マガジン

  • ボードゲームと運

    複数人で楽しむの道具としてのボードゲームと運の関係について、様々な点から議論していこうと思っています。

最近の記事

ボードゲームの余白の話

※この記事は,Board Game Design Advent Calendar 2023の12月21日の記事として書かれました. はじめに今回のキーワードは「余白」です. ゲームに対して窮屈さ(悩ましいゲームをしているときの”キツい”とは違います)を感じることはありませんか.私はそこからくる反発心が「余白」を求める源泉になっていると分析しています.同じ言葉を使ってないにせよ,そういうことってありますよね.きっと. そんな感じで何かの折に漠然と「余白」を求めていたわけで

    • プレイヤーの行動はどこからくるの?

      ※この記事は,Board Game Design Advent Calendar 2022の12月23日の記事として書かれました. はじめにゲームデザインっていろいろなことを考えなきゃいけないと思います.今回アドベントカレンダー用の記事の内容を検討したときに,自分が意識しているいくつかの軸について書ければと考えました.いくつか挙がげてみた観点についてどれも掘り下げたいと思いましたが,バラバラに書こうとすると前提となる考え方が様々なレベルにあることが判ったため,まずはそれらを

      • 汎用コンポーネントが欲しい

        ※この記事は,Board Game Design Advent Calendar 2019の12月23日の記事として書かれました. ※ボードゲーム製作者用の汎用コンポーネントが欲しいという内容の記事ですが,私自身のゲーム製作環境が今回の記事の発端であり前提ですので,主題とは直接関係のない製作関連の話が多いです.製作者の方にはあるあるあると思いながら読んでいただければ光栄です. コンポーネントをみて閃くゲームアイデアを思いつくのはいつ?という話題がたまにありますが,私の場合,

        • プレイを簡単にする方法としてのボードゲーム化

          ※この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2015の12月13日の記事として書かれました。 一つ前置きします。(前日の記事に煽られたので。) 私が「面白い」と感じるのは私の領分を超えたところにあります。もっと噛み砕くと自分自身の理解できていないことを面白いと思うのです。もっと細かく言えば、自分自身の理解のすこ~~しだけ外側の皮膚に触れているような部分について考えているときです。 ですから、私はしょっちゅう「~かもしれない」「~と感

        ボードゲームの余白の話

        • プレイヤーの行動はどこからくるの?

        • 汎用コンポーネントが欲しい

        • プレイを簡単にする方法としてのボードゲーム化

        マガジン

        • ボードゲームと運
          8本

        記事

          ボードゲームをリプレイすること

          思考の過程は大事です。ボードゲームのプレイも思考の連続であり、見方によっては結果(勝敗)よりも大事と言えましょう。 ボードゲームそのものにおいても、それに出会ってから、自分の中で「こういうものである」と結論付けするまでの思考する時間はとても重要だと思っています。それに付随する事例として、ボードゲームのインストでは「とうやったら強いのか」 、「どういう風に楽しむのか」といったことは教えないほうがよいという意見が聞かれます。相手に勝つ、相手と楽しむためのボードゲームにおいてその

          ボードゲームをリプレイすること

          ゲーム時間と運

          運の要素が強いゲームがあると、「これ運が強いから何回か繰り返して遊ぶといいよ」と結論付けされる風潮があります。 繰り返して遊ぶために必要なのは、そのゲームが短時間で遊べることです。つまり、運の要素が強いゲームは短時間ゲームであることが望ましいということになるでしょうか。 それはそれとして間違いないと思えますが、例外はあるでしょうか? 例外を考える前に、そもそもその一般論も、「どうしようもなく運が強いけど繰り返し遊べば遊べないこともない」程度の結論になってしまっていないか

          ゲーム時間と運

          ランダマイザの話

          ことドイツゲームに関しては、程よい運がポイントであると、これは前にも書きました。というよりこのブログのテーマでもあります。 ゲームを楽しむため、あるいはゲームの表情が豊かになるために欠かせない要素の一つが運なのであれば、プレイヤーは運によって生かされており、運を楽しんでいるといっても過言ではないでしょう。もちろん他の要素と複合的に楽しむわけですが。 ここで言う運というのは、プレイヤーの意思に関係なく訪れる偶然ということで話を進めます。 この偶然は別視点からみると、様々な

          ランダマイザの話

          すごろくと運

          人生ゲームは面白くない ということをたまに耳にします。私個人の意見として人生ゲームには人生ゲームの楽しさや楽しみ方があると思っていますが、それはまた別の機会にでも書くとします。 人生ゲームはすごろくゲームに分類できるかと思います。本稿ですごろくゲームというものを厳密に分類するつもりはありません。すごろくゲーム最低限の要素を考えると、(1)手番のはじめに進むマス数をランダムに決める、(2)止まったマスで何かイベントが起きる(あるいはまったく何も起きない)、(3)誰かがゴールに

          すごろくと運

          じゃんけんと運

          いきなり抽象的なことを書くのもアレなので、『究極の運ゲー』と名高い「じゃんけん」を例に挙げて書きます。ここで運に対する私のスタンスが一つわかるかと思います。 結論から言えばじゃんけんは、運ゲーです。 「ゲーム」特に「アナログゲーム」は『人』と『人』がとある『場所』に集まって、固有の『ルール』の上で遊ばれます。人とルールを繋ぐために『ゲームコンポーネント』があったり、その他様々な要素が絡み合ってゲームは成り立っています。そういう事実はあるとして、ここでは話を簡単にするために

          じゃんけんと運

          イントロ - 運とボードゲームについてひたすら書くnoteです

          いま、いわゆるドイツゲームと呼ばれるボードゲームが楽しいです。 「戦略性と運のバランスが程よいゲームのことをドイツゲームといいます。」 極端ですが、そんな説明を良く耳にします。私も大体あってると思うのですが、では、たくさんある中で具体的にはどれがドイツゲーム?と聞けば、三者三様のゲームが挙げられることでしょう。程よいというのは魔法の言葉です。 ドイツゲームとは何か?を考えるのはまた今度にして、ドイツゲームは「程よい運」が魅力の一つなのは間違いなく、またそれが求められてい

          イントロ - 運とボードゲームについてひたすら書くnoteです