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「面白さ」をことさら求めるのは面白くない

「面白さ」をことさら求めるのは面白くない。しかし、結果として造形的な面白さがなくては「美術」とは言えない。と常々思っている。

分岐を立方体の内側に持つ12の線分

そこで「一本の枝から枝分かれする細い枝を12本切り取る。
そして、切り取った部分から、それぞれ25センチメートルを残して再び切り取る。
25センチメートルの理由は、それぞれの枝に、枝分かれが必ず一つ残るように切るためである。
その枝を、立方体が形づくられるように順に両端を縛っていく。枝分かれは必ず、立方体の内側に向けて縛っていく。」と閃いた。

瞬間的な直感

 「閃き」とは、広辞苑によれば、瞬間的な鋭い光。であり、鋭敏な頭の働き。すぐれた思い付きや直感である。この思いつきが、鋭い光や、鋭敏な頭の働きや、特別すぐれているとは言い難いが、私にとって重要なのは、その手順の総てが「瞬間的な直感」で決定されたことである。

 枝分かれの方向に、無頓着に縛って出来る立方体も面白い可能性はある。それはこの拙文を書いている内に気がついたが、恐らく制作することはない。制作の動機や結果は、試行錯誤の賜ではない。

「閃き」だけが「秩序」と、それに豊かさを加える「面白さ」を同時に生むことができる。

俳句同人誌 景象 表紙のことば(98)

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