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息子の皮膚科通いが終わった

息子の皮膚科通いが終わった。

アレルギー体質は一生変わらないけれど、アトピーは寛解だと。

「報われましたね、ママ」

8年、隔週で通った日々を思い出す。


息子は肌が弱かった。

爪をどんなに短くしても、顔中のひっかき傷は無くならなかった。赤ちゃんの“赤”は、血や腫れや湿疹だった。

0歳から、保育園で教えてもらって遠くの皮膚科に通い始めた。

隔週の通院は、バス・歩き、混雑で2~3時間かかった。

バス停前に置かれたアンパンマンと、並んで写真を撮って。

消防署を通る。消防車が大きくて見とれて。救急車の出動にエールを送って。

そば屋の看板に取りつけられた置物を見るために抱っこして。

は虫類、魚類のペットショップは入ると出られなくなるから身体で視線を遮って、

歩きたがったり、走りたがったり、

おとなしく過ごすためのグッズで重いカバン。帰りのバスで寝る息子。重い。途中から容赦なく起こす。

微笑ましい光景も、見るとやるとじゃ大違い。あまりに時間がかかるから、放ってずんずんと歩いたことも数え切れない。

何気なく訊いてみたけど、息子は全然覚えていない。


子の成長とともに、わたしの奮闘がひとつずつ終わる。

もちろん、よかったのだけど。一抹の寂しさ。


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