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写真展『淋しさのかたまり〜一万日連続登山に懸けた父の肖像〜』搬入「ほぼ」完了!

仕事で眠れない日が続く中・・・・・・。
明日13日から日本橋のギャラリー、ego-Art and Entertainment Galleryで始まる展示『淋しさのかたまり〜一万日連続登山に懸けた父の肖像〜』の搬入を「ほぼ」終えた。

朝からギャラリーオーナーの服部さんに手伝ってもらいながら、写真や動画、奈良男さんの娘さんからお借りした奈良男さんの所持品の展示をしていった。中には、今回の展示のイメージカットになっている上の写真で奈良男さんがかぶっているサンバイザーもある。

このサンバイザーはペットボトルを切り貼りして出来ていて、奈良男さんの自作だ。

奈良男さんは、廃品を利用して、なんでも作った。ぼくが初めて奈良男さんに会った連続登山8014日目は雨だった。その時にポンチョ代わりに肩に掛けていた傘から剥がした布の鮮やかな赤い色が印象的で今も雨の日は思い出す。
玄関には、いつも、杖に使えそうなストック状のものが沢山蓄えられていたし、額縁や物干しのフレームを使って作ったザックにも目を見張った(これも展示している)。毎日一日中歩くので靴のソールはすぐにすり減るが、靴を前後真っ二つに切って前半分と他の前半分をつなぎ合わせて履くこともあった。

こうした「あるものでなんとかする」のは、明治生まれのお母さんの影響だったようだ。戦時中、あることで軍を除隊させられ、戻った奈良男さんは、お母さんの故郷である三重県の伊勢市に疎開する。 物がなかった時代、使えるものは何でも使って生きた。

それは、そのまま奈良男さんの登山スタイルになった。

多くの登山愛好家は、日本アルプスのような気象変化の激しい高山を登るとき、その状況に耐えられる装備を用意する。しかし、奈良男さんの登山装備はどこへ行こうがほとんど変わらない作業着姿。うまく行かなければ、耐えうるように体を鍛え直した。

展示準備をしながら、「亡くなって7年経とうとしているけど、今尚、こうして奈良男さんの写真展をする縁があるなんて、なんか不思議だ」と服部さんに言うと、

「それは、奈良男さんに動かされてるんですよ。もっと伝えて欲しいって」

と返された。

伝えますとも。

あなたの生き様を。

山へのこだわりを

ぶっきらぼうな愛情を。


初日の13日は、午後8時からトークイベントがある。
奈良男さん、何を話そうか。

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『淋しさのかたまり〜一万日連続登山に懸けた父の肖像〜』イベントFacebook
https://www.facebook.com/events/1680960028691904/

ego-Art and Entertainment Gallery WEBSITE
https://egox.jp


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