無いものねだり

私は「ハッキリした顔」、いわゆる「男顔」と言われることが多い。

「じゃあ濃いめの顔の美女なのか？」というと残念ながらそうではない。
目は自分でも気に入っているけど、鼻は太いし角度が悪いのか鼻の穴が目立つ。
子供の頃は写真を見る度に「豚じゃん…」とげんなりして、少しでも鼻筋を細くしたくて指でつまんだりしてた。(当然なんの効果もなかった)
そして唇は腫れぼったくて歯も大きい。しかも気を付けずに笑うとひどいガミースマイルになる。昔このガミースマイルを見た同僚にドン引きされてしまった悲しい思い出がある。

だから鼻筋がスッとして唇が薄い女優さんやモデルさんを見かけると「品があって綺麗だなあ〜。私の顔がなんか下品なんだよなぁ〜。」と毎回思ってた。

こういう話をこの間唇の薄い友人にしたら

「なんで？唇厚いの良いじゃんセクシーで。」

と言われた。

セ、セクシー！？私の唇が！？
そんなこと考えたことが無かったのでそういう意見もあるんだな…と目から鱗だった。
逆に友人も唇が薄いのが羨ましいと言われるとは思ってなかったらしい。

自分ではなんとも思ってなくても、他人からしたら羨ましいと思われてるものってあるんだなぁとしみじみ思った。今回は見た目だったけど、立場とか環境とかもそうだよね。

でも自分ではなんとも思っていないから他人から羨ましいと言われてもしっくりこないこともあるんだよね。逆もまたしかり。


この唇の薄い友人は彼氏がいて今年結婚式を挙げることが決まっている。
アラサーで彼氏すらいない私からしたら羨ましくて仕方がないんだけど、友人は環境が大きく変わるのが不安で最近マリッジブルーらしい。
友人の置かれた状況を考えると頭では大変さが理解できるのに、実際に同じ立場になっているわけではないから真に気持ちが理解できていない。
あと「そういう状況になるってわかってて付き合ってたんだし、目標にしてた結婚ができて良かったじゃん。」というくら〜い気持ちが少し湧いてしまう。(そして自分で「私嫌な奴だな〜」と自己嫌悪する)

頭ではわかっていても、真に理解しあえないからこういう環境の隔たりが大きくなると、長い付き合いの友人でも疎遠になっちゃったりするのかな〜と最近少し不安になって悲しくなる。
でも友人も同じように私や他の独身の友人と疎遠になってしまわないかと思ってるのが伝わってくる。

「みんなちがってみんないい」とか十人十色とか言うけれど、コンプレックスとか人付き合いとか複雑なものと向き合うのは難しいなぁと思う今日この頃でした。