吉田智彦

フォトグラファー/ライター/絵本作家。人物や旅、伝統文化などを題材に、真摯に生きる人々…

吉田智彦

フォトグラファー/ライター/絵本作家。人物や旅、伝統文化などを題材に、真摯に生きる人々の姿を伝える。スペイン・チベットなど、国内外の信仰の道を歩く。農村歌舞伎や保養キャンプを撮影。雑誌『田舎暮らしの本』(宝島社)で「働く人」を連載中。

最近の記事

ツナ缶が欲しいだけだった

ツナ缶が欲しいだけだった。 バイクにまたがったのが運の尽き。 季節は、見ているつもりでもいつも意識の外で移ろう。 聞こえ始めたなと思っていたセミの鳴き声が、木立という木立から湧き上がり、いつの間にか夏の盛りを迎えていた。 それとも、そう思うのは、いつも被っているフルフェイスのヘルメットを今日に限ってジェットにしたせいだろうか。 長袖をやめて半袖の麻のシャツにしたからだろうか。 革の手袋をやめて素手でスロットルを握ったからだろうか。 全身を風が吹き抜けるような開放感に

    • 再生

      吉田智彦写真展『巡礼の道 PART 01 | SANTIAGO to 熊野』2019/7/17~31 @ego-Art & Entertainment Gallery

      7月にやる巡礼のプロモーションムービーを作りました。 これから展示する作品作りの追い込みです! 1997年、旅の中に人生の本質を見出そうと北米を北極海へ流れる大河1600kmを旅した。しかし、北極海へ達した時、充実感と達成感はあったものの、人生の本質を掴むことはできなかったぼくは、途方にくれた。そんな時、心に引っかかったものが、いにしえから続く旅「巡礼」だった。 2000年に、カトリックの聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラへ続く「サンティアゴの巡礼路」約850km。帰国後、熊野三山(本宮大社・速玉大社・那智大社)へ至る、紀伊半島を包み込むようにはりめぐらされた「熊野古道」(紀伊路ー中辺路、小辺路、大辺路、伊勢路、大峯奥駈道)約1000km。 スペインと日本の巡礼路を歩いた、旅の記憶。 年内に、『巡礼の道 PART 02』を開催予定。いったい、どこへ行くのか? 場所:ego-Art & Entertainment Gallery    東京都中央区日本橋本町4-7-5 期間:2019年7月17日(水)〜31日(水) 時間:土日月13:00〜18:00 水金19:00〜22:00 (休み:火木) 入場料:500円(フリーソフトドリンク込) ※アルコールの持ち込みOK(持ち込み料別途500円が必要です) イベント:吉田智彦ギャラリートーク 日時:7月17日(水)19:00〜22:00 7月28日(日)11:00〜13:00 ※詳しくは↓ https://egox.jp/

      • 残っていたのは、膀胱炎の手術をした外科医院と肉屋。くるみ商店街の面影

        神奈川に住んでいるけれど、歯医者はいまだに出身地に近い都内の板橋にある歯科医院へ通っている。 年に数回の定期検診を終え、なんとなく、小5まで住んでいたくるみ商店街へ行ってみた。なぜその気になったかというと、長野市で写真の展示をした際、街を歩いていて、自分が子供の頃の商店街の趣をそのまま残す権堂通りを見たからだろう。 盗まれた自転車を発見したり、捨て猫を拾った図書館にバイクを止めて、商店街を歩いてみる。 毎年正月に凧を上げていた原っぱは駐車場になり、写真店をしていたI君の

        ツナ缶が欲しいだけだった

          ペケが90000KMの大台に乗った

          ペケの走行距離が9万kmの大台に乗った。 大げさでななく、ぼくはこれまでどれだけコイツに助けられたか分からない。精神的に。 そして、今も他では知り得ないいろいろな感覚を授けれくれる。 先日、流鏑馬に登場する木曽馬の取材をしたけれど、飼い主の方が「人馬一体になった時、最高の感覚が得られる」と言っていた。 バイクも同じだ。 どんなにハイスペックなヤツにまたがったとしても、そいつの性能を引き出せるかどうかは、2輪という天秤のように不安定な中でどれだけバランスを崩さず、ス

          ペケが90000KMの大台に乗った

          「働く人」第21回は、日本茶インストラクター

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          写真展『淋しさのかたまり』@コトバヤ打ち合わせ

          ナノグラフィカさんを昼過ぎに出て、16日から続けて展示する上田市のコトバヤさんに立ち寄って下見&打ち合わせをした。 コトバヤさんは、古民家ブックカフェ。オーナーの高橋さとみさんがセレクトした本や雑貨が並び、とても楽しい店だ。 斜光器土偶のフィギュアにはしびれた。 古い柱や梁の褪せた味わいと奈良男さんの佇まいがしっくりくると思った。 ただ、壁が少ないので、展示にひと工夫いりそう。 そんな課題をクリヤーしていくのも面白い。 いい感じに出来る予感。 3月2日には会場でライブも開

          写真展『淋しさのかたまり』@コトバヤ打ち合わせ

          『淋しさのかたまり』@ナノグラフィカはじまりました

          写真展『淋しさのかたまり〜一万日連続登山に懸けた父親の肖像〜』@ナノグラフィカ(長野市善光寺仁王門そば)、始まりました。 当初は月・火曜とお休みの予定でしたが、ギャラリーのご好意により、会期中、無休となりました。ありがとうございます! 開場時間は、基本、11時〜17時。 5・6日のみ11時〜15時。 10日は11時〜20時(トークイベント 18時〜20時・2,500円食事付・要予約) 11日は11時〜17時(トークイベント15時〜17時・1,500円おやつ付・要予約)

          『淋しさのかたまり』@ナノグラフィカはじまりました

          まっすぐな人と飲んで、自分を問いただす

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          形あるものには、みな意味がある

          形あるものには、みな意味がある

          ”マイケル・ケンナ写真展”

          昨日、山のガイド仲間の新年会で新宿に出た。 ぼくはガイドではないのだけれど、毎年声を掛けてくれて、楽しく飲んでいる。 その飲み屋へ行く前に、恵比寿にある東京都写真美術館でやっている「マイケル・ケンナ写真展」へ立ち寄った。 無機質なものと動的な自然をひとつの写真の中で絵画のように美しく融合するモノクロームの世界は、シンプルで優しく、同時に強いメッセージ性を持っている。 45年に及ぶ活動をたどるように展示された作品群を観ているうちに、今まで自分が「好きじゃない」と嫌ってきた

          ”マイケル・ケンナ写真展”

          眼力鋭い御姿と自筆のヘッダーでパワーアップ?「奈良男日記」第5回

          Yamakei Onlineのコラムサイトで連載中の「奈良男日記」。 5回目にして、ヘッダーに奈良男さんの姿と自筆の「この一歩前人未踏」の文字。今まで写真も文字ばかりで、読んでいる人は奈良男さんの姿を知らないまま読んでいる可能性が高かった。そして、ご登場いただいたわけだけれど、かなりの存在感というか、圧迫感があります(笑)。 内容は、北アルプスの五竜岳で悪天候に見舞われた奈良男さんの記録を紹介。 そして、2月から3月頭にかけて、長野県内2箇所で写真展開催が決定! 文末に

          眼力鋭い御姿と自筆のヘッダーでパワーアップ?「奈良男日記」第5回

          連載「働く人」第20回は、納豆職人

          連載「働く人」第20回は、納豆職人

          2019年1月8日「カメラマンの履歴書」で写真について話します。

          今年もあとわずか。正月が目前ですが(その前に、みなさんクリスマス気分かな)、年明け8日に、日本橋のギャラリー、Ego Art & entertainment galleryで「カメラマンの履歴書」というトークイベントをすることになりました。 内容は、ぼくがどうやって写真を撮るようになり、それをどう仕事にしてきたか、また、どんな取り組みをしているかなどをひっくるめてグルグルポンするというものです。 イベントの趣旨としては、「カメラマンの仕事に興味がある人に、現場でやっている

          2019年1月8日「カメラマンの履歴書」で写真について話します。

          日本ログハウス・オブ・ザ・イヤー授賞式

          いつもお世話になっている「ログハウスマガジン」(地球丸)主催の2018年度日本ログハウス・オブ・ザ・イヤー授賞式が大門にあるホテルで行われた。 毎年、オーナーやメーカーから応募されたログハウスの中からマシンカット、ポスト&ビーム、ハンドカットといった工法別優秀賞や、会長賞など、全体から優勝賞、最優秀賞が選ばれる。 今回は、最優秀賞とマシンカット優秀賞、ポスト&ビーム賞、読者賞に輝いたログハウスが、かつて連載していた「森の話をしよう」や、現在不定期連載中の「腕に覚えあり」で

          日本ログハウス・オブ・ザ・イヤー授賞式

          YamakeiOnline 連載『奈良男日記』第四回「進退を決める<三脈>」をUP !

          YamakeiOnline 連載『奈良男日記』第四回「進退を決める<三脈>」をUP !