな課題や、さらにブラッシュアップすべき長所が見えてきたら、それを反映させてMVPをバージョンアップさせるのです。

 こうして、つくる(Build)→はかる(Measure)→まなぶ(Learn)のループを回し続けることで、「試作品」だった複業が、どんどん「完成品」に近づいていきます。

 さあ、複業を始めてみたくなりましたか? その前に、ぜひお伝えしたいことがもう少しだけ。次の第4章では僕の例を含め、実際の複業事例を紹介します。

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続きはコチラ。

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