柚井悠

脚本家志望。 考えること、誰かに伝えたいけど知り合いには言いたくないこと。 誰かに読ん…

柚井悠

脚本家志望。 考えること、誰かに伝えたいけど知り合いには言いたくないこと。 誰かに読んでもらえたら。

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好きな人に好きな人ができた

好きな人と言っても、もうすでに恋愛感情は失っている相手である。 一年前、僕のことを振った相手だ。 ただ、彼女はそのことを忘れたかのように僕と接する。 あの日以来、一度もそのことに触れない。 でも、あの日以来、友人としての絆は強まった。 (まあ「友達だから」と言って振られているので) 逆になんでも話すことができる相手になった。 女性でも下劣な話をできるのは彼女だけである。 だって、彼女は僕の人生で一番恥ずかしい場面を目の当たりにしているのだから。 そんな彼女に好きな人が

    • 各駅停車

      1番線ホームに各駅停車がやってきた。 彼女は片足を突っ込んで扉が閉まらないようにした。 その間、2番ホームにくる列車を選別する。 準急、急行、快速、準急。 そして3ヶ月、特急が彼女の前に現れた。 彼女は扉を押さえていた足を振り払い、特急に乗り込んで発車していった。 各駅停車の扉は壊れ、もう動かない。

      • 次回予告のないドラマみたい

        未読無視だったものが既読無視に変わった 世の中あまたの恋愛で、このもどかしさが人間をを苦しめている 突然現れた人。 退屈な毎日に、もう人を好きにならないと決めた僕の前に、忽然と現れた。 すぐ好きになった。 一緒だったから。好きな映画も、考え方も、感覚も。 初めて二人でご飯を食べたとき、彼女はなぜか僕に心を開いた。 こんなことが辛い、人生が辛い、嫌なこといっぱいある。 僕も一緒だよ、って。 いっかいデートしたけど、怖かったからにかいめは誘わなかった。 でも向こうから誘ってく

        • 自分の倫理観に自信がないから

          炎上。 ときより、企業やアーティストが公式であげたものに対し、社会的批判が集まることがある。 Mrs.GREEN APPLE「コロンブス」のオフィシャルMVが公開され、批判が集まっている。 動画の内容は、西洋風の衣装を着たバンドメンバーたちが猿がいる部屋を訪れ、馬の乗り方、ピアノなど様々なことを教えるという描写である。 「コロンブス」というタイトルからも、これは西洋から渡ったコロンブスが大陸を発見した事実が重なる(ように作られている) この映像では、コロンブス(と共に大

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        好きな人に好きな人ができた

          音楽と記憶、その狭間で

          ある音楽を聴くと、その曲に関わる記憶が想起されるのはよくある話。 実際、受験時によく聞いていた曲を聴くと受験の辛い記憶がよみがえる。 この効果が一番強いのは恋愛。 前の彼女がカラオケで歌った曲、好きだった曲、彼女に勧められて聞くようになったアーティスト。 4年間の話なのに、今も思い出してしまう。 ちょうど一年前、失恋をした。 片想いで振られることはわかっていたが好きだったので告白をした。 告白の直前、そして振られた直後、僕は星野源を聴き続けた。 そして今、好きな人がいる

          音楽と記憶、その狭間で

          『PERFECT DAYS』Wim Wenders

          今年初めての劇場鑑賞。 周りの友人たちの評価が高いので観にいった。 物語は首尾一貫して一人の男の生活を追っている。 物語が進むにつれ、男の生活リズムを理解していく。 日常の繰り返しの中で、日常の些細な変化が主人公と観客を楽しませる。 物語一貫して気になったのは主人公がアナログな生活をしていることだ。 車は古い軽で電子キーなどついておらず、カーステレオはカセットテープ。 写真を撮るのはフィルムカメラ。 携帯はかろうじてガラケーであった。 このアナログと美しい対比を見せる

          『PERFECT DAYS』Wim Wenders

          好きな人に好かれることはまずない

          そう 今泉力哉が言っていた。 年の瀬も近づき、2023年があと一か月になってしまう。 今年は、頑張ったほうだ。 4月と7月 頑張った。 なかなか女性にアプローチをしない自分が、頑張った月である。 片方は振られ、片方は自分から身をひいた。 振られるのもいい経験だった。 そのうち書こうと思う。 たぶん自分は今、好かれている。 その向こうの近づき方が、4月と7月の自分に重なり とても愛おしい。 もう傷つきたくないから、恋愛はしない。 そう7月に決めたはずだった。 誰の

          好きな人に好かれることはまずない

          ルッキズムの狭間で

          ある日の会話。 友人(誰もが認めるイケメン)が 僕に対し 「俺も柚井みたいな優しい顔で生まれたかったな~」 と呟く。 正直お世辞であることは見え見えだった。 それでも顔立ちにコンプレックスのある自分を その言葉は少し救った。 でもこの救いは、数秒で終わりを告げる。 同じ場にいたもう一人の男が言う。 「お前まじで言ってる? 流石にそれは柚井が可哀想だって、お世辞にしてもそれはないわ」 楽しそうにツッコミを入れる。 そんなことわかってる。 でも、俺を傷つけたのは後者の男だ

          ルッキズムの狭間で