管楽器奏者のマウスピースの重要性
さてさて、本日もみなさんこんにちは。 全道1位、全国3位のSotaです。
経歴
・両親が楽器をやっている音楽一家に生まれる
・4歳でピアノを始めて小学校3年からEb Bassを吹き始める。
・5年生の時にソロコンクールで全道1位
・中学校から楽器がEuphoniumに代わり、中1の冬に日本ジュニア管打楽器コンクールにて3位入賞。(全国3位)
・その他様々なソロコンクールで金賞受賞(計10回)
・高校卒業後すぐにカンボジアへ移住
・帰国後Webエンジニアになる
・現在は市内の小中高校生の奏法・演奏指導を行っている他、オリジナルで作編曲も行なっています。
・一般団体「オブリガード・ブラス・コンソート」プリンシパルユーフォ
管楽器奏者のマウスピースの重要性
今回は、「管楽器奏者のマウスピースの重要性」についてお話ししようかと思います。サムネイルは普段使っているマウスピースたちです。それぞれ形が違ったり形状やメッキまで様々な部分がメーカーによって音色が全然違います。
そんなマウスピースが管楽器にとってどんな効果をもたらしているのか、マウスピースは管楽器を吹くにあたってどれほど重要なのか。その辺を今回はお話しして行こうかと。(金管メインで書きますが、木管の人も通じるところがあるかと思いますので是非読んでみてください)
結論から言うと、ワンチャン "マウスピースが管楽器の全て"
もちろん賛否のある意見ですが、僕はマウスピースが管楽器にもたらす効果はとてつもないんだってことをプロに教わり実感しているので、
マウスピースのみで曲が吹けて音程も取れて、それができて
「じゃあもっといい音で音を出せるように」
ということで楽器にマウスピースをつけて、
「じゃあもっと音を綺麗に動かせるように、より想いを伝えやすくするために」
ということで楽器という道具についているピストンを押して演奏する。
マウスピースのみの状態より、よりスムーズにいい音で吹けるようにする。
という流れだと思っています。
では、
*何故マウスピースのみで曲が吹けて音程が吹けるといいのか?
*どういう練習をしたらいいのか?
これらについて綴ります。
何故マウスピースのみで曲が吹けて音程が吹けるといいのか?
少しだけ深掘りしてお話しします。
先日の記事で、「物に込められてる想い」という内容の記事を書きました。
https://note.mu/soutanium/n/n6f7969c3ba9d
楽器の名前、自分の名前について込められている想いを知っていますか?というような内容。もし気になったら見てみてくださいな。
「マウスピース」という名前の和訳は「歌口」と呼ばれています。
歌う口、つまり管楽器にとって音を歌うための、伝えるための口にあたります。
歌手でいうマウスピースは自分の声帯とか口そのものになります。
相手に言葉や想いを伝えるときには心で話していても言葉に出して話さないと伝わりませんよね。なので、人間にとってのマウスピースも口ということになります。
同じように、マウスピースが付いている状態の楽器が一つの体だとして、人間でいう伝えるための口がマウスピースになるんですね。
なるほどわかりやすい(自分でいうか)
ちなみにこの考えでいくとピストンは身体の手足ともいえるかと思います。言葉をより気持ちを込めて伝えるために、身振り手振りをしたり、選手なら体を動かして伝えるし、シンガーソングライターは弦を弾いてコードを弾きます。
つまり、いくら体を動かせても弦のコードを弾けたとしても、
「それを伝えるための部分が弱いと想いも届かないし、充分に伝えきれない」
と思っています。
だから、マウスピースは管楽器のどのパーツよりも重要なんです。
どういう練習をしたらいいの?
先ほどは少し理論的な、音楽とは別の例を上げながら説明してみました。
では、そんな楽器の重要部分でもあるマウスピースは、どのように練習すれば良いのか?文字ベースで伝えるのは限界がありますが、伝えられる限り全力でお伝えします。
ただし、ただ練習やっても時間の浪費なので、
「自分は今ここを鍛えるためにこの練習をしている」
というのを意識しながらやってください。これは普段の練習や基礎練でも同じ。やっている内容の意味をしっかりと理解した上で練習する。これが大事。理解することが大事です。
音楽は意識一つで一瞬で良くなります。
意識を習慣化すればこっちのもんだ。
① マウスピースのみで音程を取る練習
学校やアプリでもいいので、鍵盤楽器とお友達になりましょう。
なるべくなら全調音階をやっていただきたいですが、まずは自分の楽器のスケールでもいいし、ピアノ自体のスケールでも構いませんので、
マウスピースのみで
*スケール練習
*普段やっているチューニング
*少ない音数のリップスラー
これらをやってください。一日5〜10分くらいできるのが理想。
自分の口だけだったら普通に歌うのと何ら変わらないので音程を取るのは簡単ですが、自分の口という部分をマウスピースという別の口を通して気持ちを伝えなくてはならないので、生まれた時から使っている口とは違うので練習はもちろん必要です。
生まれた時から全言語喋られたら苦労しないっすもん。
② バズィング(buzzing)に慣れる
マウスピースが上手く鳴らない原因の一つにバズィングが上手くできない、という問題があります。
「そもそも、バズィングって何?」
っていう方も多いと思いますが、簡単にいうと唇のみの振動です。
buzz(虫の飛んでる音) + ing(現在進行形)= buzzing
っていう意味になっています。
マウスピースは、
マウスピースが振動すればするほど少ない息の量で太い芯のある音が出ます。
唇のみの振動、すなわちバズィングがマウスピースに伝われば伝わるほどマウスピース自体がしっかりと振動し、その振動が楽器本体に伝わって音が出る。
というような流れで管楽器はできています。木管の場合はリードになるのかな?
バズィングは基本的には上唇と下唇の位置が1:1が理想ですが、人によって歯並びが違うので多少の位置の前後はあります。
自分が一番唇が振動する位置を見つけることが一番の近道です。
バズィングを楽に振動させるコツは、
「息の角度を斜め上に出すことを意識する」
「鳴らそうとしない。自然になった時が一番楽に振動できてる状態」
です。メモしておいてネ。
①② 共通して大事なポイントは「振動」
マウスピースの練習法は結構シンプルです。バリエーションを増やしていけばもっとたくさんありますが、基本的なところはこれらで充分。
ただ、新しい練習を入れたときに3日坊主になるひとがほとんどなので、とにかく継続が大事です。
そして、①②と練習方法をご紹介しましたが、
どちらにも言える一番大切なキーワードは「振動」。
これに尽きます。
いくらマウスピースが重要と言えど、そのマウスピースをたくさん振動させるためのバズィングの振動がしっかりしていないとマウスピースも振動してくれないです。逆に、ここをクリアすると楽器上達のスピードはめっちゃ速いと思います。
自分の想いを、技術を、言葉を100%届けられるように、
自分の楽器の歌口でも伝えられるように、
マウスピースでの練習やってみてください。
したっけ、またね。