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#読書感想文 現に生きたり死んだりしてる

『人間』又吉直樹(2019)

又吉さんの3作目の小説。

どうすんだ?と惑わせておいて、あっさりまとめる感じが
モーツァルトっぽいと思った。(のだめの受け売り)

 

物語をヒーロー目線で読んでいたのはいつまでか。
謙遜だったはずが、日々思い知らされて卑屈になっていく。
つらいな。

立場なんてものは自分の調子が悪いときにだけ必要になる浮き輪のようなものかもしれない。

てんで「なっていない」人こそが美しいのだ、的な
構造に則って肯定して、すなわち我が身も、みたいな論法でなく、

「そのままで生きたり死んだりしている日常が現にある」
意味とか価値とか以前に、だってそうじゃんっていうパワー。

ひとりで考えているだけでは、新しい風は入ってこない。

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