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がんもさんのSound Cooking 【一汁三菜 menu file 1304】 鳥もも肉の竜田揚げ、ほうれん草ソテー、紫キャベツのコールスロー、生わかめの味噌汁


サウンドクッキング第4回。
今回は揚げ物です。揚げ物は、時間のかかる大物として考えます。


その中でももっとも手間隙がかかり、神経も使うのはとんかつやフライ系。衣が3種と多いので、場所もとるし、パン粉の付け方には気を使い、揚げのタイミングもよく見極めないとなりません。
次に面倒なのは天ぷら。この連載の第2回でも言いましたが、天ぷら2秒、フライ3秒、ソテー4秒、炒める茹でるは5秒です。私が提唱している誤差の許容範囲は。

食材や分量がどんなに正しくてもこれがズレると微妙に味が変わります。揚げるタイミングがおろそかだったらもう、別物です。それに比べたら鳥の唐揚げや竜田揚げは少々ズボラに揚げても何とかなります。ただし、揚げすぎは避けたい。

とにかく、多くの人は揚げすぎだなと感じます。豚も鳥も火を通さないと不安ですから、気持ちはわかるんですが、余熱で火が通りますし、二度揚げもレシピとしてアリなんですから、切ってみて早揚げだったらもう一度揚げれば良いだけの話。一度目で揚げすぎになったものと、一度目がやや早すぎて二度揚げることになったものとでは、後者の方が良い結果を生みます。一度目で揚げすぎると一発でパサつき硬くなって取り返しがつきませんが、後者なら最初の揚げで筋肉の繊維が離れているので、そんなに締まらないという寸法です。

私は二度揚げはしない主義です。時間がかかるし、その必要がないからです。175℃一発揚げ、です。それで十分にジューシーに仕上がります。

主菜が大物ですから、副菜とお椀は軽めでいきます。
(次の次くらいに超大物ヒレカツをやる予定ですが、その際も副菜やお椀は特急券ものにします)
ほうれん草のソテーは、生から直接炒めます。いろいろと調べてみると、最近の水耕栽培ものは切って水にさらしてあくを抜いておけば、生を炒めても大丈夫なようです。味は断然この方が美味しいし、早いのでこの方法を採用します。
コールスローは切って塩でもんでマヨネーズソースであえるだけですから特急券料理。
お椀も、生ワカメをガンガン煮込んでとろっとさせるだけだけなので、気遣いなし。
という次第です。

この一汁三菜シリーズは、4品を30分くらいで作る、3分クッキングならぬ30分クッキングを目指していて、手早くできることはとても重要ととらえています。
でも、世に言う時短とはちょっと違います。味噌汁は出汁をとるし、出来合いの調味料はほとんど使いません。手仕事としてのやるべきことは全部やって、それで一汁三菜を30分で作るのです。レシピを見ず「そら」でできれば、きっと誰でもできるようになります。

さて、材料です。

鳥もも肉の竜田揚げ:鳥もも肉、にんにく、生姜、日本酒、醤油、サラダ油、ごま油
ほうれん草ソテー:ほうれん草、オリーブ油、塩、胡椒
コールスロー:キャベツ、赤キャベツ、きゅうり、、マヨネーズ、酢、蜂蜜、塩、胡椒
生わかめの味噌汁:生わかめ、昆布、鰹節、味噌(白味噌、麹味噌、赤味噌)

こんな感じ。


※ このメニューはものすごくリーズナブルだと思います。  
  この一汁三菜サウンドクッキングは家庭料理コンテンツなので、  
  特別な食材はほとんど使わない想定ですが、  
  鳥肉メインのものは特に家計の味方になるものが多いですね。

※ 分量は書かないのかと質問を受けますが、あえて書きません。
  何人分を作るかによってもちがいますし、好みによっても異なります。
  揚げ油は鍋の形状によって必要な量が全然違います。
  下記の作り方のキャプションにざっくりとメモしてありますので、
  参考にしてもらえると良いかと思いますが、調理の方法が正しく、
  手際がビシッと決まっていれば、調味料の多少が少々狂っても、
  必ず美味しく仕上がります。
  サウンドクッキングは一貫して、
  料理はレシピじゃないと主張したいコンテンツです。
  材料でも分量でもない。料理の仕方が9割だと。

では、作り方。

初動は鍋に水を張って、出汁用の昆布を入れて火を付ける。


生ワカメを適当に切っておく。
次にほうれん草を切る。
水にさらす。
にんにくをすりおろす。
生姜をすりおろす。
醤油をお玉一杯。
日本酒をお玉一杯。いつもの醤油:日本酒=1:1です。
鳥もも肉に包丁を入れる。繊維に直角。
味が染みるようにするのと、早く揚がるようにするためです。
こんな感じに漬けます。
フライパンにオリーブオイル(サラダ油でもOK)。
スピナーでほうれん草の水を切ります。
この手間は大事なので必ず。
よく水を切ったほうれん草を炒めはじめます。
塩。
胡椒。ペッパーミルでふりましょう。
何度か書いてますが、これ全然違います。
炒まったらバット(皿)にとり、コンロが一つ空いたところへ、
揚げるための鍋を用意し、サラダ油を入れて火にかける。サラダ油は多めに。
少ないと肉を入れたときに油温が下がってよくないからです。
味噌汁用のお湯が沸騰している頃なので、鰹節を用意。
鰹節を入れて再沸騰したら火を止めてこす。
なんかもったいないので、ギュッギュと絞る。
出汁に切った生ワカメを入れ煮立たせる。
温度を見る。125度なのでもう少し。
油の量は、もも肉がまるまる浸かるくらいは必要。
片栗粉をつけ始める。まんべんなく。
揚げていきます。重ならない程度に、4つくらい。
鳥肉を油に放り込んだら、しばらく放って置けるので、
紫キャベツを千切り。
きゅうりも千切り(スライサーが楽です)
塩でもむ。すぐに水が出てくるので、捨てる。
お酢、はちみつ、塩、胡椒、マヨネーズ。
よく和えれば、出来上がり。2品目。
味噌を溶いて、出来上がり。
揚げるタイミングはサウンドコンテンツで、その音を聴きましょう。
バチバチからプチプチ、揚がってくると身が浮いてきて音が小さくなります。
2度目の鶏肉を揚げたら、完成。

鳥もも肉というのはつくづくありがたい食材だと思います。火の通し方が少々ズボラでも味が残ってくれます。これが牛肉だとそうはいきません。高価なものならウエルダンに焼いても十分に美味しいし、とんでもなく高級なロースやヒレならむしろよく焼いた方が美味しかったりしますが、それは例外。ふつうの牛肉だと、あっという間に食べごろの火の通り加減を逃してしまいます。豚肉もそうで、もも肉やヒレ肉のような赤みの強いものはすぐにぱさつきます。同じ鳥肉でも胸肉だと気を使います。その点、鳥もも肉は大丈夫。この一瞬をとらえられたら最高の出来上がりになりますが、少々ズレてもなんとかなります。

今回はマルチタスクな並行調理が少なく、後半に揚げ物に集中できるので、揚げ物に慣れていくには鳥もも肉から入るのが一番だと思います。

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前回も書きましたが、サウンドクッキングの献立の考え方は、
1)安価な、どこでも手に入る食材
2)三菜の味付けはそれぞれ異なるように
3)焼く、炒める、煮るなどの調理法は、同じ場合でも2種まで
 (調理器具も2種までしか同じものは使わない)
としています。分散しないと、時間がかかるからです。

サウンドクッキングの目指すところは、究極のレシピではありません。
「これこれ」を作れ!ではなく、「こうやって」作ろう!、という提案で、そうするとどうなるのかというと、ふつうに美味しくなり、何より<腕が上がる>のです。ふつうに、と言うのは「お店と同等に」といった意味です。

この記事をおおよそ頭に入れたら、ぜひサウンドクッキングを聴きながら調理してみてくださいね。メキメキと腕が上がること、請け合います。

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