【夢喫茶＊Dream Cafe＊（9）夜みる夢とイニシエーション】

春ですね

ここイギリスではいたるところで水仙やクロッカスが咲き、街や公園がようやくカラフルになってきました。少し前には桜によく似た（というか、ずっと桜だと思い込んでいた！）チェリープラムの花がどこも満開で、日本のお花見を懐かしく思い出していました。

チェリープラムの木。

お花は綺麗だけど、植物が芽吹く時のエネルギーは結構パワフル。お天気も不安定なせいか、春はなんとなく心身の不調感があるという方も多いのではと思います。

夜見る夢とイニシエーション

さて、私はイギリスで毎月、夢解きの会『ドリームカフェ』というのものを開催しています。カフェでは毎回テーマを決めて、それに関する瞑想エクササイズをしたり、テーマの視点から夢を紐解いたりしています。

季節のせいだけでなく、世界情勢も大きなうねりの中にあり、地球まるごと変容の時期を迎えているかのような昨今。先日のカフェでは思い切って「イニシエーション」をテーマにしてみました。

「イニシエーション」とは民俗学や宗教などで使われることも多い言葉ですが、ざっくりと、

「新しい世界や段階に誘（いざな）われること・そのためのプロセス」

と理解すれば良いかと思います。

夜見る夢は、その人の人生の新しい段階やあり方を象徴的に見せてくれるという意味では、イニシエーションのテーマと深い関わりがあります。時には、夢の中で何かの苦難を克服するような体験をさせられたりと、夢そのものが通過儀礼のような形をとることもあります。

ライムを入れると色が紫に変わるタイのお茶

新たな人生の形と夢からのヒント

今回のカフェではまず夢解きの前に、

「今、自分はどのような新しい人生の段階や世界に入るよう誘（いざな）われているのだろう？（What is my life initiating me into nowadays?)」

という問いに、答えを出そうとせずに、ただ思いを馳せていただきました。

その後、一人一人の夢の意味をひもとき、最後に上記の問いに対して夢がどのような答えやヒントを示していると思うかについて、それぞれご自分の言葉で語っていただきました。

「外に向けた活動で忙しくするだけでなく、自分の気持ちや内面に深く寄り添っていくこと」

「これからは文章を通じて大切なことを伝えていく」

「自己批判を緩めて、自分をもっと信頼していくと良い」

など思い思いの言葉が語られました。

２時間という短い時間でしたが、皆さんが真摯に問いや夢と向き合ってくださり、深いところに潜ってから水面に出てきたような感覚がありました。

変化の季節・変化の時代

上記で「地球まるごと変容の時期」と書きましたが、以前だったら人生の節目で数回体験するだけだったようなイニシエーションを、最近はより頻繁に体験する、その度合いが大きい、と感じている方も多いかもしれません。

私はここ１ヶ月くらいの間に何人もの知り合いたちから、健康に関すること、家庭内のこと、仕事のことなどで天地がひっくり返るような思いをしている、という話を聞いたり相談を受ける、ということがありました。私自身もいよいよ生活習慣や心の態度を根本的に変える時期が来ているなー、と強く感じています。

イギリスではおりしも今日は復活祭（イースター）。イエスキリストが人類のためにその身をもって示した受難と復活のプロセスも、イニシエーションのテーマと深い関わりがあると言えるでしょう。

この季節、ぜひ

「今、自分はどのような新しい世界や人生の段階に入るよう誘われているのだろう？」

という問いを頭の片隅に置いてみてはいかがでしょうか。そして、その視点から印象に残るような夢をあらためて見直してみてください。夢の紐解き方についてはこちらや夢喫茶シリーズの各回をご参照ください。

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ここまでお読みくださりありがとうございました。