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【読書日記#02】『あるノルウェーの大工の日記』原題:En snekkers dagbok

オーレ・トシュテンセン著 ; 中村冬美, リセ・スコウ訳 (2017) 『あるノルウェーの大工の日記』エクスナレッジ.

※トップ画像は、下記より。
X-knowledge「あるノルウェー大工の日記」2024年5月12日アクセス <https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767823911/>.


1.概要

内容・概要

ノルウェー発、世界14ヵ国に翻訳権の売れた話題のエッセイ

『あるノルウェーの大工の日記』は、屋根裏の物語である。
屋根裏の改築依頼の電話から施主への引き渡しまでの日々が、職人技(クラフトマンシップ)の豊かなディテールとともに綴られる。
ユーモアを交えた率直な語りのなかに浮かび上がる、建設業界の厳しい現状やノルウェーの人々の暮らし、そして働くことの誇りと喜び。
遠い北欧の国で紡がれた、現役の大工の手によるエッセイ。

「この職業において、良質な仕事と悪質な仕事の差は、わずか1ミリしかない」

「手仕事とは、とりたてて神秘的なものでもない。依頼人の注文に従って行うだけだ。つまり、誰かの要望があってはじめて仕事になる」

「手は人生を物語る。自分にできること、やってきたことはここに写し出されている。この手は私の推薦状であり、履歴書だ」
(本文より)
著者:オーレ・トシュテンセン/ Ole Thorstensen
ノルウェーのアーレンダールに生まれ、トロモイ島で育つ。
25年以上の経験を持つ大工。
現在はオスロ近郊のアイツヴォル在住。

X-knowledge「あるノルウェー大工の日記」2024年5月12日アクセス <https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767823911/>.

2.感想など

ネタバレが少しだけあるので、読みたくない人はページを閉じてほしい。

まず、一番面白かったのは、温かい食事のくだりである。ノルウェーのひとは、昼食時に温かいものを食べる習慣がない、らしい。
私は昼食時に温かいお味噌汁を摂りたい人間なので、なかなか興味深い記述だった。

つぎに、あまり深く考えたことがなかった、イケアの家具と職人についてだ。日本だとニトリとか、アイリスオーヤマとかが近いのかなと想像しながら読んだ。
実は一時期、私はイケアの本棚をネットショップで買うか迷っていた。最終的にはアイリスオーヤマでカラーボックスなるものを購入した。長い目で見ると、「ちゃんとした」本棚がほしい。

そして、「経験が教える最も役に立つことは、自分には何ができないか、を知ることである(p.209)。」という一文。
この数年、私は「何ができるか」にばかり考えて生きてきたように思う。
だが、「自分が何をできないか」を知ることで、できないことを実現するための対処法を考えることができるだろう。
例えば、フライパンを使った調理が苦手な場合、電子レンジとシリコンスチーマーで蒸し料理を作るなど、「自分が楽に生きることができる」道筋が見えてくるのかもしれない。

この本は、図書館で借りて読んだのだが、正直に言うと次に見かけた際は手元に置きたいと思っている。人生のバイブルになりうる本であった。

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