見出し画像

強要としてのお金とアート 2024/04/20

・『教養としてのお金とアート』(田中靖浩、山本豊津) を読んだ。世界史を芸術学と経済学から見るような対談本。2つの視点を、きちんと同量のバランスを保ったまま語っているのが良い。

・「芸術」の概念の歴史は200年もなく浅い、というのは改めて驚くべきことだ。同時に、経済は古くからあるにしては極めて地道な発展を続けている。日本はどちらに対しても保守的にならざるを得ない背景を持つ。

・日本でオークション文化が広まるには、富裕層や著名人の動向が重要になる。誰が何を買ったかについてのニュースが増えても良さそうなのに。

・近年の話題でいうと、NFT。一過性の芸術形態として片付けられた感じはするが、インターネットで商業的芸術を扱う時代に相応しい試みだったと思う。個人的には、法律のほうがついていけない議論が多かった気もする。

・ネット小説で対価を得る方法が、基本的に書籍化に限られている現状も憂慮すべきだ。カクヨムがリワード(収益化)を始めたり、Pixiv FANBOXを活用するなども増えている。そして、noteでのマガジン販売も新しい戦い方の一つだろう(すでに古いか?)。文章の相場って、難しい問題。1円あたり何文字が生み出せるかは、人によって言語力や想像力で数十倍くらいの差が生まれうるかも。

・一応、皆が考えるべき問題を内包していると思う。芸術知識は不可欠でなくとも、お金を使うことは世界が我々に強要する義務に近い。少なくとも、この時代は。


・大学院の募集要項の発表が始まる季節。大学によって前後するせいで、8月の予定がまだ霧中だ。必要書類(外部英語試験など)は少しずつ独力での準備を進めようと思う。

・盆の時期に被るのと、猛暑が難敵になるのが8月受験の嫌らしさだ。院試の場合、面接を含めて複数日にまたがるのも、受験のハードルを上げている。移動や宿泊のコストを考えると、今から憂鬱になる。

・もう少し、単純なことばかり考えて生きたいな。

・一番旨いコンビニ飯は何か、とか考えながら生きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?