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大人になった貴方は自分の意志で その連鎖を断ち切る事ができる


私の人間性に深く影響をもたらしている、母方の家系の話をしますね。

祖母は、新橋で置屋(銀座のお座敷に芸者を派遣するエージェンシー)をしていた
遠縁の伯母さん(生涯独身を貫いた)に養子に貰われるかたちで
首都圏の外れの貧しかった農村の子沢山の家から
この地に来たそうです。

なんでも、本当は先に祖母の姉が同じ立場で貰われてきたのだけど
銀座芸者の大ボスである曽祖母の躾の厳しさに耐えきれず
即座に帰ってきてしまったそう。
その代わりにと差し出されたのが、私の祖母です。

その、実母ではない「母」に幼少期から厳しく、芸ごとと共に家事も折り目正しくと躾けられた祖母に
ほぼ片親(祖父は放蕩な人で殆ど家に居なかったそう)の状態で育てられたのが、私の母。

もともとは人が居住しておらず、現在葉山にある皇族の御用邸が現在の場所に決まるまでの候補地の1つであった、
政治家や文豪の別荘地だったこの土地に住み始めた
数少ない一般人の「はしり」が曽祖母だったようで
未だ一等地と呼ばれるここが生家であるということは母と、その兄である伯父のアイデンティティであると思います。

同時に幼少の頃から
一般にはあり得ないような、三味線や長唄を叩き込まれるような厳しい教育で育ち「他を知らない」祖母に育てられた私の母は
『教養のなさ(学歴ではなく)』に対する許容ができにくいタイプ。
猫っ可愛がりを受けていないので
私にも、そのようにしか接する事が出来なかったのだと思います。

『そのようにしか育っていないのだから』

いまだに、私が几帳面すぎや神経質すぎる点を指摘することがある毎にそう言います。

最近は仕事の配属先の環境のお陰でだいぶ克服してきたとは言え
私が人さまのお宅の子どもをずっと嫌悪していたのは
私も同じようにあまり甘えさせて貰えず
ずっと厳しく育てられていたので
聞き分けなく自由に振る舞う子どもという生き物が許容出来なかったせい
だと自己分析しています。

自分が子どもを育てたら
きっと厳しすぎる親になってしまって子どもを傷つける。
ほぼ確信していたから、子どもを産み育てる事には全くリアリティを持っていませんでした。
そのせいで幾つも、私との結婚をイメージしてくれる男性との恋愛を失ってきたと思います。

「〜ねばならない」の意識が根深く、物事への許容幅が狭い母は
頑なだし、批判的だし、口調もキツい。
外界と「くだらない」社交を嫌うので、友人もごく少なく、基本的に買い物以外で家の外に出ない。
その代わりに家の中には飾り物が溢れ、全ての場所が飾り立てられています。
偶に訪ねてきた人がそのさまを褒めるので
殆ど強迫的に、家を飾って住んでいて
家は自分好みのもので四方を囲まれたシェルターなんだと思います。その中に篭っているのが、母。

若い時の私は、そんな母のようになりたくなくて
どんどんと人との繋がりを広げようとしていたと思うし、
休みの日に家にいる事を嫌がって、誰と会うでもなくても
なるべく出掛けるようにしていたように記憶しています。

食卓でテレビがついていると、芸能人/一般人を問わず
見る人の殆どを悪く言うので
私は食事が終わるとその場を離れて自室に行くことが常でした。
食卓に1日の出来事や交友関係、進路についての悩みを話すような家族の会話は無かった。
こちらから一生懸命に報告して、薄いリアクションを得るだけで
ハートフルなコミュニケーションというものは希薄だったと思います。
とにかく、1人ですべて考えて結論を出す癖がつきました。


ただ、ここに書き連ねた愚痴めいた事は全部、
私の代で終わらせると決めて

発想を転換したり打破を試みたり解消を促す事で
全て、自分の意志で改善してきました。

厳しすぎた教育は私の、それなりの教養となり身についたと捉え直し
人を貶める物言いは咎めたり、即座にポジティブな言い換えをしてみせたりして母の物言いも変わり始め
突然、自分の言動の指摘をするようになった娘に態度を硬化しそうになった母には
出来るだけ細かく、感謝の言葉を伝える事でバランスを取るようにしました。
その結果、私の話を聞くようになったし、会話自体も増えたように思います。
子どもに対する苦手意識は、その様子をよく観察して
親の気を引こうとして悪さをし、叱られないかと顔色を伺っている「純粋な子ども」のさまを見て
ただ「躾がなっていない」と目くじらを立てるのをやめました。
結果、最近は子ども嫌いはすっかり影をひそめています。(これに関しては解消が遅すぎました、、、。😅)


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この文章に何か『引っかかり』を感じて
何かしらの共感を持ってここまで読んでくださったあなたはきっと、もう大人なのでしょう。

呪縛は、誰かに解いて貰えるのを待っていても勝手には消えてはくれないのではないでしょうか。
辛さのループを断ち切る決断をするのは
結局は自分。
誰かの力添えを受けるにしても、鎖を切る剣を振り下ろすのは
あなた本人にしか出来ないんだと思います。

手助けが必要なら、積極的に助けを呼んで。
支えてもらいながらでもいいから、あなたが剣を握ってみるところから始められたらいいな、と
遠くから願っています✧˖◡̈⃝°˖*

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