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戦略と分析のはなし

こんばんは、独立診断士を目指す30代、
そうきちです。

前回の記事で、
「分けることは、分かること」
という話をしました。

「会社」は様々な要素が複雑に
絡み合って構成されている
ひとつのシステムであるため、
理解するにはいくつかの要素に
分ける必要があります。

融資担当者の目線

銀行が、企業に対して融資を実行
してよいかの判断においては、
定量分析(財務分析)、
定性分析(事業性評価)を行い
過去の実績、及び現在の状態を
理解すれば足ります。
(簡単そうに書いてますが、
 実際はこれが難しいです)

分析を行うための武器として、
3C、5F、SWOT等のフレームワークが
広く知られています。

用意された枠を埋めれば
なんとなく会社のことを
理解できた気分になれますよね。

ここまでは銀行の目線でお話
しましたが、
視点を経営者目線に変えると
過去~現在の話ではなく
明日の経営、戦略をどうするか
が一番大切です。

経営者の目線

今後の戦略をどうしていくか
を考えるには、フレームを埋めた先に
もう一歩踏み込む必要があります。

(銀行からコンサルに転職した理由
 のひとつとして、この
 「もう一歩踏み込む」
 をしたかったことがあげられます。
 ・・・実際には、現職ではやりたいことが
 出来そうにないので
 独立したいと思っていますが)

以前の投稿で、

企業の目的を達成するための構想から
機能戦略のレイヤーまでが
一つのストーリーとして結びついている
ことが、『いい戦略』の条件に
なるのではないでしょうか。

【経営事典②】戦略とは(前編),2023.6.28,筆者投稿

と記載しましたが、
戦略を立案するには、分析によって
一度バラバラにしたものを
もう一度、ひとつのストーリー、
システムとして組み立て直す必要があります。

マッキンゼー日本支社長、会長等を歴任した
大前研一氏は著書『企業参謀』の中で
戦略と分析について以下のように記載しています。

「戦略的」と私が考えている思考の根底に
あるものは、一見混然一体となっていたり、
常識というパッケージに
包まれてしまっていたりする事象を分析し、
ものの本質にもとづいてバラバラにしたうえで、
それぞれのもつ意味合いを自分にとってもっとも
有利となるなるように組み立てたうえで、
攻勢に転じるやり方である。

個々の要素の特質をよく理解したうえで、
今度はもう一度人間の頭の極限を使って
組み立てていく思考方法である。

第一章 戦略的思考入門/企業参謀/大前研一

分析と異なり、戦略立案には
汎用的なフレームワークは存在せず、
人間の頭の極限を使って組み立てる
必要があるということです。

これまでの話を自分なりに整理したのが
以下の図です。

戦略と分析の関係性(筆者作成)
戦略策定までの流れ(筆者作成)

経営戦略ではなく
システム構築に関する本ですが、
戦略と分析について
本質的な示唆を含む文章として
こちらも紹介します。

間違った名前

・・・ひどく間違っているのはシステム分析における
分析(analysis)という部分だと思う。

[中略]

分析は何かを建設することには関係がない。
何かをばらばらに引き裂くのが関の山である。
システムを構成部分に分割することによって
解釈する、というのは矛盾をはらんだ言葉である。

というのは、システムの定義は
「相互に関連した要素から成り、
 ひとまとまりの実態を構成する集合体」
となっているからである。

[中略]

私は、システム分析家という代わりに
システム合成家といっておいた方が適切
だったのではないかと思える。

システムづくりの人間学/G.M.ワインバーグ

「システム」という言葉を「会社」に置き換えれば
そのまま経営戦略に当てはめることができる
内容だと思います。

おわりに

前回の投稿(「分けることは、分かること」)で

この話と3Ç分析がどのようにつながるのか
については、次回で説明する。
(また取り留めない話にならないよう、
 気を付けます。。。)

と書いたにも関わらず、
また取り留めのない話になってしまった気がする。

3C分析について書きたかったのに、
二回に渡って長々と前置きを書いてしまった。

ただ、フレームワークを使うときの自戒を
込めて自分の考えは整理できたと思うので
次こそは本題の3C分析について記載します。。

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